大学入学共通テスト 2018年(平成30年) 試行調査 数学ⅠA 第2問 [2] 解説

(1)

最初は、単純作業で面倒だけど計算だ。


xの平均値は、
1+22=32
          =1.50

である。

解答セ:8


次の標準偏差は、復習から始めると

復習

データ{x1,x2,,xn}があり、その平均値をxとするとき、
分散s2は、
s2=1n{(x1x)2+(x2x)2++(xnx)2}=x2(x)2
標準偏差s
s=s2式B
である。

だった。

式Aより、xの分散は
(132)2+(232)22=(12)2+(12)22=(12)2 となる。

よって、式Bより、標準偏差は
(12)2=12=0.50 である。

解答ソ:6


また、相関係数についても復習すると、

復習

データ{x1,x2,,xn}{y1,y2,,yn}があり、それぞれの平均値をxy、標準偏差をsxsyとするとき、
{x}{y}の共分散sxy
sxy=1n{(x1x)(y1y)+(x2x)(y2y)++(x2x)(y2y)} 式C
相関係数rxy
rxy=sxysxsy式D
である。

だった。

式Cより、xyの共分散は
(132)(232)+(232)(132)2=121212122=(12)2 となる。

よって、式Dより、相関係数は
(12)21212=1.00
である。

解答タ:1

(2)

式Dより、相関係数は、
共分散xの標準偏差×yの標準偏差式E
とかける。

(x,y)=(1,2)(2,2)のとき、yの平均値は2だから、分散は
(22)2+(22)22=0
なので、yの標準偏差も0だ。

このとき、式Eは分母が0になるから、相関係数が存在しない。

よって、正しい選択肢は

である。

解答チ:3

(3)

次は、相関係数についての正誤問題だ。
散布図についての問題ではないけれど、目に見える形で理解した方がいいので、ここでは散布図を使って復習することにする。

復習

図A
大学入学共通テスト2018年試行調査 数学ⅠA第2問[2] 解説図A

図Aのように点が一直線上に並んでいるとき、横軸の項目と縦軸の項目の相関係数は1または1になる。
左側のグラフのように傾きが正ならば相関係数は1
右側のグラフのように負なら相関係数は1である。

相関係数が1または1の場合は、図Aのように点は一直線上にきれいに並ぶ。
この並びが乱れるほど、相関係数は0に近づく。

図B
大学入学共通テスト2018年試行調査 数学ⅠA第2問[2] 解説図B

簡単に相関係数が0の散布図を作ろうと思えば、図Bのように点の分布を左右対称または上下対称にすればよい。
この「左右対称または上下対称」は必要十分条件ではないので注意。
つまり、点の分布が左右対称または上下対称でなくても、相関係数が0になることがある。

図C
大学入学共通テスト2018年試行調査 数学ⅠA第2問[2] 解説図C

また、図Cのように点が縦軸や横軸に平行な直線上に並んでいる場合は、(2)で説明したように相関係数は計算できない。

復習を理解したところで、選択肢をひとつずつ確認しよう。


点が2つの場合、散布図は図Dのどれかになる。

図D
大学入学共通テスト2018年試行調査 数学ⅠA第2問[2] 解説図D

(e)のように2つの点が重なる場合を除いて、点は必ず一直線上に分布する。
よって、復習より、
(a)(b)のとき、相関係数は1または1 (c)(d)(e)のとき、相関係数は計算できない から、相関係数が0になることはない。

なので、⓪は正しい。

復習より、傾きが負の直線上に3つの点が並べば、相関係数は1になる。
なので、正しい。

復習より、傾きが正の直線上に4つの点が並べば、相関係数は1になる。
なので、誤り。

復習より、傾きが負の直線上に50個の点が並べば、相関係数は1になる。
このとき、点が重なっていても問題ない。
     (すべての点が1か所に重なっている場合を除く)
なので、正しい。

復習より、傾きが正の直線上に50個の点が並べば、相関係数は1になる。
このとき、点が重なっていても問題ない。
     (すべての点が1か所に重なっている場合を除く)
なので、正しい。

以上より、選択肢のうちで誤っているのは

である。

解答ツ:2

(4)

まずから。

(3)の復習より、相関係数とは、散布図の点が直線っぽく並んでいるかどうかを表す値だ。
なので、正しい選択肢は

である。

解答テ:4

最後に、

これは、(3)の選択肢⓪の説明がそのまま解説になる。
なので、正しい選択肢は

である。

解答ト:3