大学入試センター試験 2018年(平成30年) 追試 数学ⅡB 第5問 解説
(1)
確率変数
この面積を正規分布表から求めるんだけど、
正規分布表に載っているのは、
復習
確率変数を、
平均
もとの確率変数を
である。
つまり、問題文中の
ここで、
なので、
の両辺を復習の方法で標準化すると、
より
という式が出来る。
つまり、
解答ア:0, イ:5
あとは、この確率、つまり図Bの緑の面積を求めればよい。
正規分布表に載っているのは、
なので、緑の面積を直接求めることはできない。
まず、正規分布表で、
これが、図Bの青い部分の面積だ。
正規分布は左右対称なので、図Bの黄色い部分の面積も
さらに、図Bは左右対称なので、緑
なので、求める緑の部分の面積は、
緑
緑
緑
だから、求める確率は、
である。
解答ウ:3, エ:1
(2)
次は、図Cの緑の部分の面積が
(1)では、平均値と標準偏差が分かっていて、
今度は、標準偏差と
ということなので、(1)の作業の逆をしよう。
図Cを標準化して、図Dをつくる。
図Dの緑の部分の面積が
問題文より、ちょうど
さらに、図Dは左右対称なので、緑
なので、緑の面積が
であり、青の面積も同じ
正規分布表で
のときであることが分かる。
解答オ:1, カ:7, キ:5
図Cを標準化したものが図Dなので、
なので、
という式ができる。
今、標準偏差は
となる。
これを解いて、
である。
解答ク:5, ケ:0, コ:7
(3)
まず、標本平均について復習しておこう。
復習
平均
このとき、
復習より、
あ、先にチの答えが出てしまった。
解答チ:3
さらに、
より、
とかける。
ここで、確率変数の変換について復習しよう。
復習
確率変数
平均値を
と定める。
このとき、
平均
復習より、式Cの
これに式A,式Bを代入して、
解答サ:5, シ:3, ス:1, セ:8, ソ:1, タ:2
標本平均について、さらに復習する。
復習
母平均
このとき、標本平均は
母集団が正規分布に従うときには
に従う。
なので、
に従う。
その
グラフについての補足
センター試験を解くのには必要ないことだけど、疑問に思う人もいるだろうから一応説明しておく。図Eのグラフは、(1)の図Aと比べて、分散が
一方、グラフと横軸の間の面積は
図Eの緑の面積を求めるには、(1)と同じことをすればよい。
詳しい説明は(1)を見てもらって、ここでは計算だけ載せておく。
途中式
符号を
これを
である。
解答ツ:0, テ:7
(4)
最初に、母平均の推定について復習しておく。
復習
母平均
信頼度
問題文より、
母標準偏差は
とかける。
式Eの赤い部分は
だけど、たしたり引いたりする相手が
としておこう。
式Fを式Eに代入して、求める信頼区間は
となる。
解答ト:0, ナ:6, ニ:1, ヌ:4
アドバイス
以上、母平均の推定は復習の式だけを使って解いた。
センター試験は時間との戦いなので、この方法がお薦めなんだけど、これだと原理が全然分からない。
その辺の解説は、このページを見てほしい。
この信頼区間の幅を半分にするためには、式Eの赤い部分の値が半分になればよい。
式Eの赤い部分は、式Dの
の部分にあたる。
となるような
これを解いて、
である。
解答ネ:5