大学入学共通テスト 2023年(令和5年) 本試 数学ⅡB 第2問 [2] 解説

(1)

定積分 030(15x+3)dx を計算すると、
030(15x+3)dx=[15x22+3x]030=[x(x10+3)]030=30(3010+3)=180 となる。

解答タ:1, チ:8, ツ:0

また、不適積分
(1100x216x+5)dx
を計算すると、Cを積分定数として、
(1100x216x+5)dx=1100x3316x22+5x+C=1300x3112x2+5x+C である。

解答テ:3, ト:0, ナ:0, ニ:1, ヌ:2, ネ:5

(2) (i)

問題文は長いけれど、問われているのは、単に
0t(15x+3)dx=400式B
となるtの値だ。
図でいうと、図Aの緑の部分の面積が400になるようなtの値を問われている。

図A
大学入学共通テスト2023年本試 数学ⅡB第2問[2] 解説図A

式Bはそのまま積分してもいいんだけど、(1)の作業を使うと、式Aより
030(15x+3)dx=[x(x10+3)]030
なので、式Bの左辺は
0t(15x+3)dx=[x(x10+3)]0t=t(t10+3) となる。

この値が400になればいいので、
t(t10+3)=400式C
より
t(t+30)=4000式D
とかける。


式Dを解くんだけど、真面目に解く必要はなくて、tに適当な値を代入してみた方が早い。

(1)より
030(15x+3)dx=180
なので、t=30のとき図Aの緑の面積は180だから、解答群の⓪は不適だ。

なので、正解は①~⑦のどれかなんだけど、まずはちょうど真ん中の④でやってみよう。
式Dの左辺のt50を代入したものが、右辺の4000より
大きければ、正解は①~③のどれか 小さければ、正解は⑤~⑦のどれか であることが分かる。

ということで、式Dの左辺にt=50を代入すると、
50(50+30)=5080=4000 となって、いきなりうっかり正解を見つけてしまった。

以上より、開花日時は2月に入ってから50日後である。

解答ノ:4

別解

積分を使わずに、図Aの緑の図形の面積を考えても解ける。

図Aの緑の図形は台形なので、面積は
12×(上底+下底)×高さ
で求められる。

上底にあたるのは、図Aの紫の線。
この長さはy=f(x)y切片なので、
上底=3
下底にあたるのは、図Aの赤い線。
この長さはf(t)なので、
下底=15t+3
高さにあたるのは、図Aのオレンジの線。
この長さはt

だから、面積は
12×{3+(15t+3)}×t=t(t10+3)
とかける。

この面積が400になればいいので、
t(t10+3)=400式C
と表せ、式Cができる。

(2) (ii)

今度は、f(x)
f(x)={15x+3(0x30)・・・①1100x216x+5(30x)・・・②
として、(i)と同様に考える。

y=f(x)のグラフを描くと、図Bができる。

図B
大学入学共通テスト2023年本試 数学ⅡB第2問[2] 解説図B

図Bで、緑の部分の面積が400になるようなtを考えるわけだ。


これを考えるために、分かることを確認しよう。

図C
大学入学共通テスト2023年本試 数学ⅡB第2問[2] 解説図C

(1)より
030(15x+3)dx=180
なので、図Bの黄色い部分の面積は
180
であることが分かっている。

また、問題文の
3040(1100x216x+5)dx=115
より、図Bの青い部分の面積は
115
だ。

さらに、図Cの紫の放物線は、x=30より左の部分で単調増加なので、
青の面積<オレンジの面積
だから、
3040f(x)dx<4050f(x)dx
である。

解答ハ:0


以上より、図Cにおいて、
黄色+青は
180+115=295
黄色++オレンジは
180+115+115より大きいので、
410より大きい
ことが分かる。

よって、図Bの、緑の面積が400であるtは、
40<t<50
の部分にある。

解答ヒ:4