大学入試センター試験 2019年(平成31年) 追試 数学ⅠA 第2問 [2] 解説

(1)

ヒストグラムから中央値を考える問題。
面倒だけど、グラフから都道府県数を数えよう。

データの大きさは都道府県の数なので、47個。
その中央値は、24番目のデータ。
これがどの階級に入るかを数える。
上から数えても下から数えてもいいけど、今回は下から数えてみた。

問題文中の図1より、
32%以上36%未満の階級は、1都道府県。
36%以上40%未満の階級は、7都道府県。
40%以上44%未満の階級は、16都道府県。
で、ここまでで合計24都道府県。
なので、中央値は、40%以上44%未満の階級に入る。
選択肢のうちこれに当てはまるのは、③の43.4だけ。

解答サ:3

(2)

まず、箱ひげ図の復習から。

復習

大学入試センター試験2019年追試 数学ⅠA 第2問[2] 復習図

それから、四分位数の復習もしておこう。

復習

第1四分位数 データの下位半分の中央値。データの大きさが奇数のときは、全体の中央値を除いて偶数にし、その下位半分の中央値をとる。
第2四分位数 中央値に等しい。データの大きさが偶数のときには、中央2数の平均値。
第3四分位数 データの上位半分の中央値。データの大きさが奇数のときは、全体の中央値を除いて偶数にし、その上位半分の中央値をとる。

復習が終わったところで、(I),(II),(III)の正誤を一つずつ確認する。

(I)

図A
大学入試センター試験2019年追試 数学ⅠA 第2問[2] 解説図A

1996年から2009年までの年ごとのYの中央値は、図Aの赤い線。
全体として年が新しくなるにつれて右の方に移動しているので、(I)は正しい。

(II)

図B
大学入試センター試験2019年追試 数学ⅠA 第2問[2] 解説図B

Yの最大値が一番大きいのは2011年で、最大値は図Bの赤い線。
Yの最大値が一番小さいのは1996年で、最大値は図Bのオレンジの線。
赤い線とオレンジの線の差は3より大きいので、(II)は誤り。

(III)

図C
大学入試センター試験2019年追試 数学ⅠA 第2問[2] 解説図C

Y=9は、図Cの赤い線。

まず2014年から。Y=9の線は、最小値と第1四分位数の間を通っている。なので、Yが9以下の部分(図Cのオレンジの部分)には、47あるデータの14以下が含まれている。

次に、1996年。Y=9の線は、中央値と第3四分位数の間を通っている。なので、Yが9以下の部分(図Cの緑の部分)には、47あるデータの12以上が含まれている。

14以下12×(12以上)
なので、(III)は正しい。


以上より、正しい組合せは②。

解答シ:2

(3)

図D
大学入試センター試験2019年追試 数学ⅠA 第2問[2] 解説図D

次は、散布図からヒストグラムをつくる問題。
面倒だけど、散布図の点の数を数えよう。

13Y<14の階級は、図Dのオレンジの範囲。
ここに含まれている点の数は3個。

12Y<13の階級は、図Dの緑の範囲。
ここに含まれている点の数は2個。

これにあてはまるヒストグラムは⓪だ。

解答ス:0

(4)

何だか見たことのない関係式
yy=sXYsX2(xx)(*)
っていうのが出てきているけど、大丈夫。
これは回帰直線っていうものの式で、ちゃんと説明しようとすると最小二乗法とかの話になっちゃうけど、そんなもん全く知らなくてもこの問題は解けます

問題文中の表1から、
Xの平均値x=9.6 Yの平均値y=10.2 Xの分散sX2=4.8 XYの共分散sXY=1.75 であることが分かっているので、これをそのまま(*)の式に代入して、
y10.2=1.754.8(x9.6)
より
y=1.754.8x1.754.89.6+10.2
y=1.754.8x1.752+10.2
y=0.365x+6.7式A
になる。

0.365に最も近い選択肢は、⓪の0.36 6.7に最も近い選択肢は、⑥の6.74 なので、式Aは
y=0.36x+6.74式A'
となる。

解答セ:0, ソ:6


いま、喫煙率Xのとる値がx,調整済み死亡数Yのとる値がyだ。
なので、喫煙率が4%のときの調整済み死亡数は、
式A'のx4のときのyの値 である。
よって、求めるは、式A'のx4を代入して、
=0.364+6.74
         =8.18
となり、選択肢の⑦があてはまる。

解答タ:7