大学入学共通テスト 2024年(令和6年) 本試 数学Ⅰ 第4問 解説

(1)

(i)

問題文より、A,Bともにデータの大きさ(選手の数)は50 タイムが420秒未満の選手は、
問題文中の図1を見ると、Aでは3 問題文中の図2を見ると、Bでは9
である。

なので、

Aでの割合[%]
350×100=3×2=6 [%]

解答ア:6

Bでの割合[%]
950×100=9×2=18 [%]

解答イ:1, ウ:8

となる。


ここで、データの代表値の復習をしておこう。

復習

平均値
データの値の和をデータの大きさで割ったもの。小学校以来使ってきた「平均」のこと。

中央値
データを大きい順(小さい順でもいいけど)に並べたとき、中央になる値。データの大きさが偶数のときには、中央2数の平均値。

最頻値
データ中で最も個数が多い値。度数分布表や度数分布図では、度数が最も多い階級の階級値。

復習より、

Aの最頻値は、問題文中の図1のヒストグラムで、右から2つ目の階級(510以上540未満)の階級値。

解答エ:8

Bの中央値は、大きい方から(小さい方からでもいいけど)25番目と26番目の値の平均値。
25番目の値も26番目の値も 問題文中の図2の右から3つ目の階級(450以上480未満)にあるので、中央値もこの階級に含まれる。

解答オ:6

(ii)

次に、箱ひげ図と四分位数の復習だ。

復習

大学入学共通テスト2024年本試 数学ⅠA第2問[2] 復習図

第1四分位数 データの下位半分の中央値。
データの大きさが奇数のときは、全体の中央値を除いて偶数にし、その下位半分の中央値をとる。

第2四分位数 中央値に等しい。

第3四分位数 データの上位半分の中央値。
データの大きさが奇数のときは、全体の中央値を除いて偶数にし、その上位半分の中央値をとる。

四分位範囲 第3四分位数-第1四分位数。

問題文中の図3の箱ひげ図から、データAとBの速い方から13番目のタイムを比較する。

この問題で気をつけないといけないのは、
速い = タイム(秒数)が小さい ということだ。

速い方から13番目は、タイムが小さい方から13番目だ。
これは、タイムが大きい順に考えると 下位25人のちょうど真ん中、つまり第1四分位数にあたる。
なので、問題文中の図3の箱ひげ図の、第1四分位数(箱の左端)を見よう。

問題文中の図3より、
Aの第1四分位数は478くらい Bの第1四分位数は434くらい なので、差は44くらいだ。

これに近いのは、選択肢の

である。

解答カ:4

問題文中の図3より、

Aの
第3四分位数は534くらい 第1四分位数は478くらい なので、四分位範囲は
534478=56
くらい。

Bの
第3四分位数は488くらい 第1四分位数は434くらい なので、四分位範囲は
488434=64
くらい。

なので、Aの四分位範囲とBの四分位範囲の差の絶対値は
|5664|=|8|=8 である。

これにあてはまるのは、選択肢の

だ。

解答キ:0

(iii)

問題文中の式
(あるデータのある選手のベストタイム)=(そのデータの平均値)+z×(そのデータの標準偏差) を変形すると、
z=(あるデータのある選手のベストタイム)(そのデータの平均値)(そのデータの標準偏差) とかける。

この式を使って計算すると、

Aの1位の選手のz
z=37650440=3.20

Bの1位の選手のz
z=296454453.51

解答ク:3, ケ:5, コ:1

となる。

値はマラソンのタイムなので、数が小さい方が速いから、

ベストタイムで比較すると、
376>296
なので、Bの1位の選手の方が優れている

zの値で比較すると、
3.20>3.51
なので、Bの1位の選手の方が優れている

といえる。

以上より、解答群のうち正しいものは

である。

解答サ:1

(2)

(i)

(a)

図A
大学入学共通テスト2024年本試 数学ⅠA第2問[2] 解説図A

マラソンの速い方から3番目までの選手は、図Bの赤い点。

図Bを見ると、
赤い点は全て10000mの1670秒の線(緑の線)よりも下にある。 なので、(a)は正しい。

(b)

相関係数の復習をすると、

復習

以下の散布図は、横軸・縦軸ともに矢印方向が大きい値とする。

大学入学共通テスト2024年本試 数学ⅠA第2問[2] 復習図

左端の散布図のように すべての点が右上がりの直線上に分布していれば、相関係数は+1 右端の図のように 右下がりの直線上に分布していれば、相関係数は1 点の分布が直線的な配置から乱れるにつれて、相関係数は0に近づく

ただし、点が直線的に分布していても、次の図のように縦軸や横軸に平行なときには、相関係数は0に近い値になる。

大学入学共通テスト2024年本試 数学ⅠA第2問[2] 復習図

(誤解しないでほしいのだけど、分布の傾きが0に近づけば相関係数も0に近づくという意味ではない。このへんについてはページをつくって詳しく解説したいけど、当分先の話になるかも。)

特に、下の図のように点が完全に軸に平行に分布しているとき、相関係数は計算できないため存在しない。

大学入学共通テスト2024年本試 数学ⅠA第2問[2] 復習図

問題文中の図4と図5を見比べると、図5の分布の方が右上がりの直線的だ。

なので、
5000mと10000mの間の相関の方が、マラソンと10000mの間の相関より強い ことになる。

よって、(b)は誤り。

以上より、正誤の組合せで正しいものは

である。

解答シ:1

(ii)

ここで、相関係数の計算式を思い出すと、

復習

データ{x1,x2,,xn}{y1,y2,,yn}があり、
それぞれの標準偏差をsxsy {x}{y}の共分散をsxy とするとき、{x}{y}の相関係数rxy
rxy=sxysxsy式A
である。

式Aと問題文中の表2より、5000mと10000mの相関係数は
131.810.317.90.714
であることが分かる。

解答ス:7