大学入学共通テスト 2017年(平成29年) 試行調査 数学ⅡB 第1問 [1] 解説
解説
円$C$と直線$\ell$が異なる2点で交わるためには、$C$の中心と$\ell$の距離が$5$未満であればよい。
直線$\ell$の式は
$x+y=a$
より
$x+y-a=0$
である。
よって、円$C$の中心(原点)と直線$\ell$の距離$d$は
$d=\displaystyle \frac{\left|0+0-a\right|}{\sqrt{1^{2}+1^{2}}}$
$d$$\displaystyle =\frac{\left|a\right|}{\sqrt{2}}$
とかける。
これが$5$未満なので、このときの$a$の範囲は
$\displaystyle \frac{\left|a\right|}{\sqrt{2}} \lt 5$
より
$\left|a\right| \lt 5\sqrt{2}$
$-5\sqrt{2} \lt a \lt 5\sqrt{2}$
となる。
解答ア:5, イ:2
別解
この問題に関しては、円と交わる直線の傾きが$-45^{\circ}$と都合の良い角度なので、次のように解いた方が早い。
円$C$と直線$\ell$が異なる2点で交わるためには、直線$\ell$が$y$軸と図Bの赤い部分(両端を除く)で交わればよい。
赤い範囲の上端を点A,下端を点Bとする。
図Bの緑の三角形は直角二等辺三角形になるので、各辺の比は
$1:1:\sqrt{2}$
である。
また、円の半径は$5$なので、各辺の長さは
$5$,$5$,$5\sqrt{2}$
となる。
よって、点Aの$y$座標は$5\sqrt{2}$だから、点Bの$y$座標は$-5\sqrt{2}$だ。
ここで、直線$\ell$と$y$軸との交点の$y$座標は$a$なので、$a$の範囲は
$-5\sqrt{2} \lt a \lt 5\sqrt{2}$
となる。
解答ア:5, イ:2
このとき、交点のひとつを点$\mathrm{P}$とし、座標を
$(s,t)$
とする。
点$\mathrm{P}$は直線$\ell$上の点なので、
$s+t=a$
より、両辺を2乗して
$s^{2}+2st+t^{2}=a^{2}$式A
とかける。
また、円$C$の式は、
$x^{2}+y^{2}=5^{2}$
だけど、点$\mathrm{P}$は円$C$上の点なので、
$s^{2}+t^{2}=5^{2}$式B
とかける。
式Aから式Bを辺々ひくと、
$s^{2}$ | $+2st$ | $+t^{2}$ | $=$ | $a^{2}$ | |
$-)$ | $s^{2}$ | $+t^{2}$ | $=$ | $5^{2}$ | |
$2st$ | $=$ | $a^{2}-5^{2}$ |
より
$st=\displaystyle \frac{a^{2}-25}{2}$
である。
解答ウ:2, エ:5, オ:2