大学入試センター試験 2020年(令和2年) 本試 数学ⅡB 第4問 解説

問題を解く準備

まず、図を描く。
座標をとって描くと図Aみたいなのができるけど、時間がかかるのでお勧めしない。

図A
大学入試センター試験2020年本追試 数学ⅡB第4問 解説図A

問題文を読むと、点OABCはすべて平面α上にある。
なので、図Bのような平面αだけの図を描こう。

図B
大学入試センター試験2020年本追試 数学ⅡB第4問 解説図B

Cは点Oの右側ってことも考えられるけど、そうするとBOCは鈍角になる。
cosBOCは負になるから、OBOCも負になる。
なので、これは不適だ。

それから、どうせ問題を解いてゆくと立体の図が必要になるんだろうけど、それはその時考えることにする。

(1)

OA=(3,3,6)
より、
|OA|=32+32+(6)2=32(1+1+22)=36 である。

解答ア:3, イ:6

OB=(2+23,223,4)
より、
|OB|=(2+23)2+(223)2+(4)2

途中式 |OB|=22(1+3)2+22(13)2+42=22(1+23+3+123+3+4)=2243
|OB|=43式B
である。

解答ウ:4, エ:3

また、OAOBは、両方のベクトルの成分より、
OAOB=3(2+23)+3(223)+(6)(4)

途中式 OAOB=32(1+3+13+4)=326
OAOB=36式C
となる。

解答オ:3, カ:6

(2)

OC=sOA+tOB式D
とおく。


①よりOAOCなので、
OAOC=0
とかける。

これに式Dを代入して、
OA(sOA+tOB)=0
より
sOAOA+tOAOB=0
s|OA|2+tOAOB=0
となる。

これに式A,式Cを代入して、
(36)2s+36t=0
96s+36t=0
3s+2t=0式E
と表せる。


また、①の
OBOC=24
に式Dを代入して、
OB(sOA+tOB)=24
とかける。

これを計算して、
sOBOA+tOBOB=24
より
sOAOB+t|OB|2=24
と表せる。

これに式B,式Cを代入して、
36s+(43)2t=24
36s+423t=24
両辺を12で割って、
3s+4t=2式F
である。


この式E,式Fを連立方程式として解く。
式F-式Eより、

3s +4t = 2
) 3s +2t = 0
2t = 2

なので、
t=1
これを式Eに代入して、
3s+2=0
s=23
となる。

解答キ:-, ク:2, ケ:3, コ:1


s=23t=1を式Dに代入して、
OC=23OA+OB式G
より
OC=23(3,3,6)+(2+23,223,4)
とかける。

これを計算して、
OC=(2,2,4)+(2+23,223,4)=(23,23,0) である。

よって、|OC|は、
|OC|=(23)2+(23)2+02=(23)22=232=26 である。

解答サ:2, シ:6

別解

s=23t=1を式Dに代入して、
OC=23OA+OB式G
より
|OC|2=|23OA+OB|2
なので、
|OC|2=(23OA+OB)(23OA+OB)=(23)2|OA|2223OAOB+|OB|2

これに式A,式B,式Cを代入して、
|OC|2=(23)2(36)222336+(43)2

途中式 |OC|2=(2336)222336+(43)2=(26)22212+(43)2=22(612+12)
|OC|2=226
となるから、
|OC|=26
である。

解答サ:2, シ:6

(3)

CB=OBOC
とかける。

これに式Gを代入して、
CB=OB(23OA+OB)
より
CB=OB+23OAOB
CB=23OA式I
であることが分かる。

いま、
OA=(3,3,6)
なので、式Iは
CB=23(3,3,6)
とかける。
これを計算して、
CB=(2,2,4)
である。

解答ス:2, セ:2, ソ:-, タ:4


ここで、ベクトルの平行について復習しておく。

復習

2つの0でないベクトルabについて、k0でない実数として、
ab a=kb
である。

式Iより
CB=23OA
だった。

なので、復習より
CBOA
であることが分かる。

また、
|CB||OA|
である。

よって、四角形OABCについて、
OACB
なので台形だけど、
OACB
なので平行四辺形ではない。

以上より、正しい選択肢は

である。

解答チ:3

別解

上の解説は計算だけで解いたけど、図で考えると次のようになる。
やっていることは同じだけれど。

式Gを
OC=OB23OA式G'
と変形して図にすると、図Cのようになる。

図C
大学入試センター試験2020年本追試 数学ⅡB第4問 解説図C

式G'の左辺が図Cの青いベクトル、右辺が赤いベクトルだ。

図Cより、
BC=23OA
なので
CB=23OA式I
だから、 OACB OACB であることが分かる。


いま、
OA=(3,3,6)
なので、式Iは
CB=23(3,3,6)
とかける。
これを計算して、
CB=(2,2,4)
である。

解答ス:2, セ:2, ソ:-, タ:4


OACBOACBより、四角形OABC
台形だけど 平行四辺形ではない

よって、正しい選択肢は

である。

解答チ:3

ここまでに分かったことを図Bに書き込むと、図Dができる。

図D
大学入試センター試験2020年本追試 数学ⅡB第4問 解説図D

台形の面積は
12×(上底+下底)×高さ
なので、図Dより、四角形OABC(緑の台形)の面積Sは、
S=12(2336+36)26=12(233+3)626=12526=30 である。

解答ツ:3, テ:0


それから、どうせ先で使うので、△ABC(図Dの斜線の三角形)の面積も求めておこう。

BCOCなので、BCを底面とすると、△ABCの高さは
OC=26
である。

よって、△ABCの面積は、
ABC=12×底辺×高さ
=12BCOC=12233626=266=12 である。

(4)

やっぱり立体の問題になった。
なので、仕方がないから立体の図を描くと、図Eのようになる。

図E
大学入試センター試験2020年本追試 数学ⅡB第4問 解説図E

Dの座標(ODの成分)を
(x,y,1)式K
とおく。

OAODなので、
(3,3,6)(x,y,1)=0
より
3x+3y6=0
x+y=2式L
となる。

また、OCOD=26に式Hと式Kを代入して、
(23,23,0)(x,y,1)=26
より
23x23y=26
xy=2式M
である。


この式L,式Mを連立方程式として解く。
式L+式Mより、

x +y = 2
+) x y = 2
2x = 2+2

なので、
x=2+22=1+22

となる。

また、式L-式Mより、

x +y = 2
) x y = 2
2y = 22

なので、
y=222=122

である。

よって、点Dの座標(ODの成分)は
(1+22,122,1)
となる。

解答ト:1, ナ:2, ニ:2, ヌ:1, ネ:2, ノ:2


このとき、|OD|は、
|OD|=(1+22)2+(122)2+12

途中式 |OD|=1+2+24+12+24+1=4
|OD|=2式N
となる。

よって、OCOD=26は、COD(図Eのオレンジの角)を使って、
|OC||OD|cosCOD=26
より
262cosCOD=26
cosCOD=12
であることが分かる。

いま、0<COD<180なので、
COD=60
である。

解答ハ:6, ヒ:0


図Eのように、点DからOCに垂線をおろした垂線の足を点Hとする。
このとき、△ODH(茶色い三角形)は、
式Nより、OD=2 ハヒより、オレンジの角は60 なので、各辺が123の直角三角形だ。

よって、
DH=3
である。

また、
DH⊥平面α
だ。

詳しく

ここで、ベクトルと平面の垂直について復習をしておこう。

復習

pqが平面α上にある平行でなく0でもないベクトルとして、
平面αとベクトルaが垂直

ap かつ aq
である。

復習より、OAOC かつ OAODなので、OAと平面βは垂直。
よって、平面β上にある0でないベクトルはすべて、OAと垂直である。

さらに、
DHOC
で、OCは平面α上のベクトルだ。

なので、DHは、平面α上にある平行でも0でもない2つのベクトルのOAおよびOCと垂直である。
よって、DHは平面αと垂直である。

よって、△ABCを底面とする四面体DABC(図Eのピンクの四面体)の高さはDHで、
3
である。

解答フ:3


もうちょっとだ。

四面体の底面(図Eの斜線の三角形)の面積は、式Jより
12
より、四面体の高さは
3
なので、四面体の体積Vは、
V=13×底面積×高さ
より
V=13123=43 となる。

解答ヘ:4, ホ:3