大学入試センター試験 2018年(平成30年) 追試 数学ⅠA 第1問 [1] 解説

ア~オ

$\displaystyle \frac{4}{4-\sqrt{7}}$の分母分子に$4+\sqrt{7}$をかけて、
$\displaystyle \alpha=\frac{4(4+\sqrt{7})}{(4-\sqrt{7})(4+\sqrt{7})}$
$\displaystyle \alpha$$\displaystyle =\frac{4(4+\sqrt{7})}{4^{2}-\sqrt{7}^{2}}$
$\displaystyle \alpha$$\displaystyle =\frac{16+4\sqrt{7}}{9}$式A
である。

解答ア:1, イ:6, ウ:4, エ:7, オ:9

(1)

$p+q\sqrt{7}=0$
を変形して、
$p=-q\sqrt{7}$式B
とする。

復習

$a$を有理数としたとき、
$a=0$のとき、$ a\times$無理数$=$有理数(つまり$0$)
$a\neq 0$のとき、$ a\times$無理数$=$無理数
である。

なので、$q\neq 0$のとき、式Bは
有理数$=$無理数
となって、成り立たない。

よって、式Bが成り立つためには
$q=0$
でなければならない。
これを式Bに代入して、
$p=0\sqrt{7}$
$p$$=0$
である。

解答カ:0

復習

考え方を説明すると上の解説の通りなんだけど、時間がかかるから、普段は単に

公式

$a$,$b$が有理数、$C$が無理数のとき、
$a+bC=0 \Rightarrow a=b=0$

と憶えておこう。

(2)

式Aと、問題文中の$\beta$の式から、
$\displaystyle \alpha-\beta=\frac{16+4\sqrt{7}}{9}-\frac{9-(r^{2}-3r)\sqrt{7}}{5}$
$\displaystyle \alpha-\beta$$\displaystyle =\frac{16}{9}+\frac{4\sqrt{7}}{9}-\frac{9}{5}+\frac{(r^{2}-3r)\sqrt{7}}{5}$
$\displaystyle \alpha-\beta$$\displaystyle =\frac{16}{9}-\frac{9}{5}+\frac{4}{9}\sqrt{7}+\frac{r^{2}-3r}{5}\sqrt{7}$
$\alpha-\beta$$\displaystyle =\left(\frac{16}{9}-\frac{9}{5}\right)+$$\displaystyle \left(\frac{4}{9}+\frac{r^{2}-3r}{5}\right)$$\sqrt{7}$
とかける。

これが有理数になるためには、$\sqrt{7}$の係数(赤文字の部分)が$0$になればよい。

なので、
$\displaystyle \frac{4}{9}+\frac{r^{2}-3r}{5}=0$式C
である。

解答キ:5

キの別解

この問題では、上の解説のように$\alpha$の式と$\beta$の式は通分せずに計算した方が楽だ。
だけど、一般的には通分しちゃうかも知れない。
その場合、計算は次のようになる。

式Aと、問題文中の$\beta$の式から、
$\displaystyle \alpha-\beta=\frac{16+4\sqrt{7}}{9}-\frac{9-(r^{2}-3r)\sqrt{7}}{5}$
$\displaystyle \alpha-\beta$$\displaystyle =\frac{5(16+4\sqrt{7})}{5\cdot 9}-\frac{9\{9-(r^{2}-3r)\sqrt{7}\}}{9\cdot 5}$
$\displaystyle \alpha-\beta$$\displaystyle =\frac{5\cdot 16+5\cdot 4\sqrt{7} -9\cdot 9+9(r^{2}-3r)\sqrt{7}}{5\cdot 9}$
$\displaystyle \alpha-\beta$$\displaystyle =\frac{5\cdot 16-9\cdot 9}{5\cdot 9}+$$\displaystyle \frac {5\cdot 4+9(r^{2}-3r)}{5\cdot 9}$$\sqrt{7}$
とかける。

これが有理数になるためには、$\sqrt{7}$の係数(赤文字の部分)が$0$になればよい。
なので、
$\displaystyle \frac {5\cdot 4+9(r^{2}-3r)}{5\cdot 9}=0$式D
であることが分かる。

これが、問題文のマス
$\displaystyle \frac{\text{ウ}}{\text{オ}}+\frac{r^{2}-3r}{\text{キ}}=0$
に入れはよい。
ウ,オが4,9であるのは分かっているので、
$\displaystyle \frac{4}{9}+\frac{r^{2}-3r}{\text{キ}}=0$
に入るように変形する。

式Dの分数をふたつに分けて、
$\displaystyle \frac {5\cdot 4}{5\cdot 9} + \frac {9(r^{2}-3r)}{5\cdot 9}=0$
それぞれ約分して、
$\displaystyle \frac{4}{9}+\frac{r^{2}-3r}{5}=0$式C
これで問題文のマスに入る形になった。

解答キ:5

式Cを解いて、
$5\cdot 4+9(r^{2}-3r)=0$
$9r^{2}-27r+5\cdot 4=0$
たすきがけをして、

$3$ $-5$ $-15$
$3$ $-4$ $-12$
$-27$
より、
$r=\displaystyle \frac{5}{3}$,$\displaystyle \frac{4}{3}$
である。

解答ク:5, ケ:3, コ:4, サ:3
または
ク:4, ケ:3, コ:5, サ:3