大学入学共通テスト 2018年(平成30年) 試行調査 数学ⅡB 第3問 解説
(1)
まず、母比率と標本比率の復習をしておこう。
復習1
母比率
期待値
復習1より、標本比率の期待値は母比率と同じ
なので、標本
である。
解答ア:2, イ:0, ウ:0
さらに、標本比率の分布についても復習をしておこう。
復習2
母比率
に従う。
復習2より、標本比率は近似的に
に従う。
つまり、標本比率の分布は
平均(期待値)が
解答エ:5
分布の標準偏差は、分散の正の平方根をとって、
解答オ:0, カ:2, キ:5
(2)
(i)
次は、標本平均の分布だ。
これについても復習しておく。
復習3
母平均
このとき、標本平均は
母集団が正規分布に従うときには
に従う。
復習3より、読書時間の標本平均は、近似的に
に従う。
つまり、標本平均の分布は
平均(期待値)が
解答ク:2, ケ:4
標準偏差は、分散の正の平方根をとって、
である。
解答コ:2, サ:0
(ii)
(i)で考えたように、標本平均は近似的に
に従う。
ここでは
つまり
平均値が
よって、標本平均が
この赤い面積を 正規分布表を使って求めるんだけど、
図Aの分布は
なので、図Aを標準化して標準正規分布に合わせよう。
復習4
確率変数
標準化した確率変数を
である。
復習より、図Aの
となるから、図Aを標準化すると図Bができる。
正規分布表より、図Bの緑の部分の面積は
だと分かる。
これを
である。
解答シ:0, ス:0, セ:1, ソ:3
次は、選択肢から確率が約
何だかよく分からないので、それぞれの選択肢を考えてみよう。
⓪,①は、母集団の確率分布が分からないと計算できない。
母比率,母平均,母標準偏差は問題文中に載っているけど、それだけでは確率分布は分からない。
なので、不適。
P大学の全学生の読書時間の平均値は、(2)の最初に
なので、母平均が
シスセソを求めたときと同じように考えと、標本平均が
なので、確率が
よって、不適。
以上より、正しい選択肢は④しかない。
解答タ;4
余談
問題を解くのには全く必要ないけれど、④の標本平均が
シスセソのときと同様に考えて、標本平均が
これを標準化するんだけど、平均値の
なので、復習4の式を使って計算しなくても、
になる。
以上より、求める確率は図Eの赤い部分の面積である。
正規分布表より、図Eの緑の部分の面積は
であることが分かる。
よって、赤い部分の面積は、
である。
(3)
(i)
まず、母平均の推定の復習から。
復習5
母標準偏差を
ただし、信頼度が
特に、
信頼度
復習5の式Bより、
より
とかける。
解答チ:4
アドバイス
これじゃ原理がゼンゼン分からないけど、原理通り解くと時間がかかるから、共通テスト本番では機械的に公式を使おう。
原理に関してはこのページ参照。
(ii)
何やら難しそうな選択肢が並んでいるけれど、びっくりせずに考えよう。
は母平均
選択肢⓪,①のように、学生の人数
選択肢②,③,⑤のように、標本平均
についての式ではない。
なので、選択肢の⓪,①,②,③,⑤は不適。
正しい選択肢は
④
である。
解答ツ:4