大学入学共通テスト 2017年(平成29年) 試行調査 数学ⅠA 第1問 [2] 解説
(1)
まず、
このとき、△
なので、
である。
解答オ:0, カ:3
これを
になる。
(2)
次に、
このとき、△
このうち、
そのためには、
ここで、
復習
復号同順
私はこの公式は好きじゃなくて、このページの方法を使って考える方が好きだ。
この辺は人によるので、自分に合った方法で計算してほしい。
復習が終わったところで、問題にもどる。
図Aより、
だと、
という式になるけど、選択肢にこの式はないから使えない。
だと、
という式になる。
同じ式が選択肢の④にあるので、これが答えだ。
解答キ:4
さらに、単位円と三角比の値の復習をしよう。
復習
座標平面において、
この交点の
復習より、
円の半径は
なので、選択肢のうちで当てはまるのは、②の
である。
解答ク:2
(3)
まず、(a)について。
明らかに誤りだけど、ひとつ例を考えてみよう。
こういう証明がアリなのであれば、次のようなことも出来てしまう。
となる。
この右辺を小数第4位で四捨五入して、
とすることで
が証明できるとすれば、両辺に
が証明できてしまう。
次に、(b)について。
これも明らかに誤りだけど、ちょっと復習しよう。
復習
命題「AであればBである」について、
偽の場合、「AであるがBでない」例(反例)を一つあげれば証明したことになる
けれど、
真の場合、「AであってBである」例をあげるだけでは証明したことにはならない。
復習より、
こういう証明がアリなのであれば、
鳥のダチョウは飛べない。
鳥のペンギンは飛べない。
なので、鳥は飛べない
ってことが証明できてしまう。
渡りは徒歩かな、やっぱり。
以上より、選択肢のうちで正しいのは
③
である。
解答ケ:3
(4)
次は、
外接円の半径が出てきたので、これが含まれる公式を思い出すと、
正弦定理の
いまは面積の公式は使えないので、正弦定理だ。
正弦定理より、
なので、
とかける。
なので、これはさらに
より
となる。
解答コ:3
より
より
となる。
解答サ:5, シ:1
(5)
図Cの青い三角形は直角三角形なので、
より
とかける。
これに式Cを代入して、
より
である。
また、図Cの斜線の三角形も直角三角形なので、
より
とかける。
これに式Aを代入して、
である。
ここで、
なので、これに式D,式Eを代入すると、
と表せる。
解答ス:3, セ:5
設問には関係ないけれど、この先の解説もしておく。
ここで、式B
より
とかける。
この式の両辺を2乗して、
両辺に
と変形できる。
この式の左辺は
である。
(6)
図Dで(5)と同じ作業をしてみよう。
図Dの青い三角形は直角三角形なので、
より
とかける。
これに式Cを代入して、
より
である。
ここまでは
図Cの斜線の三角形も直角三角形だけど、この三角形を使ってできるのは、
という式だ。
これを変形すると
となるから、下線部②は修正しないといけない。
これに式Aを代入して、
である。
図Dでは、
になるから下線部③も修正だ。
解答 (い)下線部②
または
下線部③
設問には関係ないけれど、この先は、式Hに式D,式Gを代入すると
となって、式Fと同じ式になる。
(7)
まず、必要条件と十分条件についての復習をしよう。
アドバイス
必要条件・十分条件の問題は、一般的には
なので、必要条件
みたいに解くことが多いけど、○×の判定で混乱したり間違えたりすることが多い。なので、図や表で表せるときは、次の復習のように集合の大小で考える方がおすすめ。
復習
図Eで、
つまり、片方の集合がもう片方に含まれるとき、
大きい集合は小さい集合の必要条件
小さい集合は大きい集合の十分条件
である。
「大は小の必要条件・小は大の十分条件。」
呪文のように憶えておこう。
図Fのようにふたつの集合が等しい場合は、必要十分条件となる。
図Gのように、片方がもう片方を含むような関係でない場合には、必要条件でも十分条件でもない。
というわけで、条件
これまでの流れを振り返ると、
(4)(5)(6)で「
よって、条件
図Hを見ると、集合
なので、復習より、
で、必要条件ではない。
以上より、正しいのは
②
である。
解答ソ:2