大学入学共通テスト 2018年(平成30年) 試行調査 数学ⅡB 第1問 [3] 解説
(1)
まず、指数と対数の関係の復習をしよう。
復習1
である。
復習1より、
は
とかける。
解答チ:1
別解
復習1の方法を使わないと、次のようになる。
は、左辺は対数,右辺は対数じゃないので、そのまま比較ができない。
なので、右辺を対数にしよう。
復習2
対数じゃない数を対数にするには、
をかける。
復習2より、式Aの右辺に
とかける。
右辺を整理すると
なので
であることが分かる。
解答チ:1
次は、
なので、底が
というわけで、底の変換だ。
式Aの対数の底を
より
となる。
復習1より、この式は
と表せる。
解答ツ:5
別解
この問題にしか使えないかも知れないけど、選択肢から答えを見つけるだけなら、次のような考え方もできる。
となるけど、底の
であることが分かる。
選択肢のうちで、この範囲に入るのは
⑤
の
解答ツ:5
(2) (i)~(iii)
まず、対数関数のグラフの形の復習をしておこう。
復習3
対数関数
この問題では底が
対数ものさしのつくりかたのルールは、図Aのようになっている。
つまり、対数ものさしA,Bともに、
目盛りに
(i)
復習3で復習したように、
なので、
よりも
の方が小さい。
言いかえると、
よって、
解答テ:2
(ii)
対数ものさしAで、目盛りの
対数ものさしBで、目盛りの
とかける。
この2つが等しいので、
より
なので
である。
解答ト:1
(iii)
さらに新しいものさしCが出てきた。
このものさしCは、
目盛りに
対数ものさしAで、目盛りの
ものさしCで、目盛りの
とかける。
この2つが等しいので、
より
なので
である。
解答ナ:2
(2) (iv)
突然見たことがない問題が出てきたけれど、大丈夫。
これまでで分かったことを使う方向で考えよう。
(ii)より、図Bのとき
の関係が成り立った。
このときの計算から、図Bの青い数字と緑の数字をかけると赤い数字になることが分かる。
つまり、対数ものさしA,Bを使うと、かけ算ができる。
よって、選択肢の
②
の計算ができる。
また、このとき、式Bを変形した
の関係も成り立つ。
このことから、赤い数字を青い数字で割ると緑の数字になることが分かる。
つまり、対数ものさしA,Bを使うと、割り算もできる。
よって、選択肢の
③
の計算もできる。
(iii)より、図Cのとき
の関係が成り立った。
このときの計算から、図Cの青い数字を緑の数字乗すると赤い数字になることが分かる。
つまり、対数ものさしAとものさしCを使うと、指数の計算ができる。
よって、選択肢の
④
の計算ができる。
また、このとき、式Cを変形した
の関係も成り立つ。
このことから、青い数字を底,赤い数字を真数とした対数の値は緑の数字であることが分かる。
つまり、対数ものさしAとものさしCを使うと、対数の計算ができる。
よって、選択肢の
⑤
の計算もできる。
一方、等間隔の目盛りがあるものさしが2本あれば、たし算と引き算もできる。
ものさしCの目盛りは等間隔だけど、ものさしC同士を合わせるのはこの問題ではダメ。
なので、たし算や引き算はできない。
以上より、実行できる選択肢は
②,③,④,⑤
である。
解答ニ:2,3,4,5