大学入試センター試験 2019年(平成31年) 本試 数学ⅠA 第5問 解説
ア~キ
まず、内接円の半径だ。
三角形の内接円の半径が含まれる公式は、
公式
三角形の面積を
である。
のひとつしかない。
△
とかける。
また、面積
なので、式Aは
となる。
これにそれぞれの値を代入して計算して、
である。
解答ア:6, イ:2
次に、問題文より内接円と
で、
よく見るお約束の問題なので、お約束の解き方をしよう。
まず、三角形の内心の復習から。
復習
右の図において、
同じ色の線分の長さは等しい
同じ色・記号の角は等しい
等しい線分・角が 結構たくさんある。
図Aより、
また、復習より、
で、三辺の長さも分かっているので、式Bは
式B1,式B2を式B3に代入して、
である。
解答ウ:1
よって、
である。
次は
余弦定理から、
より
解答エ:2, オ:1, カ:5, キ:5
ク~シ
図Aに、ここまでに分かったことと、点
アドバイス
ここで、
でも、点
図Bの状態で
チェバの定理から、
なので、
両辺に
である。
解答ク:3, ケ:4
なので、
となる。
解答コ:3
ここで、
なので、図Cのようになって、
アイより、内接円の半径は
である。
解答サ:6, シ:2
ス~ソ
最後は、
解き方はいくつか考えられる。そのうちのいくつかを解説しておく。
解法1
この解き方は思いつきにくいかもしれないけれど、計算はとても楽だ。
こんなの絶対気がつかないって人は、解法2で解いてもらって問題ない。
接弦定理より、図Dの赤い角とオレンジの角は等しい。
なので、
図が小さくて見にくいので、図Dの青い部分を拡大して図Eにした。
これまでに、
△
である。
ここで、△
である。
よって、
である。
解答ス:1, セ:5, ソ:5
解法2
ちょっと計算が面倒だけど、こっちの方が思いつきやすいかも。
△
なので、円
とかける。
これまでに
となる。
これを解く。
両辺に
となるけど、これは
アドバイス
センター試験本番で精神的にいっぱいいっぱいだったりすると、思わずこの
こういうミスを防ぐために、式Dの計算をはじめる前に計算用紙に「
より、
ここで、
である。
解答ス:1, セ:5, ソ:5
別解
解法3
考え方もシンプルじゃないし計算も面倒なので、ゼンゼンおすすめじゃないけれど、こういう解き方もできる。
上の内心の復習から、図Gの2つのオレンジの角は等しい。
赤い角は赤い弧に対する円周角、オレンジ2つは赤い弧に対する中心角なので、オレンジ2つは赤い角の2倍である。
よって、オレンジの角と赤い角は等しい。
ということで、赤い角のかわりにオレンジの角の
これまでに、
ここで、△
だけど、
アドバイス
その後、
公式
を使って
三平方の定理より、
なので
となる。
よって、式Eは、
とかける。
これを計算して、
である。
よって、
である。
解答ス:1, セ:5, ソ:5