大学入学共通テスト 2018年(平成30年) 試行調査 数学ⅠA 第1問 [3] 解説
解説
傾斜が$33^{\circ}$のとき、階段は図Aのようになる。
まず、踏面を$x$として、蹴上げを$x$と$33^{\circ}$の三角比で表そう。
図Aの赤い三角形は直角三角形なので、
$\displaystyle \tan 33^{\circ}=\frac{\text{蹴上げ}}{\text{踏面}}$
$\displaystyle \tan 33^{\circ}$$\displaystyle =\frac{\text{蹴上げ}}{x}$
より
蹴上げ$=x\tan 33^{\circ}$
とかける。
この蹴上げが$18$cm以下なので、
$x\tan 33^{\circ}\leqq 18$
より、
$x\displaystyle \leqq\frac{18}{\tan 33^{\circ}}$式A
である。
また、
$26\leqq x$
と定められているので、これと式Aをあわせて、求める踏面$x$の範囲は
$26\displaystyle \leqq x\leqq\frac{18}{\tan 33^{\circ}}$式B
となる。
解答い:$26\displaystyle \leqq x\leqq\frac{18}{\tan 33^{\circ}}$
アドバイス
途中式もちゃんと書くような記述問題では、式Bをつくる前に、
$26 \lt \displaystyle \frac{18}{\tan 33^{\circ}}$
であることも示しておく必要がある。
問題文より、
蹴上げが$18$cm
踏面が$26$cm
のとき、傾斜は約$35^{\circ}$である。(図B)
さっきと同じように図Bから関係式をつくると、
$\displaystyle \tan 35^{\circ}\doteqdot\frac{18}{26}$式C
より
$26\displaystyle \doteqdot\frac{18}{\tan 35^{\circ}}$
とかける。
ここで、
$\tan 35^{\circ} \gt \tan 33^{\circ}$
なので、
$\displaystyle \frac{18}{\tan 35^{\circ}} \lt \frac{18}{\tan 33^{\circ}}$
となるから、
$26 \lt \displaystyle \frac{18}{\tan 33^{\circ}}$
といえる。
式Cで概数にしているから、厳密に言うとこの説明では不十分だ。
けれど、大学入学共通テストレベルの問題では必要ないと思われるので、これ以上の解説はしないことにする。