大学入学共通テスト 2017年(平成29年) 試行調査 数学ⅠA 第5問 解説
(1)
まずは、方盤の作り方を理解するための導入問題だ。
よって、
より、当てはまる数は
である。
解答ア:2
なので、
列目。
解答イ:5
(2)
このタイプの問題を解き慣れていると、
「きっと答えは③の素数だ」
って見当がつく。
けれど、見当がつかなかった場合は、あれこれ考えるよりもやってみた方が早い。
選択肢を見ると、④と⑤は見た瞬間に誤りだと分かる。
なので④と⑤は除外して、⓪~③の場合をやってみる。
まず、⓪の場合。
だけど、
このとき、
のとき、
方盤に
①の場合。
だけど、
このとき、
のとき、
方盤に
②の場合。
⓪でやってみた
以上より、③以外の選択肢は全部、命題
「その選択肢であれば、方盤に
の反例が見つかった。
なので、③以外は、方盤に
必要十分条件とは、必要条件かつ十分条件だから、十分条件でなければ必要十分条件ではない。
よって、選択肢に必要十分条件が含まれているなら、
③
しかない。
解答ウ:3
別解
この問題のように、選択肢の中から答えを見つけるだけなら、上の方法がシンプルでお勧め。
だけど、これだと
③以外は必要十分条件ではない
であることは示していても、
③が必要十分条件である
ことは示していない。
なので、記述問題の場合は思いっきり減点される。
記述問題では、③が必要十分条件であることを示す必要がある。
示し方は何通りもあるけれど、マークシート問題としては不要でもあるし、一通りだけ載せておく。
方盤に
よりも
の方が解説が簡単なので、こっちを説明する。
が素数の場合
のふたつだけしかない。
また、
なので、
なので、
よって、
つまり、
が合成数( でも素数でもない自然数)の場合
とかける。
これを、
と表すと、
である。
以上より、
となる
つまり、方盤中に必ず
したがって、
この対偶は
といえるから、上の対偶は
方盤に
よって、
以上より、
方盤に
③
である。
解答ウ:3
(3)
(i)
方盤の
より
とかける。
この商を整数
とかけるから、求める
を満たすものである。
解答エ:0
(ii)
式Aの一次不定方程式を解く。
まず、解をひとつ見つけよう。
これを「=余り」の形に変形して、
式B2'に式B1'を代入して、
より
ができる。
式Cより、解のひとつは
だ。
式Aから式Cを辺々引くと、
となるから、
とかける。
ここで、
でなければならない。
以上より、一次不定方程式Aの解は、
である。
いま求めているのは、Aの整数解のうち
であるもの。
なので、この
より
と表せるから、これを満たす整数
しかない。
これを式Eに代入して、求める
である。
解答オ:2, カ:7
(4)
(i)
このとき、
と表せる。
ここで、
より、最大公約数は
である。
なので、式Fは、両辺を最大公約数の
と変形できる。
ここで、
解答キ:7
いま
なので、この中に
よって、
より
である。
解答ク:7
(ii)
(i)の方法を振り返ってみると、
ということは、
とかける。
今は
これは、式Gより
が一番大きな数になる行を探している
と言いかえられる。
さらに、
以上より、
である。
いま、
だから、最大公約数が
なので、
のとき。
このとき、
とかける。
この
である。
解答ケ:2, コ:8
(5)
面倒だけど、選択肢をひとつずつ検討しよう。
⓪
式Gより、
なので、
より、
よって、⓪は誤り。
また、このことから、
①
⓪と同様に考える。
なので、
より、
よって、①は正しい。
②
(3)では、
の整数解から求めた。
同様に考えて、
の整数解から求められる。
いまは
を解いてみて、
である整数解
でも、そんな面倒なことはしたくない。
他の方法を考えよう。
ここで、一次不定方程式が解を持つ条件の復習をしておくと、
復習
だった。
復習より、
と
は互いに素なので、式Iは
あとは、この
であるものがあれば、②は正しいことになる。
なので、それを確認しよう。
(3)での作業と似たようなことをする。
式Iが
として、式Iに代入すると
ができる。
これを式Iから辺々ひくと、
となるから、
とかける。
ここで、
でなければならない。
以上より、一次不定方程式Iにおける
となる。
つまり、
なので、
もし
となって、
であるはず。
ところが、(3)(i)で決めたように
つまり、
よって、式Iは、
以上より、
なので、②は正しい。
ここで先の選択肢に行く前に、ちょっとまとめておこう。
上の解説では式Iから式Kを作った。
式Iの右辺の
このことから、
③
と
は互いに素ではない。
なので、ルールBより、
よって、③は誤り。
④
と
は互いに素である。
なので、ルールBより、
よって、④は正しい。
⑤
⑤と②③④は違うところがあって、
となり、両辺が同じ数(つまり
なので、単純に
式Kの両辺を
となるけど、
てか、見るからに解のひとつは
だ。
なので、
よって、⑤は正しい。
以上より、選択肢のうち正しいものは
①②④⑤
である。
解答サ:1,2,4,5
別解
合同式の考え方を使うと、②④はもっと簡単に解ける。
けれど、高校によっては授業で扱わないし、指導要領からも外れるので、必要ないと思う人は以下の解説は読まなくても問題ない。
また、文章が長くなるけど、合同式の表現は避けて解説する。
合同式の性質の必要な部分を抜き出すと、
ポイント
整数
とする。
このとき、
である。
このことから、
つまり
これを この問題にあてはめると、
つまり、
さらに、
よって、ルールCより、
さらに、マスに現れることができる数字は
以上より、
ルールDより、
なので、②は正しい。
同様に、
なので、④は正しい。
以上、ざっと説明した。
このサイトの目的は基本事項の整理なので、合同式については今のところこれ以上扱う予定はない。
教科書や参考書によっては解説が載っていたりするので、もっと詳しく知りたい人はそちらで学習してほしい。