大学入試センター試験 2019年(平成31年) 追試 数学ⅡB 第4問 解説

問題を解く準備

まず、図を描く。
座標をとって描くと図Aみたいなのができるけど、時間がかかるのでお勧めしない。

図A
大学入試センター試験2019年追試 数学ⅡB第4問 解説図A

問題文を読むと、点OPQAHはすべて平面α上にあって、α上にないのは点Rだけ。
なので、平面αを基準面とする。
基準面は水平の方が分かりやすいし、図を描くのにも時間がかからない。
なので、お勧めは図Bだ。

図B
大学入試センター試験2019年追試 数学ⅡB第4問 解説図B

図ができたところで、問題にかかろう。

(1)

|OP|=02+62+32
       =32(22+1)
       =35

解答ア:3, イ:5

|OQ|=42+(2)2+(5)2
       =16+4+25
       =45
       =35

解答ウ:3, エ:5

となるから、
|OP|=|OQ|
である。
なので、位置ベクトルが
OP+OQ
である点をDとすると、図Cのように四角形OPDQはひし形になる。

図C
大学入試センター試験2019年追試 数学ⅡB第4問 解説図C

ひし形の対角線は角の二等分線なので、とは直線ODのことだ。
Aは、この直線上にあってOA=9である点。

Aを求めるために、まず点Dを求めよう。

Dの位置ベクトルは
OP+OQ
なので、
OD=OP+OQ
     =(0,6,3)+(4,2,5)
     =(4,4,2)式A
である。
また、
|OD|=42+42+(2)2
       =6
である。

ここで、OAODかつOA=9なので、
OA=96OD
OA=32OD
とかける。
これに式Aを代入して、
OA=32(4,4,2)
     =(324,324,32(2))
     =(6,6,3)
より、点Aの座標は
(6,6,3)
である。

解答オ:6, カ:6, キ:-, ク:3

これと点Oに関して対称な点
(6,6,3)
も、直線上にあって点Oとの距離が9だ。
けれど、ここで問われているのはx座標が正である点なので、不適である。

(2)

ベクトルで垂直といえば、内積=0だ。

いま、n
n=(2,y,z)
とすると、
OPn=02+6y+3z
         =6y+3z式A
OQn=422y5z
         =2y5z+8式B
とかける。

OPnOQnより
OPn=0
OQn=0
なので、式A,式Bは
{6y+3z=02y5z+8=0
といえる。
これを連立方程式として解く。

上の式より、
2y+z=0
z=2y式C
これを下の式に代入して、
2y5(2y)+8=0
8y+8=0
y=1
これを式Cに代入して、
z=2(1)
z=2
となる。

よって、nは、
n=(2,1,2)式D
と表せる。

解答ケ:-, コ:1, サ:2


図D
大学入試センター試験2019年追試 数学ⅡB第4問 解説図D

図Dで
OH=ORHR式E
とかける。

いま、
HROPHROQ
なので、HRは平面αと垂直。
また、
nOPnOQ
なので、nは平面αと垂直。
よって、HRnだから、kを実数として
HR=kn式F
である。

式Eに式Fを代入すると
OH=ORkn
これを成分で表すと、ケコサより
OH=(12,0,3)k(2,1,2)
     =(12,0,3)(2k,k,2k)
     =(2k+12,k,2k3)式E'
となる。

このOHは平面α上にあるので、
OHn
より、
OHn=0
である。

解答シ:0

式D,式E'より、これを成分で表すと、
(2k+12,k,2k3)(2,1,2)=0
2(2k+12)k+2(2k3)=0
4k+24k4k6=0
9k+18=0
k=2
となる。

解答ス:2

次はOHだけど、kが分かっているので勝ったも同然。
k=2を式E'に代入して、
OH=(22+12,2,223)
より
OH=(8,2,7)
である。

解答セ:8, ソ:2, タ:-, チ:7

続いて、HRの長さ|HR|だ。
k=2を式Fに代入すると
HR=2n式F'
となる。

式Dより
n=(2,1,2)
なので、
|n|=22+(1)2+22
    =9
    =3

よって、式F'より、
|HR|=23
       =6
である。

解答ツ:6

(3)

最後に、RB(図Eの赤い線)の最大値と、そのときの点B(赤い点)の座標を求める。

図E
大学入試センター試験2019年追試 数学ⅡB第4問 解説図E

RBは直角三角形HRB(図Eの緑の三角形)の斜辺だ。
ツより HR=6で一定だから、RBが最大になるのはHBが最大のとき。
点Bは点Aを中心とする半径1の円周上にあるので、図Eのオレンジの円の周上にある。
よって、HBが最大になるのは、図Eのように
HABがこの順で一直線に並ぶとき。

というわけで、このときのHBを求めよう。

ABは円Cの半径なので、
AB=1
だ。

HA|HA|として求めよう。

HA=OAOH
だけど、
オカキクより
OA=(6,6,3)
セソタチより
OH=(8,2,7)

なので、
HA=(6,6,3)(8,2,7)
     =(2,4,4)
となる。

なので、
|HA|=(2)2+42+42
        =36
        =6
である。

解答テ:6

よって、
HB=HA+AB
HB=6+1
HB=7
になる。

このときのRBは、直角三角形HRBに三平方の定理を使って、
RB2=HR2+HB2
それぞれの値を代入して、
RB2=62+72
      =85
より
RB=85
である。

解答ト:8, ナ:5


このとき、
HABは一直線上にある HA=6 HB=7 なので、
HB=76HA
とかける。

解答ニ:7, ヌ:6

よって、
OB=OH+HB
OB=OH+76HA
とかける。

この式の右辺をベクトルの成分で表示すると
OB=(8,2,7)+76(2,4,4)
より
OB=(8,2,7)+73(1,2,2)
OB=(873,2+723,7+723)
OB=(2473,6+143,7(3+2)3)
OB=(173,203,73)
となるから、点Bの座標は
(173,203,73)
である。

解答ネ:1, ノ:7, ハ:3, ヒ:2, フ:0, ヘ:-, ホ:7