大学入学共通テスト 2018年(平成30年) 試行調査 数学ⅠA 第2問 [1] 解説
(1) 問題を解く準備
最初に、情報を整理しておこう。
三角形
の直角三角形。
問題文より
なので、
点
点
点
点
ここまで整理できたところで、問題を解く。
(1) (i)
図中、そのまま書いてある数字は長さ、丸で囲んでいる数字は比率を表している。
点
点
より
である。
まず、
図Aの青い三角形に余弦定理を使うと、
とかける。
いま、
よって、式Aは
となる。
これを計算して、
である。
解答ア:2, イ:5, ウ:7
また、△
とかける。
これにそれぞれの値を代入して、
より
である。
解答エ:8, オ:3
(1) (ii)
図中、そのまま書いてある数字は長さ、六角形で囲んでいる数字は比率を表している。
点
点
である。
三平方の定理より、
とかける。
いま、
よって、式Bは
より
と表せる。
式B'を平方完成すると、
途中式
となる。
なので、横軸を
例えば
この青い線と式B''のグラフの共有点は、図Cの青い点ひとつだけなので、
同様に考ると、
図Cの緑の部分に入る場合
つまり
オレンジの部分に入る場合
つまり
色のついていない部分に入る場合
つまり
ことが分かる。
ここまで分かったところで、選択肢をひとつずつ確認しよう。
なので、図Cの色のついていない部分に入る。
よって、
なので、図Cのオレンジの部分に入る。
よって、
なので、図Cの緑の部分に入る。
よって、
なので、図Cの緑の部分に入る。
よって、
なので、図Cのオレンジの部分に入る。
よって、
以上より、
とり得ない値は、⓪
一回だけとり得る値は、①,④
二回だけとり得る値は、②,③
である。
解答カ:0, キ:1,4, ク:2,3 (順不同)
(1) (iii)
次は、面積の問題だ。
図中、そのまま書いてある数字は長さ、丸や六角形で囲んでいる数字は比率を表している。
点
より
同様に、
である。
三角形
図Dを見ると、青い三角形,緑の三角形,紫の三角形はすべて、三角形
底辺は
なので、
である。
以上より、時刻
となる。
以上、考え方を説明した。
(う)の正解例はここでは省略する。
公開されている正解例はリンクを参照してほしい。
→ 数学入試問題データベースサイト
大学入試数学問題集成さんで
正解例を見る。
別解
三角形の面積の公式
を使う方法だと、次のようになる。
三角形
三角形の面積の公式より、
とかける。
この式の
よって、
となる。
この式の赤い部分は三角形
と表せる。
同様に、
となるので、
である。
(2)
点
また、△
これまで通り、図E中のそのまま書いてある数字は長さ、丸や六角形で囲んでいる数字は比率を表している。
まず、図中の色のついた3つの三角形の面積を考えよう。
(1)の(iii)と同じように考えると、△
底辺は
なので、3つの三角形それぞれの面積は、
とかける。
なので、△
と表せる。
いま、△
なので、式Dは
となる。
これが
ができる。
これを解く。
分数部分を約分して、
両辺を
と変形できる。
解の公式より、このときの
途中式
となる。
解答ケ:3, コ:0, サ:6, シ:5, ス:5
補足
この問題では、問題文中のマスから
けれど、記述問題のときには、以下のように、式Eが
いま、
である。
式Eは
とかける。
ここで、
なので、
より
とかける。
より、
なので、式E'は
とかけるから、
である。
これは、式Fの範囲に含まれる。
より、式E'は
なので
である。
これは、式Fの範囲に含まれる。
以上より、求める
である。