大学入試センター試験 2019年(平成31年) 本試 数学ⅠA 第3問 解説

(1)

問題を解きはじめる前に、図のような絵を描こう。
何色の袋にどんな球が入っているか、目に見える形にしておいた方がミスも減るし、思い違いも防げる。
面倒でも必ず絵を書くことを勧める。

大学入試センター試験2019年追試 数学ⅠA第3問 解説図

まず、1回目の操作で赤い袋から赤球が出る確率から。
1回目の操作で赤い袋が選ばれるのは さいころで3の倍数以外の目が出たときなので、確率は 46 赤い袋から赤球が取り出される確率は、23 この両方が起こらないといけないので、かけ算をして、求める確率は
4623=49
である。

解答ア:4, イ:9


1回目の操作で白い袋から赤球が出る確率は、
1回目の操作で白い袋が選ばれるのは さいころで3の倍数の目が出たときなので、確率は 26 白い袋から赤球が取り出される確率は、12

この両方が起こらないといけないので、かけ算をして、求める確率は
2612=16
である。

解答ウ:1, エ:6

(2)

2回目の操作が白い袋で行われるのは、1回目の操作で白球が出たとき。
なので、1回目の操作で白球が出る確率を求めよう。

(1)で赤球が出る確率を求めたので、余事象を使うことにする。

赤球が出る確率は、(1)より、
49+16
=46+1996
=42+1392
=1192式A

白球が出るのは、この余事象なので、
11192
=921192
=718
である。

解答オ:7, カ:1, キ:8

別解

余事象を使わずに解くと次のようになる。

1回目の操作で赤い袋から白球が出る確率は、
1回目の操作で赤い袋が選ばれるのは さいころで3の倍数以外の目が出たときなので、確率は 46 赤い袋から白球が取り出される確率は、13 より、この確率は
4613=29

1回目の操作で白い袋から白球が出る確率は、
1回目の操作で白い袋が選ばれるのは さいころで3の倍数の目が出たときなので、確率は 26 白い袋から白球が取り出される確率は、12 より、この確率は
2612=16

1回目の操作で白球が出るのは、上のどちらの場合でもよいので、たし算をして
29+16=26+1996
29+16=22+1392
29+16=718
である。

解答オ:7, カ:1, キ:8

(3)

2回目の操作で白球が出るのは、
白い袋から白球が出るパターンA 赤い袋から白球が出るパターンB の2パターン。

パターンA

パターンAになるためには、1回目の操作で白球が出ないといけない。
白球が出る確率をpとするので、
2回目の操作が白い袋で行われる確率はp 白い袋から白球が取り出される確率は、12 より、パターンAの確率は
12p
である。

パターンB

パターンBになるためには、1回目の操作で赤球が出ないといけない。
白球が出る確率をpとするので、赤球が出る確率は1pだから、
2回目の操作が赤い袋で行われる確率は(1p) 赤い袋から白球が取り出される確率は、13 より、パターンBの確率は
13(1p)
である。

2回目の操作で白球が出るのは、パターンAとパターンBのどちらでもよいので、たし算をして、
12p+13(1p)
=(1213)p+13
=16p+13式B
となる。

解答ク:1, ケ:6


(2)より、1回目の操作で白球が出る確率は
718
と分かっているので、
p=718
である。

これを式Bに代入して、2回目の操作で白球が出る確率は
16718+13
=7663+66663
=43663式C
=43108
となる。

解答コ:4, サ:3, シ:1, ス:0, セ:8


2回目の操作で白球が出る確率をqとすると、を求めたのと全く同じ計算から、3回目の操作で白球が取り出される確率は
16q+13式D
とかける。

コサシスセより、2回目の操作で白球が出る確率は
43108
と分かっているので、これを式Dのqに代入して、
1643108+13
=1643108+26108108
=43+21086108
=2596108式E
=259648
となる。

解答ソ:2, タ:5, チ:9, ツ:6, テ:4, ト:8

(4)

次は、条件付き確率の問題だ。
今回の問題では、この問題のように表を書いて考える方法が使えないので、教科書通りの解き方をしよう。

まず、条件付き確率の復習から。

復習

事象Aが起こる確率をP(A),事象Aと事象Bの両方が起こる確率をP(AB)とするとき、
Aが起こったときにBが起こる条件付き確率PA(B)は、
PA(B)=P(AB)P(A)
だった。

復習より、ナニヌネで問われている条件付き確率は
2回目の操作で白い袋から白球が出る確率2回目の操作で白球が出る確率式F
とかける。

式Fの分子の「2回目の操作で白い袋から白球が出る確率」は、(3)のパターンAなので、
12p
だけど、p=718だったので
12718
である。

式Fの分母の「2回目の操作で白球が出る確率」は、式Cより、
43663
だった。

以上より、式Fは
1271843663
とかける。
これを計算して、
1271843663=1766321843
          =7343
          =2143
となる。

解答ナ:2, ニ:1, ヌ:4, ネ:3


また、ノハヒフヘで問われている条件付き確率は
赤球→赤球→白球 の順に出る確率3回目の操作で取りだした球が白球である確率式G
とかける。

式Gの分子の「赤球→赤球→白球 の順に出る確率」は、
1回目の操作で赤球が出る確率は、式Aより、1192 2回目の操作で赤球が出るのは、赤い袋から赤球が出る確率なので、23 3回目の操作で白球が出るのは、赤い袋から白球が出る確率なので、13 このすべてが起こらないといけないので、
11922313
である。

式Gの分母の「3回目の操作で取りだした球が白球である確率」は、式Eより、
2596108
だった。

以上より、式Gは
119223132596108
とかける。
これを計算して、
119223132596108=112161089233259
               =11210893259
               =1124259
               =88259
となる。

解答ノ:8, ハ:8, ヒ:2, フ:5, ヘ:9