大学入学共通テスト 2022年(令和4年) 本試 数学ⅠA 第5問 解説
(1)
図Aのように、
点
よって、
となるから、
である。
解答ア:1, イ:2
次の
である。
なので、考えるのはチェバの定理かメネラウスの定理だ。
ここでは、メネラウスの定理を使う。
図Bの△
とかける。
これにアイを代入して、
より
である。
解答ウ:2, エ:1, オ:3
図Cの△
とかける。
これにアイを代入して、
より
である。
解答カ:2, キ:2, ク:3
以上より
ここで、点
つまり、点
よって、
なので、
これを式Bに代入すると、
解答ケ:4
アドバイス
上の解説では、点
点
(2)
さらに、図Dのような場合を考える。
方べきの定理から
なので、
解答コ:3, サ:2
これから
で、これまでの作業を振り返ってみると、式Cの
が使えそうだ。
具体的には、
図Dより、
という式ができる。
途中式
面倒な式に見えるけど、意外にそうでもなかったりする。
嬉しくないのは、繁分数の部分。
なので、ここから解決する。
繁分数の分母分子に
両辺に
より
となる。
よって、
である。
解答シ:1, ス:3, セ:6
これを式Dに代入して、
解答ソ:1, タ;3, チ:4
次は
今までの作業から
があった。
ここで、
と表せる。
これにソタチを代入して、
より
途中式
となる。
解答ツ:4, テ:4, ト:1, ナ:5
(3)
ここまで、点
ここからはこの条件をなくして、
となる場合を考える。
つまり、(1)のケが
の値を求めよ、ということだ。
というわけで、(1)でケを求めた作業を、
としないで、
(1)では、図B,図Cの緑の三角形と赤い直線にメネラウスの定理を使って、
図Bより、
これをそれぞれ変形して
途中式
より
と表せる。
ここで、(1)で考えたように
なので、式Gは
なので、
であるためには、
より
であればよい。
この式Hと、点
を使って、問われている
を求める。
頭の中だけで考えると混乱するので、分かっていることを図にしよう。
式Hより
なので、
点
点
これを図にすると、図Eができる。
図Eより、
なので、
となる。
解答ニ:1, ヌ:3
アドバイス
この問題の意地悪なところは、式Hが答えじゃないところだ。
問われているのは
であって、式Hの
じゃない。
共通テスト本番は時間を気にして焦っているし、計算しているうちに
と勘違いしがちだ。
こういったミスを防ぐためによく使われるのは
問われている文字を使って式をつくる
方法だ。
例えば、
式Eや式Fの時点で、
つまり、
図Bより、
などが考えられる。
こうしておけば、式Hは
となって、ニヌの答えには見えなくなる。
上の解説ではこういった方法はとらなかったけど、これは解法をシンプルにして分かりやすくするため。
ミスを防ぐといった点から見ると不十分だ。
このページにも書いたけど、共通テストやセンター試験の数学は、数学のテストではなく 注意力のテストである。
「ミスしないように気をつける」といった精神論は何の役にも立たない。
ミスを防ぐために、自分にあった合理的な方法を見つけてほしい。