大学入試センター試験 2019年(平成31年) 追試 数学ⅡB 第5問 解説
(1)
頭の中だけで考えると混乱するので、目で見て考えるようにしよう。
まず、平均値が
確率変数
この面積を正規分布表から求めるんだけど、
正規分布表に載っているのは、
ということで、標準化の復習だ。
復習
確率変数を
平均値
もとの確率変数を
である。
復習より、問題文中の
は標準化の式であることが分かる。
問題文より
アイ
ウエ
なので、式Aは
とかける。
解答ア:9, イ:5, ウ:2, エ:0
また、
は
の両辺を標準化したものだ。
右辺の
解答オ:0, カ:2, キ:5
図Aのグラフを標準化して、図Bをつくった。
図Aと図Bの緑の面積は等しいので、図Bの緑の面積を求めれば、それが合格率だ。
正規分布表に載っているのは、
なので、緑の面積を直接求めることはできない。
図Bの右半分(赤い線より右)の面積は
正規分布表で
これが図Bの青い部分の面積にあたる。
これを
解答ク:4, ケ:0
次に、受験者全体の上位
この上位
さっきのクケのときと同じで、
なので、今回も標準化して
図Cの
緑の部分の面積が
正規分布表で
なので、求める
だけど、答えは選択肢から近い数を選べばいいので、あんまり厳密に考える必要はない。
しかも選択肢同士は結構離れた数なので、アバウトに
図Cの
とかける。
これを解くと、
なので、正解は①だ。
解答コ:1
(2)
「受験者全体の上位
まず、二項分布について思い出そう。
復習
確率
確率変数
期待値(平均値)
ここで問題になっている
受験者全体から無作為に選んだ
受験者全体から無作為に
その試行を
また、成績上位者は受験者全体の
よって、復習より、
成績上位者の人数
期待値は
解答サ:1, シ:9, ス:1, セ:7, ソ:1
センター試験で二項分布が出ると 次は正規分布で近似することが多い。
けれど、今回は標本の大きさが
なので、反復試行の確率として
よって、
とかける。
これを約分して、
解答タ:2
(3)
母平均の推定は、公式を使うのがお勧め。
復習
母平均
となる。ただし
信頼度
いま、
標本の大きさ
式C
となる。
で、問題文より
だけど、わざわざ
は、分母分子を
となる。
なので、式Cの緑の部分は、
途中式
よって、式Cの信頼区間は、
より
である。
解答チ:9, ツ:5, テ:1, ト:0, ナ:3
また、信頼区間の幅は、
となる。
解答ニ:8
この信頼区間の幅を式Cで考えると
なので
とかける。
式Dより、
なので、式Eは
とかける。
いま問われているのは、母標準偏差が
なので、式E'の
となる。
解答ヌ:6
アドバイス
以上、母平均の推定は復習の式だけを使って解いた。
センター試験は時間との戦いなので、この方法がお薦めなんだけど、これだと原理が全然分からない。
その辺の解説は、このページを見てほしい。