大学入学共通テスト 2022年(令和4年) 追試 数学Ⅱ 第4問 解説

(1)

$i^{3}=i^{2}\cdot i$
$\phantom{i^{3}}=-1\cdot i$
$\phantom{i^{3}}=-i$

解答ア:-

$i^{4}=(i^{2})^{2}$
$\phantom{i^{4}}=(-1)^{2}$
$\phantom{i^{4}}=1$

解答イ:1

である。

また、$P(x)$に$x=i$を代入すると、
$p(i)=i^{4}-4i^{3}+4i^{2}+12i-21$
なので、
$p(i)=1-4(-i)+4\cdot(-1)+12i-21$
$\phantom{ p(i) } =1+4i-4+12i-21$
$\phantom{ p(i) } =-24+16i$
となる。

解答ウ:-, エ:2, オ:4, カ:1, キ:6

(2)

$P(x)$を$Q(x)$で割ると

$x$$+2$
$x^{3}-6x^{2}+15x-14$$)$$x^{4}$$-4x^{3}$$+4x^{2}$$+12x$$-21$
$x^{4}$$-6x^{3}$$+15x^{2}$$-14x$
$2x^{3}$$-11x^{2}$$+26x$
$2x^{3}$$-12x^{2}$$+30x$$-28$
$x^{2}$$-4x$$+7$

なので、商は
$x+2$
余り$R(x)$は
$R(x)=x^{2}-4x+7$式A
となる。

解答ク:4, ケ:7

また、$P(x)$,$Q(x)$,$R(x)$の関係は
$P(x)=Q(x)(x+2)+R(x)$
と表せる。

解答コ:2

$P(\alpha)=Q(\alpha)=0$
のとき、①は
$(\alpha+2)\times 0+R(\alpha)=0$
となるから、
$R(\alpha)=0$
だ。

解答サ:0

これを式Aに代入すると
$\alpha^{2}-4\alpha+7=0$
とかける。

このときの$\alpha$は、解の公式より、
$\displaystyle \alpha=\frac{4\pm\sqrt{4^{2}-4\cdot 1\cdot 7}}{2\cdot 1}$
$\phantom{ \alpha } =2\pm\sqrt{4-7}$
$\phantom{ \alpha } =2\pm\sqrt{3}i$
である。

解答シ:2, ス:3


ここまでで
$P(\alpha)=Q(\alpha)=0$であるためには、②でなければならない ことが分かった。

ここからは
②であれば、$P(\alpha)=Q(\alpha)=0$である が成り立つかどうかを考える。


まず、$Q(x)$を$R(x)$で割る。
を求めたときみたいに筆算してもいいんだけど、今はだけ分かればいいので、時間節約のためにかけ算だ。

$Q(x)=R(x)(x-$$)$式B
の両辺の定数項だけを考える。

$Q(x)=x^{3}-6x^{2}+15x-14$
だから、式Bの左辺の定数項は
$-14$

$R(x)=x^{2}-4x+7$
だから、式Bの右辺の定数項は
$7\times(-$$)$

この2つが等しいので、
$7\times(-$$)=-14$
より
$=2$
であることが分かる。

解答セ:2

よって
$Q(x)=R(x)(x-2)$
なので、$x$が②の$\alpha$のとき
$Q(\alpha)=(x-2)\times 0$
$\phantom{ Q(\alpha) } =0$
である。

さらに、これを①に代入すると
$P(\alpha)=(x+2)\times 0+0$
$\phantom{ P(\alpha) } =0$
となる。

したがって、
②であれば、$P(\alpha)=Q(\alpha)=0$である ことが分かる。


以上より、$P(\alpha)=Q(\alpha)=0$を満たす複素数$\alpha$は、②の
$\alpha=2\pm\sqrt{3}i$
の、ちょうど2個存在する。

解答ソ:2

(3)

$S(x)$,$T(x)$を使って、(2)と同様の作業をする。

$S(x)=T(x)x+x^{2}+$$x+$式C

$x^{2}+$$x+$$=S(x)-T(x)x$
と変形できる。

これに$S(x)$,$T(x)$を代入すると、
$x^{2}+$$x+$$=x^{4}+2x^{3}+4x^{2}+3x+3$
$\hspace{176px}-(x^{3}+2x^{2}+3x+1)x$
$\hspace{138px}=x^{4}+2x^{3}+4x^{2}+3x+3$
$\hspace{176px}-(x^{4}+2x^{3}+3x^{2}+x)$
$\hspace{138px}=x^{2}+2x+3$
となる。

解答タ:2, チ:3

したがって、$S(x)$を$T(x)$で割った余りを$U(x)$とすると、
$U(x)=x^{2}+2x+3$
であり、式Cは
$S(x)=T(x)x+U(x)$式C'
とかける。

$S(\beta)=T(\beta)=0$のとき、式C'は
$0\times\beta+U(\beta)=0$
となるので、$U(\beta)$は必ず$0$だ。

よって、
$S(\beta)=T(\beta)=0$であるためには、$U(\beta)=0$でなければならない ことになる。


ここで、$T(x)$を$U(x)$で割ると、

$x$
$x^{2}+2x+3$$)$$x^{3}$$+2x^{2}$$+3x$$+1$
$x^{3}$$+2x^{2}$$+3x$
$1$

なので、
$T(x)=U(x)x+1$
と表せる。

よって、
$U(\beta)=0$のとき、$T(x)=0$にはならない ことになる。


以上より、
$S(\beta)=T(\beta)=0$を満たす複素数$\beta$は存在しない ことが分かる。

解答ツ:0