大学入試センター試験 2019年(平成31年) 本試 数学ⅡB 第4問 解説

(1)

ac=0なので、
AOC=90
である。

解答ア:9, イ:0

図A
大学入試センター試験2019年本試 数学ⅡB第4問 解説図A

よって、△OAC(図Aの緑の三角形)は直角三角形だから、面積をSとすると、
S=12×底辺×高さ
S=12×OA×OC
S=12×|a|×|c|
S=12×1×5
S=52
である。

解答ウ;5, エ:2

(2)

この問題では基準になるベクトルがabcなので、BABCabcで表そう。
BA=OAOB
BA=ab
BC=OCOB
BC=cb
なので、
BABC=(ab)(cb)
BABC=acabbc+bb
BABC=acabbc+|b|2式A
となる。
これにそれぞれの値を代入すると、式Aは
BABC=013+32
BABC=1
となる。

解答オ:-, カ:1


また、
|BA|2=BABA
        =(ab)(ab)
        =aa2ab+bb
        =|a|22ab+|b|2
だけど、これにそれぞれの値を代入すると
|BA|2=1221+32
        =2
より
|BA|=2
である。

解答キ:2


さらに、
|BC|2=BCBC
        =(cb)(cb)
        =cc2bc+bb
        =|c|22bc+|b|2
だけど、これにそれぞれの値を代入すると
|BC|2=5223+32
        =2
より
|BC|=2
である。

解答ク:2


次は、内積からベクトルのなす角を求める問題。
見慣れた問題なので、どんどん解いてゆく。

|BA||BC|cosABC=BABC
とかける。

これに、上で求めたBABC|BA||BC|を代入して、
22cosABC=1
cosABC=12
なので
ABC=120
である。

解答ケ:1, コ:2, サ:0


次は、底面の四角形ABCDだ。

図B
大学入試センター試験2019年本試 数学ⅡB第4問 解説図B

問題文より、
ABC=BCD ケコサより、 ABC=120 である。
また
ADBC で、平行線における同位角は等しい。
よって、図B中の赤い角はすべて等しい。
以上より、
BAD=ADC=60
である。

解答シ:6, ス:0


アドバイス

次はAD=BCだ。
解法はたくさんあるけど、メインのストーリーにはあまり関係がないので1種類だけ紹介する。
この解説にこだわらず、自分に合った方法で解いて欲しい。

図Cのように、ABの延長とCDの延長との交点をEとする。

図C
大学入試センター試験2019年本試 数学ⅡB第4問 解説図C

図Cの緑の角度はすべて60なので、
BECは正三角形 AEDは正三角形 だから、
BE=BC=2
より
AD=AE=22
である。

また
ADBC
なので、
AD=2BC
である。

解答セ:2

よって
OD=OA+AD
だけど、これは
OD=OA+2BC式B
とかける。

OA=a BC=cb なので、式Bは、
OD=a+2(cb)
OD=a2b+2c
となる。

解答ソ:2, タ:2


アドバイス

次の四角形ABCDの面積も解法がたくさんあるけど、1種類だけ紹介する。

図D
大学入試センター試験2019年本試 数学ⅡB第4問 解説図D

四角形ABCDの面積を、△ABCと△ADCの2つに分けて求めよう。

ABC=12ABBCsinABC
ABC=122232
ABC=32式C
ADC=12ADDCsinADC
ADC=1222232
ADC=3式D
なので、式Cと式Dをたして
四角形ABCD=32+3
四角形ABCD=332
である。

解答チ:3, ツ:3, テ:2

(3)

前フリも終わって、ここからがこの問題のメインだ。
三角錐BOACの体積を求める。

底面の△OACの面積Sで求めた
S=52
だから、あとは高さが分かれば体積も分かる。
この高さを求める。

図E
大学入試センター試験2019年本試 数学ⅡB第4問 解説図E

まず、平面に垂直なベクトルの復習から。

復習

qrが平面α上にある平行でないベクトルとして、
平面αとベクトルpが垂直

pq かつ pr
である。

Bから平面α(図Eの青い平面)に垂線を下ろし、その足をHとすると、
平面αBHは垂直なので、復習から、
BHa
より
BHa=0式E
BHc
より
BHc=0式F
である。

解答ト:0


OH=sa+tc
とおくので、
BH=OHOB
      =sa+tcb式G
とかける。
よって、式E,式Fは
(sa+tcb)a=0式E'
(sa+tcb)c=0式F'
となる。
この連立方程式を解く。

式E'の
(sa+tcb)a=0
より
s|a|2+tacab=0式E''

式F'の
(sa+tcb)c=0
より
sac+t|c|2bc=0式F''

これにそれぞれの値を代入すると、式E'',式F''は
{s1=05t3=0
となるから、
{s=1t=35
である。

解答ナ:1, ニ:3, ヌ:5


これを式Gに代入すると、
BH=a+35cb
とかける。
よって、
|BH|2=BHBH=(a+35cb)(a+35cb)=|a|2+3252|c|2+|b|2+65ac2ab65bc である。

これにそれぞれの値を代入して、
|BH|2=12+325252+32+65021653

途中式 |BH|2=1+32552+323225=(52+325+5235225322)52=52(1+32)+32(552)52=52232552=5(5232)52
|BH|2=552
となるから、
|BH|=55
である。

解答ネ:5, ノ:5

これが三角錐BOACの高さだ。


以上より、三角錐BOACの体積Vは、
V=13×底面積×高さ
V=13×52×55
V=16
となる。

解答ハ:1, ヒ:6

(4)

(4)は、ベクトルの問題ではなくて図形の問題だ。
ここから先は、四角錐や三角錐の底面を、図Fの緑の面(点A,点B,点C,点Dを通る面)にして考える。

図F
大学入試センター試験2019年本試 数学ⅡB第4問 解説図F

三角錐OABCの体積と、四角錐OABCDの体積の関係を考える。
2つの錐の高さは同じなので、
体積比=底面積比
である。

三角錐OABCの底面は△ABCで、図Fの斜線の部分。
この面積は(2)の式Cで求めたように
ABC=32
だった。
四角錐OABCDの底面は台形ABCDで、図Fの赤い台形。
この面積は(2)ので求めたように
四角形ABCD=332
だった。

以上より、OABCOABCDの体積比は、
32:332=1:3
だから、
OABC=V
とすると、
OABCD=3V
となる。

解答フ:3


より、三角錐OABCの体積V
V=16
(2)の式Cより、底面積は
ABC=32
だった。
体積=13×底面積×高さ
なので、三角錐の高さをhとすると、
16=13×32×h
36h=16
3h=1
h=13
h=33
である。

解答ヘ:3, ホ:3