大学入学共通テスト 2022年(令和4年) 本試 数学ⅡB 第3問 解説
(1)
最初に、二項分布の復習をしよう。
復習
確率
確率変数
平均(期待値)は、
この問題の
ジャガイモが大量にあって、そのうち
よって、復習から、抽出された200gを超えるジャガイモの数
二項分布
解答ア:2, イ:5
また、その平均(期待値)は、復習より
である。
解答ウ:1, エ:0, オ:0
(2)
さらに、確率変数の変換の復習をしておく。
復習
確率変数
平均(期待値)を
定数
をつくる。
このとき、確率変数
平均は
復習より、
とかける。
いま、(1)の復習より、
なので、式Aは
と表せる。
これを計算して、
解答カ:2
同様に、
にウエオを代入して、
ここで、二項分布と正規分布の関係の復習をすると、
復習
このとき、
だった。
上で求めたように、
このことから、
ここで、
となるとき、図Aでいうと、オレンジの部分の面積が
このときの
正規分布の面積なので、正規分布表を使おう。
正規分布表に載っているのは、標準正規分布(図B)の面積。
図Bのオレンジの部分の面積が
になるとき。
であることが分かる。
これがキだ、と言いたいところだけど、図Aと図Bでは目盛が違うので 式Bの値をそのまま使うわけにはいかない。
なので、目盛をそろえよう。
つまり、図Bの標準正規分布
平均が
平均が
なので、
平均を
(2)の最初にした確率変数の変換の復習から、
平均を
よって、
とかけるから、これに式Bと
解答キ:2
(3)
確率変数
であり、
とする。
はすべての確率の和だ。
すべての確率の和は
である。
解答ク:1
以上を確率分布図で表すと、図Cができる。
図Cは確率分布図なので、確率は
なので、クで求めた
は、図Cの緑の部分の面積にあたる。
図Cの緑の部分の面積は
とかける。
この面積が
だ。
式Cを計算して、
積分してもいいんだけど、せっかくだから違う方法をしよう。
台形の面積として求める。
台形の面積の公式
より、緑の部分の面積は
緑
とかける。
緑の部分の面積は
これを計算して、
途中式
である。
解答ケ:4, コ:2
別解
式Cを積分してケコ求めると、次のようになる。
を計算して、
途中式
である。
解答ケ:4, コ:2
もうひとつ式があると、連立方程式で
なので、もうひとつ式をつくろう。
これを計算して、
ができる。
問題を解くときには式Dから②への計算はしなくてもいいけど、念のために計算を次に載せておく。
式Dから②への計算
を計算すると、
より
とかける。
これはさらに、
この
となり、問題文中の②式ができる。
①と②の連立方程式
を解く。
②の両辺を
①の両辺を
この2つの式を辺々引くと、
| | | ||
| | | | |
| | |
なので、
途中式
となる。
これを①に代入して、
より
途中式
である。
よって、
となる。
解答サ:3, シ:1, ス:1
最後に問われているのは、200g以上のジャガイモの割合だ。
200g以上の割合は、ジャガイモを1個取り出したときに200g以上である確率と等しい。
なので、この確率を求める。
使うのは、③の
マイナスの指数表記だとイメージがわかないって人もいるだろうから、③を
と変形しておく。
もちろん、③式のままで大丈夫な人は変形しなくてOK。
図Cのときと同様に考えると、ジャガイモが200g以上である確率は、図Dの斜線部分の面積にあたる。
これがセだ。
さっきと同じように台形の面積として求めると、
途中式
なので、
セは
解答セ:2
別解
図Dの斜線部分の面積を積分して求めると、次のようになる。
より
これを計算して、
途中式
なので、
セは
解答セ:2