大学入学共通テスト 2018年(平成30年) 試行調査 数学ⅡB 第5問 解説

(1)

図A
大学入学共通テスト2018年試行調査 数学2B第5問 解説図A

(i)

MABの中点なので、
OM=a+b2
OM=12(a+b)
NCDの中点なので、
ON=c+d2
ON=12(c+d)
である。

解答ア:1, イ:2

また、立体のすべての面は1辺が1の正三角形なので、
ab=ac=ad=bc=bd=11cos60
ab=ac=ad=bc=bd=12
である。

解答ウ:1, エ:2

(ii)

まず、内積OACN
OACN=a(ONc)式A
とかける。

式AのONは、
で求めたように、
ON=12(c+d)式B
問題文より、
ON=kOM式C
の2通りに表せる。

なので、内積OACNも2通りに表せる。
その2つの式を連立方程式にして、kを求めよう。


式Aに式Bを代入すると
OACN=a{12(c+d)c}
OACN=a{12(c+d)}
OACN=12(ac+ad)式D
となる。

ここで、(i)より
ac=ad
なので、式Dから
OACN=0式D'
であることが分かる。


式Aに式Cを代入すると
OACN=a(kOMc)
とかける。

これに、で求めた
OM=12(a+b)
を代入すると、
OACN=a{k2(a+b)c}
OACN=k2a(a+b)ac
OACN=k2(|a|2+ab)ac式E
となる。

ここで、
(i)より
ab=ac=12
問題文より、
|a|=1
なので、式Eは
OACN=k2(12+12)12
OACN=k23212式E'
である。


式D'=式E'なので、
k23212=0
より
3k2=0
k=23
となる。

解答オ:2, カ:3

(iii)

方針1

より、ON
ON=23OM
とかける。

これにで求めた

ON=12(c+d)
OM=12(a+b)

を代入すると、
12(c+d)=2312(a+b)
より
3(c+d)=2(a+b)
となる。

これをdについて解いて、
3c+3d=2a+2b
より
3d=2a+2b3c
d=23a+23bc式F
となる。

解答キ:2, ク:3, ケ:2, コ:3


方針2

OMONのなす角は0なので、
OMON=|OM||ON|cos0
OMON=|OM||ON|式G
である。

また、
ON=12(c+d)
なので、
ONON=(12)2(c+d)(c+d)
より
|ON|2=(12)2(cc+2cd+dd)
|ON|2=(12)2(|c|2+2|c||d|cosθ+|d|2)
となる。

この式に
|c|=|d|=1 を代入すると
|ON|2=(12)2(12+211cosθ+12)
より
|ON|2=12(1+cosθ)式H
|ON|2=12+12cosθ
とかける。

解答サ:1, シ:2

(iv)

cosθを、方針1または方針2を使って求めよという。
どちらの方法を使ってもいいんだけど、方針1の方が計算が少なくて済むからお勧め。
ここでは、両方の方法を載せておく。


方針1

cd=|c||d|cosθ
cd=cosθ
に式Fを代入すると、
c(23a+23bc)=cosθ
ができる。

これを計算して、
cosθ=23ca+23cbcc
より
cosθ=2312+231212
cosθ=231
cosθ=13
となる。

解答ス:-, セ:1, ソ:3


方針2

まず、問題中の
OMON |OM| の値を求めよう。

OM=12(a+b)
ON=12(c+d)

なので、
OMON=(12)2(a+b)(c+d)
より
OMON=(12)2(ac+ad+bc+bd)
OMON=(12)212×4
OMON=12
である。

これを式Gに代入すると、
|OM||ON|=12式I
とかける。

また、
OMOM=(12)2(a+b)(a+b)
より
|OM|2=(12)2(aa+2ab+bb)(★)
|OM|2=(12)2(12+212+12)
|OM|2=34式J
となる。


以上で求めた

|ON|2=12(1+cosθ)式H
|OM||ON|=12式I
|OM|2=34式J

を使って、cosθを求める。
そのために、|OM||ON|を代入して消そう。

式Iの両辺を2乗して、
|OM|2|ON|2=14
これに式H,式Jを代入して、
3412(1+cosθ)=14
両辺を8倍して、
3(1+cosθ)=2
3+3cosθ=2
3cosθ=23
cosθ=13
である。

解答ス:-, セ:1, ソ:3

(2)

図B
大学入学共通テスト2018年試行調査 数学2B第5問 解説図B

(1)との違いは
AB=1とは限らない こと。

なので、△OABは正三角形とは限らないから、AOB60とは限らない。
よって、(1)(i)で求めた
ab=12
は成り立つとは限らない。

問題文よりAOB=αなので、abは、
ab=|a||b|cosα
ab=cosα
である。

(1)(i)で求めたその他の値は、(2)でも変わらない。

また、(1)ではCOD=θだったけど、(2)ではCOD=βに変わっている。

(i)

問題文に方針2を使うように指示があるので、(1)で解いた方針2の計算をもう一度しよう。
ただし、全部やり直す必要はなくて、
ab=12 の部分を ab=cosα θ の部分を β に変えればよい。

(1)(iii)で求めた式Hの
|ON|2=12(1+cosθ)
は、θβに変えて
|ON|2=12(1+cosβ)式H' となる。

(1)(iv)で計算した |OM||ON|=12式I はそのまま使えるけど、式Jの
|OM|2=34
は、求めるときにabを使っているから、その直前、つまり(★)の行からやり直そう。


|OM|2=(12)2(aa+2ab+bb)(★)
|a|=|b|=1ab=cosαを代入すると、
|OM|2=(12)2(12+2cosα+12)
|OM|2=12(1+cosα)式J'
となる。


以上で求めた

|ON|2=12(1+cosβ)式H'
|OM||ON|=12式I
|OM|2=12(1+cosα)式J'

を使って、(1)(iv)と同様の計算をする。

式Iの両辺を2乗して、
|OM|2|ON|2=14
これに式H',式J'を代入すると
12(1+cosα)12(1+cosβ)=14
となるから、両辺を4倍して
(1+cosα)(1+cosβ)=1式K
と表せる。

解答タ:1

(ii)

α=βのとき、図形は図Cのようになる。

図C
大学入学共通テスト2018年試行調査 数学2B第5問 解説図C

このとき、式Kは
(1+cosα)2=1
とかける。

これを解いて、
1+cosα=±1
より
cosα=1±1
cosα=20
だけど、1cosα1なので
cosα=0
とかける。

よって、
α=90
である。

解答:チ:9, ツ:0


このとき、図Cの△OAB(緑の三角形)と△OCD(黄色い三角形)は合同になる。
なので、点Mと点Nは一致するから、直線ABと直線CDは交わる。

交差する2直線は同一平面上にあるから、2つの直線上の点ABCDも同一平面上にある。

解答テ:1