大学入学共通テスト 2021年(令和3年) 追試 数学ⅠA 第1問 [1] 解説

(1)

①の絶対値をはずすと、
3<axb7<3
より
4+b<ax<10+b①'
と変形できる。

a=3b=2のとき、①'は
2<3x<8
より
83<x<23
となる。

数直線で表すと、図Aの緑の範囲だ。

図A
大学入学共通テスト2021年追試 数学ⅠA第1問[1] 解説図A

Pはこの範囲に含まれる整数の集合なので、
P={2,1}
である。

解答ア:-, イ:2, ウ:-, エ:1 (イ,エは順不同)

(2) (i)

a=12のとき、①'は
4+b<12x<10+b
より
2(4+b)<x<2(10+b)式A
とかける。

b=1のとき、式Aは
2(4+1)<x<2(10+1)
より
52<x<112式B
となる。


式Bはさらに
252<x<2112
50<x<242
とかける。

ここで、
72<50<82
なので
7<52<8
152<242<162
なので
15<112<16
だから、式Bの範囲は図Bの緑の部分だ。

図B
大学入学共通テスト2021年追試 数学ⅠA第1問[1] 解説図B

この範囲に含まれる整数は、
815
の8個ある。

解答オ:8

別解

21.41なので、
525×1.41
527.05
11211×1.41
11215.51
となるから、式Bの範囲は図Bの緑の部分だ。

図B
大学入学共通テスト2021年追試 数学ⅠA第1問[1] 解説図B

この範囲に含まれる整数は、
815
の8個ある。

解答オ:8

(2) (ii)

今度は、式Aを満たす整数が
+8=9
となる場合を考える。

アドバイス

bは正の整数で、求める最小のものはだから一桁だ。
このうち、1は(i)で計算済み。
なので、の候補は
2,3,4,5,6,7,8,9
の8つある。

なので、最大でも(i)と同じような計算を8回すれば答えが見つかる。
面倒に思うかも知れないけれど、迷わず総当たりでいってみよう。


式Aをちょっと変形して
2(4+b)2<x<2(10+b)2式A'
とすると、

b=2のとき、式A'は

262<x<2122
より
72<x<288
とかける。

ここで、
82<72<92
なので
8<72<9
162<288<172
なので
16<288<17
だから、この範囲に含まれる整数は
916
の8個ある。

9個じゃないので、b=2は不適。

b=3のとき、式A'は

272<x<2132
より
98<x<338
とかける。

ここで、
92<98<102
なので
9<98<10
182<338<192
なので
18<338<19
だから、この範囲に含まれる整数は
1018
の9個ある。

見つけた。これが答えだ。

以上より、①を満たす整数が9個ある最小の正の整数b
b=3
である。

解答カ:3

別解

b=2のとき、式Aは

62<x<122
となる。

ここで、21.41なので、
626×1.41
628.46
12212×1.41
12216.92
だから、この範囲に含まれる整数は
916
の8個ある。

9個じゃないので、b=2は不適。

b=3のとき、式Aは

72<x<132
となる。

ここで、21.41なので、
727×1.41
729.87
13213×1.41
13218.33
だから、この範囲に含まれる整数は
1018
の9個ある。

見つけた。これが答えだ。

以上より、①を満たす整数が9個ある最小の正の整数b
b=3
である。

解答カ:3