大学入学共通テスト 2018年(平成30年) 試行調査 数学ⅡB 第1問 [1] 解説
(1)
点$\mathrm{P}$の座標については
$(\cos\theta,\sin\theta)$
で、説明の必要はないと思う。
解答ア:1, イ:0
次は点$\mathrm{Q}$の座標だ。
図Aのふたつの緑の三角形は合同なので、オレンジの線同士,赤い線同士の長さは等しい。
なので、
点$\mathrm{Q}$の$x$座標は、点$\mathrm{P}$の$y$座標と等しいので
$\sin\theta$
点$\mathrm{Q}$の$y$座標は、点$\mathrm{P}$の$x$座標と符号が逆の
$-\cos\theta$
である。
解答ウ:0, エ:4
(2)
$ 0 \lt \theta \lt \pi$式A
のときの、線分$\mathrm{AQ}$の長さ$\ell$の変化を表したグラフを考える。
まず、$\ell$が計算しやすい例をいくつか考えよう。
式Aの定義域には入っていないけれど、$\theta=0$のときにも$\ell$の値は存在するので、求めておこう。
$\theta=0$のとき、点$\mathrm{Q}$は点$\mathrm{A}$と一致する。
なので、図を描くまでもなく
$\ell=0$
だ。
$\theta=\pi$も式Aの定義域には入っていないけど、考えよう。
$\theta=\pi$のとき、点$\mathrm{Q}$は$y$軸上の$y=1$の点。
なので、これも図を描くまでもなく
$\ell=2$
だ。
以上より、正しいグラフは、選択肢のうち
①,②,④,⑥
のうちのどれかだ。
もうちょっと例を考えよう。
$\displaystyle \theta=\frac{\pi}{3}$のとき、それぞれの点の位置は図Bのようになる。
このとき、図Bの緑の三角形は正三角形になるので、$\ell$(図中の赤い線の長さ)は
$\ell=1$
である。
$\displaystyle \theta=\frac{\pi}{2}$のとき、それぞれの点の位置は図Cのようになる。
図Cで、$\ell$(赤い線の長さ)は
$\ell=\sqrt{2}$
である。
$\displaystyle \theta=\frac{2\pi}{3}$のとき、それぞれの点の位置は図Dのようになる。
このとき、図Dの緑の三角形は、辺の比が$1:2:\sqrt{3}$の直角三角形になるので、$\ell$(赤い線の長さ)は
$\ell=\sqrt{3}$
となる。
以上で値が分かった点をグラフにすると、図Eができる。
図Eより、正しいグラフは、選択肢の
②
である。
解答オ:2
アドバイス
ここではせっかくだからたくさん点を取ったけど、共通テスト本番ではこんなにたくさん点を取っている時間はない。
$\displaystyle \theta=\frac{\pi}{2}$のとき$\ell=\sqrt{2}$
のひとつだけ求めれば、答えは見つかる。