大学入学共通テスト 2023年(令和5年) 追試 数学ⅠA 第4問 解説
(1)
まず
①
| | | | |||
| | | | | ||
| | | | ③ |
となる。
解答ア:2, イ:6, ウ:5, エ:1
この一次不定方程式③を解く。
一次不定方程式はお約束の解き方があるので憶えておこう。
まず、解をひと組見つける。
③の
これを「=余り」の形に変形して、
式A2'に式A1'を代入すると
ができる。
これを③の方程式に合わせよう。
項の順序を入れ替えて
両辺に
となって、③の形になった。
よって、③の方程式の解のひとつは
であることが分かる。
解がひと組見つかった。
アドバイス
ここでは、地道な作業をすれば誰でも解をひとつ求められる方法をとった。
直感でぱっと解を見つけられるひとは、ここまでの作業は必要ないです。
その場合、見つけた解を③式に代入したものを式Bとして使ってください。
③から式Bを辺々引くと
| | | ||
| | | | |
| | | |
となるから、
とかける。
ここで、
でなければならない。
以上より、一次不定方程式③の解は
となる。
解答ク:5, ケ:1, コ:2, サ:6
クケコサが先に解けてしまった。
式Eより、
つまり、ある解に
なので、式Cの
よって、
解答オ:6, カ:-, キ:3
さらに、式Eを①に代入すると
とかける。
これを
と表せる。
式Fの右辺をシの式の形にする。
方法は色々あるけど、ここではシの式を変形して式Fを作ろう。
シの式を変形すると
式Fとこの式が等しいので、
シ
である。
解答シ:4
したがって、式Fは
と変形できる。
この
つまり、
が
式にすると、
式Gの左辺は奇数なので、右辺も奇数だ。
つまり
なので
だから、
とかける。
これを式Gに代入して変形すると
より
となるから、
以上より、
解答ス:3
したがって、
(2)
次は
⑤-④ より
| | | | | |
| | | | ||
| | | | |
なので
とかける。
また、⑤
| | | | |||
| | | | | | |
| | | | ⑦ |
となる。
この一次不定方程式⑦が整数解をもつ場合を考える。
ここで、一次不定方程式の整数解が存在する条件を復習しておくと、
復習
だった。
⑦式の
だから、⑦式の両辺を
よって、⑦式が整数解を持つ必要十分条件は 右辺が
式にすると、
式Hの左辺は
また、
となるので、
詳しく
と表すと、このうちの2数の積について、次の表のような関係が成り立つ。
これは別に憶えるほどのことでもなくて、例えば
を考えてみると、
つまり、2数の積を
もとの数の余りの積が
問題の
となる。
この
よって、
とかける。
これを式Hに代入して変形すると、
より
となるから、
以上より、
⑦式を満たす整数
解答セ:7, ソ:4
(3)
今度は
⑨-⑧
| | | | |||
| | | | | | |
| | | | ⑩ |
と表せる。
これが整数解
復習より、⑩式が整数解を持つ必要十分条件は、
これには
⑩式の両辺を割り切れる整数が存在するときパターンA
→両辺を整数で割ったあとの
→⑩式の
パターンAからはじめよう。
⑩式の
なので、素因数は
しかない。
なので、パターンAであるためには、⑩式の右辺も
したがって、
このとき、
となる。
なので、⑩式の
つまり、⑩式の両辺を割り切れる整数は存在しないから、パターンAは成り立たない。
よって、求める必要十分条件は、パターンBの
⑩式の
というわけで、パターンBを考える。
さっき考えたように、
だけ。
だから、
したがって、求める必要十分条件は
このとき、
より
だから
なので
以上より、⑩式が整数解を持つ必要十分条件は
この
解答タ:0, チ:2
(4)
最後は
問題文に「これまでと同様」とあるので、同じような作業をしよう。
問題文の指示に従って
⑫-⑪
| | | | ||
| | | | | |
| | | |
より
ができる。
この式Iが整数解をもつ場合を考える。
復習より、式Iが整数解を持つ必要十分条件は、
(3)と同様に、これには
式Iの両辺を割り切れる整数が存在するときパターンC
→両辺を整数で割ったあとの
→式Iの
パターンCだけ考えよう。
式Iの
の2つある。
なので、パターンCであるためには、式Iの
この場合、
ここで、
なので、式Iの両辺が
より
とかけるから、
なので、
以上より、パターンCが成り立つのは
このとき、式Iは、両辺を
と変形できる。
さらに、パターンCであるためには、式I'の
つまり、
これは、
より
と表せる。
つまり、
以上より、
式Iを満たす整数
といえる。
条件Aの
だと考えられる。
解答ツ:1, テ:5
というわけで、条件Aを使って
このふたつを合わせて、条件Aは
式Iを満たす整数
アドバイス
本当は、このときに整数
けれど、問題文では(2)(3)ともに整数
解答ト:3, ナ:1, ニ:3