大学入学共通テスト 2022年(令和4年) 本試 数学ⅠA 第4問 解説

(1)

5424で割ったときの余りが1なので、このときの商をAとすると、
54÷24=A1
より
54=24A+1
5424A=1
とかける。

この式と 問題文中の①式を見比べると、①式は
{x=1y=A
で成り立つことが分かる。

1は最小の正の整数なので、
xが正の整数で最小になるのは
x=1
のとき。

解答ア:1

このときのyは、
5424y=1
より
24y=541
y=54124=62424=39 である。

解答イ:3, ウ:9


①式の整数解がひとつ見つかったので、あとは定期テストなんかでよく見るお決まりの作業だ。

イウと①式より
5412439=1式A
という式がつくれる。

①式から式Aを辺々引くと

54x 24y =1
) 541 2439 =1
54(x1) 24(y39) =0

となるから、
54(x1)=24(y39)
と表せる。

この式が成り立つためには、5424は互いに素なので、nを整数として
{x1=24ny39=54n
より
{x=16n+1y=625n+39
でなければならない。

問われているのは、このxが2桁の正の整数のとき。
つまり、
10x
のとき。

これをnの範囲で表すと、式Bより
1016n+1

途中式 916n
916n
となるけど、nは整数なので、xが2桁の正の整数になるのは
1n式D
のとき。

式Bを見ると、nが大きくなるにつれてxも大きくなる。
なので、nが最小のとき、xも最小になる。

よって、式Dを満たす最小のnである
n=1
のときのxyが答えだ。

答えは、n=1を式B,式Cに代入して、
x=161+1=17 y=6251+39=664 である。

解答エ:1, オ:7, カ:6, キ:6, ク:4

(2)

625=54
なので、
6252=(54)2=58 である。

解答ケ:8

m=イウ=39 のとき、式Aより
54124m=1
625=24m+1
とかける。

この両辺を2乗すると、
6252=(24m+1)2=28m2+224m+12=28m2+25m+1 となって、問題文と同じ式ができる。

解答コ:5

(3)

問題文にあるように、
②の解のxについて、55x62525525の倍数 である。

詳しく

共通テスト本番では、問題文の
55x62525525の倍数である」
をそのまま使って、理由を考える必要はない。
時間がもったいないから。
理由を説明すると、以下のようになる。

xは整数だから、55x55の倍数 6252=5855の倍数 なので、55x625255の倍数である。

②式を変形すると
55x=25y+1
となり、yは整数だから、
55x25の倍数+1
式Eを変形すると
6252=25(23m2+m)+1
となり、mは整数だから、
625225の倍数+1
よって、
55x6252=(25の倍数+1)(25の倍数+1)=25の倍数25の倍数 なので、55x625225の倍数である。

以上より、
55x62525525の倍数である

よって、を整数として
55x6252=5525
とかける。

これを変形すると、x
55x58=5525
x53=25
x=25+53式F
と表せる

問われているのは、このxが3桁の正の整数のとき。
つまり
100x<1000
のとき。

これをの範囲で表すと、式Fより
10025+53<1000式G
とかける。

式Fを見ると、が大きくなるにつれてxも大きくなる。
つまり、xが最小になるのはが最小のときだ。
なので、式Gの青い部分の計算は省略する

式Gを変形すると
1005325
2532
2532
だけど、は整数なので、
0
となる。

これを満たす最小のである
=0
のときのxyが答えだ。


xの答えは、式Fに=0を代入して、
x=53=125

解答サ:1, シ:2, ス:5

yの答えは、x=53を②式に代入して、
555325y=1
5825y=1

これを解いて、
25y=581
y=58125式H

途中式 y=(54+1)(541)25=(625+1)(6251)25=6243962631325=39313
y=12207
である。

解答セ:1, ソ:2, タ:2, チ:0, ツ:7

(4)

ここで、数字が11424に変わった。
これまで5424を使って解いてきたのと同じ作業を 違う数字でしなさい、という問題だ。
なので、(1)のはじめから、11424でやってみよう。

11424で割ったときの余りが1なので、このときの商をBとすると、
114÷24=B1
より
114=24B+1
とかける。

この式の両辺を2乗すると、
(114)2=(24B+1)2
118=28B2+224B+12=28B2+25B+1 となる。

なので、11825で割った余りは
1
であることが分かる。

また、問題の不定方程式
115x25y=1
より、115x25で割った余りは
1
であるはずだ。

よって、(3)で考えたのと同様に、
115x11811525の倍数 であることが分かる。

なので、kを整数として、問題の不定方程式の解x
115x118=11525k
より
x113=25k
x=25k+113式I
と表せる。


いま問われているのは、このxが正の整数のとき。
つまり
1x
のとき。

これをkの範囲で表すと、式Iより
125k+113

途中式 111332k
133032k
133032k
となる。
ここで、kは整数で、
13303241.5
くらいの数なので、xが正の整数になるのは
41k式J
のとき。

式Iを見ると、kが大きくなるにつれてxも大きくなる。
なので、kが最小のとき、xも最小だ。

よって、式Jを満たす最小のkである
k=41
のときのxyが答えだ。


xの答えは、式Iにk=41を代入して、
x=25(41)+113=32(41)+1331=1312+1331=19 である。

解答テ:1, ト:9

このときのyは、問題文中の不定方程式
115x25y=1

x=19
を代入して、
1151925y=1
より
25y=115191
y=11519125
とかける。

こんな計算はしたくないけど、仕方がない。

右辺の分子を展開して、
y=161051×19125=305996825=95624 である。

解答ナ:9, ニ:5, ヌ:6, ネ:2, ノ:4