大学入試センター試験 2020年(令和2年) 本試 数学ⅠA 第2問 [1] 解説

ア~エ

まず、BDから。

図A
大学入試センター試験2020年本試 数学ⅠA第2問[1] 解説図A

図Aの青い三角形に余弦定理を使って、
BD2=BC2+CD22BCCDcosBCD
より
BD2=(22)2+22222234

途中式 BD2=22(22+13)=22 0<BDなので、
BD=2
である。

解答ア:2


次は、sinADCだ。
三角形ACD(図Aの緑の三角形)は分かっている辺や角が少ないので、使えない。
青い三角形を使う方向で考える。

ADC+BDC=180
なので、
sinADC=sinBDC
だから、sinADCの代わりにsinBDCを求めよう。

青い三角形に正弦定理を使って、
BDsinBCD=BCsinBDC式A
だけど、sinBCDは計算しないといけない。

sin2BCD+cos2BCD=1

cosBCD=34
を代入して、
sin2BCD+(34)2=1

途中式 sin2BCD=1(34)2=423242=742 0<sinBCDなので、
sinBCD=74
である。

これと、BC=22BD=2を式Aに代入して、
274=22sinBDC
2sinBDC=7422
sinBDC=144
となるから、
sinADC=144
である。

解答イ:1, ウ:4, エ:4

オ~カ

さらに、ACADの比率を求める。

CDACBの二等分線なので、
AC:BC=AD:BD
とかける。
これを変形して、
ACBD=BCAD
より
2AC=22AD
となる。

この両辺を2ADで割って、
ACAD=2
である。

解答オ:2

オの別解

図Aの緑の三角形に正弦定理を使って、
ACsinADC=ADsinACD式B

ここで、ACD=BCDなので、
sinACD=sinBCD=74
これと、sinADC=144を式Bに代入して、
AC144=AD74

途中式 74AC=144AD
両辺に47をかけて、
AC=2AD
ACAD=2
である。

解答オ:2

よって、
AD=x
とおくと、
AC=2x
である。


ややこしくなってきたから、図で整理しよう。
これまでに分かったことを図Aに書き込むと、図Bができる。

図B
大学入試センター試験2020年本試 数学ⅠA第2問[1] 解説図B

ということで、図BのAD=xを求める。
緑の三角形で正弦定理が使えると楽なんだけど、すでにの別解でACADを求めるのに使ったから、もう一度使うと どうせx=xとかいう式ができてしまう。
なので、余弦定理だ。

図Bの緑の三角形に余弦定理を使って、
AD2=AC2+CD22ACCDcosACD
より
x2=(2x)2+2222x234

途中式 x2=2x2+23x
x23x+2=0
(x1)(x2)=0
となるので
x=12
となる。

このうち、x=2のとき、図Bの青い三角形と緑の三角形は三辺が等しくなるので合同だ。
このとき、図中の△と◎は合同な三角形の対応する角だから、等しい。
さらに
+=180
なので、
==90
のはず。

でも、イウより、
sin=144
だから
90
なので、矛盾する。

よって、x=2は不適である。

以上より
x=1
なので、
AD=1AC=2
である。

解答カ:1

キ~ケ

AC=2より、
AC=CD
なので、図Cの緑の三角形は二等辺三角形だ。

図C
大学入試センター試験2020年本試 数学ⅠA第2問[1] 解説図C

よって、
CAD=
だから、
sinCAD=sin=144
である。

図Cの△ABC(赤い三角形)の外接円の半径をRとする。
ABCに正弦定理を使うと
BCsinBAC=2R
より
22144=2R

途中式 2R=22414
R=47
分母を有理化して、
R=477
となる。

解答キ:4, ク:7, ケ:7