大学入学共通テスト 2022年(令和4年) 本試 数学ⅡB 第5問 解説

(1)

図A
大学入学共通テスト2022年本試 数学ⅡB第5問 解説図A

図Aにおいて、
{|OA|=|OB|=1OAOB=23
なので、
|OA||OB|cosAOB=23
より
cosAOB=23
である。

解答ア:-, イ:2, ウ:3

また、点PABt:(1t)に内分する点なので、
OP=(1t)OA+tOB式A
と表せる。
これを使ってOQを表す。

いま、点Qは直線OP上の点なので、
OQ=kOP
とかける。

これに式Aを代入して、
OQ=k{(1t)OA+tOB}
より
OQ=k(1t)OA+ktOB=(kkt)OA+ktOB である。

解答エ:1, オ:0

次は、CQだ。

CQ=OQOC
だけど、
OC=OA
なので、
CQ=OQ+OA
とかける。

これに①式を代入すると、
CQ=(kkt)OA+ktOB+OA
より
CQ=(kkt+1)OA+ktOB式B
となる。

解答カ:4, キ:0


図B
大学入学共通テスト2022年本試 数学ⅡB第5問 解説図B

今度は、図BのようにOAOPのとき。
つまり、
OAOP=0
のときを考える。

OAOP=0
に式A(OPの式)を代入すると、
OA{(1t)OA+tOB}=0
より
(1t)|OA|2+tOAOB=0式C
となる。

|OA|OAOBの値を代入すると、式Cは
(1t)12+t(23)=0
と表せる。

これを解いて、このときのt
1t23t=0
33t2t=0
5t=3
t=35
である。

解答ク:3, ケ:5

(2)

OCQが直角なので、
OCCQ
だから
OCCQ=0
のときを考える。

これに 式B(CQの式)とOC=OAを代入すると
(OA){(kkt+1)OA+ktOB}=0
とかける。

これを変形して、
OA{(kkt+1)OA+ktOB}=0
(kkt+1)|OA|2+ktOAOB=0

これに|OA|OAOBの値を代入すると、
(kkt+1)12+kt(23)=0
3(kkt+1)2kt=0
3k5kt+3=0
となる。

問題文を見ると、kの値が問われている。
なので、この式をkについて解くと、
5kt3k=3
k(5t3)=3
t35なので5t30だから、
k=35t3
である。

解答コ:3, サ:5, シ:3


ここで、平面を図Cのように分割する。

図C
大学入学共通テスト2022年本試 数学ⅡB第5問 解説図C

Qの位置はtの値によって変わって、
0<t<35のとき、
Qは図Dの左図の位置
35<t<1のとき、
Qは図Dの右図の位置
にある。

図D
大学入学共通テスト2022年本試 数学ⅡB第5問 解説図D

図Cと図Dを見比べると、点Q
0<t<35のとき、D2E2 35<t<1のとき、D1E1 に含まれることが分かる。

解答ス:3, セ:0

(3)

t=12のときを考える。
このとき、
0<t<35
なので、点Qの位置は図Eの場所だ。

図E
大学入学共通テスト2022年本試 数学ⅡB第5問 解説図E

このときの|OQ|を求めるんだけど、使うのは①式だ。
①式にはkが含まれているので、t=12のときのkの値を求めることからはじめる。

②式より
k=35123

途中式 k=32532=61
k=6式D

これとt=12を①式に代入すると、
OQ={6(6)12}OA+(6)12OB=3OA3OB=3(OA+OB) とかける。

よって、|OQ|2
|OQ|2={3(OA+OB)}{3(OA+OB)}=32(OA+OB)(OA+OB)=32(|OA|2+2OAOB+|OB|2) 式E
と表せる。

|OA|OAOB|OB|の値を代入すると、式Eは
|OQ|2=32{12+2(23)+12}

途中式 |OQ|2=32(143+1)=3(34+3)
より
|OQ|2=6
となるから、
|OQ|=6
である。

解答ソ:6


さらに、t=12以外で|OQ|=6になるときを探す。

t=12のときの点Qの位置は、図Eの場所、つまり点Cの下方だった。
図Dから想像がつくんだけど、点Qが点Cの上方にあるとき、つまり図Fの点Rの位置にあるときも、
|OR|=|OQ|=6
になるはず。

図F
大学入学共通テスト2022年本試 数学ⅡB第5問 解説図F

なので、点Rについて考えよう。
以下、t=12のときの点Qを、単に点Qと書く。


Rは、直線OAに関して点Qと対称の位置にあるので、
CR=CQ
である。

解答タ:-

これに式B(CQの式)を代入して、
CR=(kkt+1)OAktOB
だけど、
{t=12式Dより、k=6

なので、
CR={6(6)12+1}OA(6)12OB=2OA+3OB となる。

解答チ:2, ツ:3


最後に、このときのt、つまり 点Pが図Gの位置にあるときのtの値を求める。

図G
大学入学共通テスト2022年本試 数学ⅡB第5問 解説図G

OPOAOBを使って2通りに表す、定期テストなんかでよく見る問題だ。

(1)の式Aで求めたように、
OP=(1t)OA+tOB式A
だった。

また、3点OPRは一直線上にあるので、実数を使って
OP=OR=(OC+CR) とかける。

これに式F(CRの式)とOC=OAを代入すると
OP={(OA)+(2OA+3OB)}=(OA+3OB)=OA+3OB と表せる。

これが式Aと同じ式なので、
{1t=t=3式G
であることが分かる。

これを連立方程式として解くんだけど、tの値だけ分かればいいので、を消そう。

式Gの上の式を下の式に代入すると
t=3(1t)
より
4t=3
となるので、このときのt
t=34
である。

解答テ:3, ト:4