大学入試センター試験 2019年(平成31年) 追試 数学ⅠA 第1問 [2] 解説

(1)

問題文より、pqの条件は、
pn28n+15=0 qn>2かつn<c

命題「pq」の
逆は、「qp 対偶は、「qp である。
このそれぞれを求める。


命題「pq」の逆は、「qp pn28n+15=0 qn>2かつn<c より、求める逆は
(n>2かつn<c)  n28n+15=0
なので、正しいのは⑤。

解答ス:5


命題「pq」の対偶は、「qp pn28n+15=0 qn>2かつn<c なので、求める対偶は、
n>2かつn<c  n28n+15=0
である。

n>2かつn<cの部分は、ド・モルガンの法則より、
n>2  n<c
n>2  n<c
n2  nc
と変形できる。

この部分の別解

この部分、数直線で解くと次のようになる。

n>2かつn<cは、図Aの緑の部分。

n>2かつn<cは、図Aの緑の部分の否定なので、緑じゃない部分。
つまり、図Aの赤い部分。

図A
大学入試センター試験2019年追試 数学ⅠA 第1問[2] 解説図A

これを式で表すと、、
n2またはnc
と書ける。

n28n+15=0の部分は、
n28n+150
と表せる。

よって、対偶は
(n2 または nc) n28n+150
なので、正しいのは②。

解答セ:2

(2)

アドバイス

このサイトのあちこちに書いたことだけど、必要条件・十分条件の問題は、図が描けるときには図で考えるのがお薦め。
ということで、まず、条件p,条件qの集合を図にしよう。
条件は整数nについてなので、nの数直線を描く。

まず、条件pから。

n28n+15=0
を解くと、
(n3)(n5)=0
n=35
となるので、条件pの表す集合は図Bの赤い点。

図B
大学入試センター試験2019年追試 数学ⅠA 第1問[2] 解説図B

次に、条件qだ。

条件qの集合は、2<n<cとなる整数。
cは5以上なので、求める集合は図Cの緑の範囲に含まれる整数、つまり赤い点である。

図C
大学入試センター試験2019年追試 数学ⅠA 第1問[2] 解説図C

いま問われているのはqpの反例だ。
なので、qに含まれるけどpに含まれない数を探す。
上の数直線でいえば、図Cで赤丸だけど、図Bで赤丸じゃない数を探す。
以上より、反例はn=4である。

解答ソ:4

(3)

ここで、集合と必要条件・十分条件の復習をしておこう。

復習

図D
大学入試センター試験2019年追試 数学ⅠA 第1問[2] 解説図D

図Dで、
abの必要条件 baの十分条件 である。

つまり、片方の集合がもう片方に含まれるとき、
大きい集合は小さい集合の必要条件 小さい集合は大きい集合の十分条件 である。

「大は小の必要条件・小は大の十分条件。」
呪文のように憶えておこう。

図E
大学入試センター試験2019年追試 数学ⅠA 第1問[2] 解説図E

復習から、pqであるための十分条件になるのは、図Eのようにpqに含まれるとき。

ここで問われているのは、pqであるための十分条件でないとき。
なので、pqに含まれない、つまり外にはみ出せばよい。


図F
大学入試センター試験2019年追試 数学ⅠA 第1問[2] 解説図F

(2)で求めたように、条件pの集合は{3,5}
(図Fの赤い点)
条件qの集合は2<n<c
(図Fの緑の範囲)
この2つの集合で、pqの外にはみ出せばよい。
なので、図Fの数直線のどちらかのようになればよい。

図より、求める場合はc=4またはc=5なので、選択肢の中であてはまるのは⓪だ。

解答タ:0

(4)

今回も数直線で考えよう。
集合AABBと条件qの集合を数直線に表すと、図Gができる。

図G
大学入試センター試験2019年追試 数学ⅠA 第1問[2] 解説図G

図Gの青と緑の範囲を組み合わせて、赤い範囲をつくればよい。
よって、図Gより、qと同じになるのは
AB
であることが分かる。
なので、選択肢のうち正しいのは①だ。

解答チ:1