大学入学共通テスト 2023年(令和5年) 追試 数学ⅡB 第3問 解説
(1)
図Aの箱A,箱Bから1枚ずつカードを取り出し、書かれている数の
小さい方を
両方のカードに書かれた数が同じときは、
まず、
箱A | |||||
---|---|---|---|---|---|
| | | |||
箱B | | | | | |
| | | | | |
| | | | | |
| | | | |
表Aの全てのマスは同じ確率で起こり、マスの数は
解答ア:7
解答イ:5
解答ウ:3
解答エ:1
である。
同様に、取り出したカードと
箱A | |||||
---|---|---|---|---|---|
| | | |||
箱B | | | | | |
| | | | | |
| | | | | |
| | | | |
表Bの全てのマスも同じ確率で起こり、マスの数は
解答オ:3
解答カ:5
解答キ:7
である。
以上を、確率が大きい順に並べて書くと、表Cになる。
| | | | 計 | |
---|---|---|---|---|---|
| | | | ||
| | | |
表Cを見ると、確率が同じ
より
となることが分かる。
よって、確率変数
とすると、
解答ク:5
(2)
表Cから、確率変数
とかける。
これを計算して、
である。
解答ケ:1, コ:5
標準偏差は問題文にあるから求める必要はないんだけれど、練習のために説明しておく。
復習
確率変数
復習
次の表のような確率変数
| | | | 計 | |
---|---|---|---|---|---|
| | | | |
このとき、確率変数
である。
復習より、標準偏差を求めるために、まず分散を計算する。
解法1
復習の式Aを使うと、
途中式
となる。
解法2
復習の式Bを使うと、
途中式
である。
なので、式Bは
途中式
よりとなる。
分散の正の平方根が標準偏差なので、標準偏差
である。
ここで、確率変数の変換について復習しておく。
復習
確率変数
平均を
と定める。
このとき、
平均
となる。
クで考えたように、
なので、
平均
となる。
よって、
だ。
解答サ:2, シ:5
標準偏差
となる。
よって、
である。
解答ス:3
(3)
(i)
| | | | |||
---|---|---|---|---|---|---|
| | | | |||
| | | | | | |
| | | | | ||
| | | | | ||
| | | | |
なので、その確率
式C
途中式
である。
解答セ:1, ソ:1
| | | | |||
---|---|---|---|---|---|---|
| | | | |||
| | | | | | |
| | | | | ||
| | | | | ||
| | | | |
とかけるけど、この式の右辺は式Cと同じだ。
なので、
であることが分かる。
解答タ:1
(ii)
(i)は数学Aっぽかったけど、ここから数学Bだ。
まず最初に思い出さなきゃいけないことは、標本平均と標本標準偏差の次の性質について。
復習
母平均
平均
復習より、標本平均
である。
解答チ:2
さらに、母平均の推定について復習しておく。
復習
母標準偏差を
ただし、信頼度が
特に、
信頼度
いま
母標準偏差
式E
とかける。
これを計算する。
問題文より
なので、式Eは
これを四捨五入して、
となる。
解答ツ:4, テ:7
アドバイス
これじゃ原理がゼンゼン分からないけど、原理通り解くと時間がかかるから、共通テスト本番では機械的に公式を使おう。
原理に関してはこのページを参照してほしい。
同様に
母標準偏差
だけど、スより
標本平均
よって、
である。
解答ト:4, ナ:7
最後に、問題文中の基準を考える。
ケコより、
だけど、
なので
だから、
解答ニ:1
サシより、
だから、
解答ヌ:0
ことが分かる。
よって、基準にしたがうと
太郎さんの記憶は正しくない
と判断される。
解答ネ:1