大学入学共通テスト 2018年(平成30年) 試行調査 数学ⅡB 第4問 解説
(1)
(i)
問題Aは、見慣れた
漸化式から小さい文字を全部消すと
より
である。
この
より
とかける。
解答ア:4
(ii)
式Aの赤い部分を
とおくと、
より
式Aは
なので、
初項が
よって、
とかける。
これを式Bに代入して、
より
である。
解答イ:2, ウ:3, エ:4
(2)
次は
だ。
(i)
なので、
である。
解答オ:6
(ii)
なので、
というわけで、まず
式Cの
ができる。
これから式Cを辺々引くと、
となるけど、この式の左辺は
なので、この式は
と書きなおせる。
解答カ:3, キ:8
(iii)
ここまで来ると、勝ったも同然。
(1)で、
だった。
(i),(ii)より、
となる。
解答ク:2, ケ:3, コ:4
(3)
(i)
問題Aの式変形の考え方を使うので、
サ
は
の形になるはず。
なので、
シの
そういう組合せを探そう。
選択肢のうち、
シの候補は、
は選択肢にない。
なので、シは⓪の
であり、サはこの式の
の③である。
解答サ:3, シ:0
(ii)
を変形して
の形にする。
こういう場合、簡単な式を変形して複雑な式をつくるより、複雑な式を変形して簡単な式をつくる方が楽だ。
なので、式Dを変形して、式Cの形にする。
式Dを変形すると
となる。
これが式Cと同じ式なので、両方の式の赤い部分は等しいから、
と表せる。
この式は恒等式なので、両辺の青い部分同士,オレンジの部分同士は等しい。
よって、
とかける。
式Eより、
これを式Fに代入して、
である。
解答ス:-, セ:4, ソ:1
(4)
問題文にあるように、
どちらでも好きな方法で解いてもらって問題ない。
(2)の方法
(2)で、階差数列
よって、
より
とかける。
これを
ができる。
これを計算して、
より
である。
解答タ:3, チ:4, ツ:1
別解
上の解では階差数列の考え方を使わなかった。
階差数列の考え方で解くと、次のようになる。
問題文より、
ここで、階差数列の復習をしておくと、
復習
数列
と表せる。
なので、
とかける。
これを計算して、
途中式
である。
これは
解答タ:3, チ:4, ツ:1
(3)の方法
問題文より、
とおくと、
式Gの
となる。
なので、
初項が
とかける。
これを式Gに代入して、
より
である。
解答タ:3, チ:4, ツ:1
(5) (2)の方法
さらに、
である数列
アドバイス
これまでの流れから、
けれど、今回は(3)の方法の方が簡単に解けるので、これをお勧めする。
(2)の方法が難しいというわけではないが、作業工程が多くて面倒だ。
せっかくなので(2)の方法も載せておくけど、読み飛ばしてもらって問題ない。
式Hの右辺を整理して、
この
ができる。
これから式H'を辺々引くと、
となるけど、
なので、この式は
と書きなおせる。
式Iの
これから式Iを辺々引いて、
となるけど、
なので、この式は
と書きなおせる。
式Jは普通の
なので、
となる。
また、
これに
である。
さらに、
となる。
よって、
初項が
(1)のときと同様に
とおくと、
初項が
なので、一般項は
より
とかける。
ようやく一般項がつくれた。
これから、
より
とかける。
これに式I,式Kを代入すると
ができる。
これを計算して、
より
となる。
より
とかける。
これに式H,式Lを代入すると
ができる。
これを計算して、
より
である。
解答テ:2, ト:3, ナ:2, ニ:4, ヌ:8
式K以降の別解
(4)の別解と同様に階差数列の考え方を使って解くと、次のようになる。
に
となる。
これを計算すると、
途中式
となる。
に
となる。
これを計算すると、
途中式
となる。
これは
解答テ:2, ト:3, ナ:2, ニ:4, ヌ:8
(5) (3)の方法
とする。
これまでの流れを振り返ると、
(1)で、
を
を
この考え方から、
と変形しよう。
スセソのときと同じように、式Mを変形して式Hをつくる。
式Mを変形すると、
途中式
となる。
これが式Hと同じ式なので、
式N | ||
式O | ||
式P |
とかける。
式Nより、
これを式Oに代入して、
これを式Pに代入して、
となるから、式Mは
と書きなおせる。
この式の赤い部分を
とおくと、式M'は
と表せる。
ここで、
だから、
初項が
よって、
となるから、これを式Qに代入して、
より
となる。
解答テ:2, ト:3, ナ:2, ニ:4, ヌ:8