大学入試センター試験 2019年(平成31年) 追試 数学ⅠA 第2問 [1] 解説

ア~キ

まずアイの式だ。
ABcosABCとかACcosACBとか 見慣れない項があるので、この部分から考えよう。

図A
大学入試センター試験2019年追試 数学ⅠA 第1問 解説図A

図Aのように、頂点Aから辺BCに垂線を下ろし、その足を点Hとする。
ABH は直角三角形なので、
cosABC=cosABH=BHAB とかける。

同様に、
cosACB=CHAC
である。

なので、アイの式は
アイ=ABcosABC+ACcosACB=ABBHAB+ACCHAC=BH+CH=BC=12 となる。

解答ア:1, イ:2

アイの式にcosABCcosACBの値を代入すると、
13AB+79AC=12式A
となる。


アドバイス

次はABACだ。
ABとかACとかの辺の長さが入っている公式は
正弦定理 余弦定理 面積 の3種類あるけれど、今回は面積は論外。
また、余弦定理はAB2とかAC2とかになるからパス。
正弦定理を使おう。

正弦定理より、
ACsinABC=ABsinACB
これを変形して、

途中式 まず両辺をACで割って、
1sinABC=ABACsinACB
両辺にsinACBをかけて、
sinACBsinABC=ABAC式B
という式が出来る。

この式のsinABCは、
sin2ABC+cos2ABC=1
より
sin2ABC+(13)2=1
だから

途中式 sin2ABC=1(13)2=32132=832 ここで、0<sinABCなので、
sinABC=223式C

また、sinACBは、
sin2ACB+cos2ACB=1
より
sin2ACB+(79)2=1
だから

途中式 sin2ACB=1(79)2=927292=(9+7)(97)92=16292 ここで、0<sinACBなので、
sinACB=429式D

式C,式Dを式Bに代入して、
ABAC=sinACBsinABC=429223

途中式 繁分数は面倒だから、まず右辺の分母分子に9をかけよう。
ABAC=429×9223×9=42322 あとは、右辺を約分すると
ABAC=23式E
となる。

解答ウ:2, エ:3


ABとACの式が2つ出来たので、連立方程式として解こう。

式Eの両辺にACをかけて、
AB=23AC式E'

これを式Aに代入して、
1323AC+79AC=12

途中式 29AC+79AC=12
99AC=12
AC=12
となる。

これを式E'に代入すると、
AB=2312
AB=8
である。

解答オ:8, カ:1, キ:2

ク~コ

ここまでで分かったことを書き込むと、図Bができる。

図B
大学入試センター試験2019年追試 数学ⅠA 第1問 解説図B

さて、最後はADだ。
△ABDを考えると、2辺の長さと1角の三角比が分かってるので、余弦定理だ。

点Dは辺BCの中点なので、
BD=6
である。

△ABDに余弦定理を使うと、
AD2=AB2+BD22ABBDcosABD=82+6228613

途中式 AD2=(24)2+(23)2282=22(42+328)=2217 ここで、0<ADなので、
AD=217
となる。

解答ク:2, ケ:1, コ:7

別解

この部分は中線定理を使って解くこともできる。

点Dは辺BCの中点なので、
BD=6
である。

△ABCに中線定理を使って、
AB2+AC2=2(AD2+BD2)

それぞれの辺の値を代入して、
82+122=2(AD2+62)
より
2(AD2+62)=(24)2+(26)2
AD2+62=242+262
AD2=242+62

途中式 AD2=2(22)2+(23)2=22(222+32)=2217 ここで、0<ADなので、
AD=217
である。

解答ク:2, ケ:1, コ:7