大学入学共通テスト 2021年(令和3年) 追試 数学ⅡB 第1問 [1] 解説

(1)

0<aかつa1のとき、
logaa=1
なので、
log1010=1
である。

解答ア:1


さらに、51023を使って表すと

詳しく log105log102log103で表すので、使える数字は 底の10 2 3 の3つだ。
これを使って5をつくる。
5=102
なので、
log105=log10102
log105=log1010log102
log105=1log102
log105=log102+1
と変形できる。

解答イ:-, ウ:1

log105が分かったから5も使えるようになった。
1510235を使って表すと
15=3×5
なので、
log1015=log10(3×5)
log1015=log103+log105
とかける。

これにを代入して、
log1015=log103log102+1
log1015=log102+log103+1
となる。

解答エ:-, オ:1

(2) カ~ケ

次は、桁数と最高位の数字の問題。
定期テストなんかでよくみるやつだ。

まず、桁数から。

アドバイス

例えば3桁の整数は
100999
なので、
1023桁の整数<103
とかける。

なので、n桁の整数は
10n1n桁の整数<10n
だと考えられる。

ということで、1520の桁数は
10n11520<10n式A
となるnを求めれば分かる。

nは、式Aの各辺の常用対数をとって、
log1010n1log101520<log1010n
より
(n1)log1010log101520<nlog1010
n1log101520<n式A'
として求める。

これが考え方なんだけど、問題文には計算部分しかない。
単に計算すればいいから考え方は知らなくても解けるけれど、ミスや勘違いを防ぐためにも、知っておくことをお勧めする。

1520の常用対数の
log101520
を考える。

これを変形した
log101520=20log1015
を代入すると
log101520=20(log102+log103+1)
式B
とかける。

問題より、
{log102=0.3010log103=0.4771
なので、式Bはさらに
log101520=20(0.3010+0.4771+1)
=20×1.1761
=23.522式C
と表せる。

式Cより
23log101520<24式D
であることが分かる。

解答カ:2, キ:3

この式Dを式A'と見比べると、n24だ。
なので、152024桁の整数である。

解答ク:2, ケ:4

(2) コサ

花子さんの発言をもとに、Nを一桁の整数として
N1023<1520<(N+1)1023式E
とした場合、1520の最高位の数字はNだ。
このNを求める。

式Eの各辺の常用対数をとると、
log10(N1023)
<log101520
<log10{(N+1)1023}
より

途中式 log10N+log101023
<log101520
<log10(N+1)+log101023
log10N+23log1010
<log101520
<log10(N+1)+23log1010
log10N+23<log101520<log10(N+1)+23
とかける。

これに式Cを代入すると、
log10N+23<23.522<log10(N+1)+23
なので
log10N<0.522<log10(N+1)式F
と表せる。
この0.522は、log101520の小数部分にあたる。


ここからは、N=1のときから順にやってみるしかない。
と言っても、
log103=0.4771<0.522
なので、N=12は式Fが成り立たないから不適。
N=3から始めよう。

N=3のとき
log103=0.4771 log104=log1022
log104=2log102
log104=20.3010
log104=0.6020
なので、
log103<0.522<log104
だから、式Fは成り立つ。
おお、いきなり答えを見つけてしまった。

解答コ:3

はじめに考えたように、このNが最高位の数字だ。
なので、1520の最高位の数字は3である。

解答サ:3