大学入試センター試験 2020年(令和2年) 本試 数学ⅠA 第1問 [1] 解説

(1)

直線の式を
y=(a22a8)x+a式A
とする。

直線の傾きが負になるのは、xの係数の
a22a8
が負になるとき。

このときのaは、二次不等式
a22a8<0
を解いて、
(a+2)(a4)<0
より
2<a<4
である。

解答ア:-, イ:2, ウ:4

(2) エ~キ 解法1

直線x軸との交点の座標を
(b,0)
とおく。

これを式Aに代入すると、
(a22a8)b+a=0
より
(a22a8)b=a
となる。

問題文より
a22a80
なので、両辺を
a22a8
で割って、
b=aa22a8式B
とかける。


式Bについて、ちょっと考えてみよう。

もし、
{a<0a22a8<0
なら、式Bは
b=負の数負の数
となって
b<0
だ。

また、
{a=0a22a8<0
なら、式Bは
b=0負の数
となって
b=0
だ。

この考え方をまとめると、表Aができる。
問題文より
a22a80
なので、表Aにはa22a8=0の場合は載せていない。

表A
a22a8<0a22a8>0
a<0b<0b>0
a=0b=0b=0
a>0b>0b<0

(1)より
a22a8<0
の解は
2<a<4
なので、すぐに
a22a8>0
の解は
a<24<a
だと分かる。

これを使って表Aをちょっと書き直して、

表A'
2<a<4a<24<a
a<0b<0b>0
a=0b=0b=0
a>0b>0b<0

としておこう。


a>0の場合にb>0となるのは、表A'の青い部分。
つまり、
{a>02<a<4
の共通部分だ。

これは、数直線を描くまでもなく、
0<a<4
である。

解答エ:0, オ:4


a0の場合にb>0となるのは、表A'の緑の部分。
つまり、
{a<0a<24<a
の共通部分だ。

これも、数直線を描くまでもなく、
a<2
である。

解答カ:-, キ:2


アドバイス

と、考え方が分かりやすいように表を書いて説明したけれど、センター試験本番で表を書いている時間はない
なので、考え方が分かったら、お勧めは解法2だ。

(2) エ~キ 解法2

直線x軸との交点の座標を
(b,0)
とおく。

これを式Aに代入すると、
(a22a8)b+a=0
となる。

問題文より
a22a80
なので、両辺を
a22a8
で割って、
b=aa22a8式B
とかける。

ここまで、解法1と同じ。


a>0のときb>0を、式Bを使って書くと、
正の数a22a8=正の数
となる。

これを変形して、
正の数=正の数×(a22a8)
より
負の数=a22a8
a22a8<0
と考えられる。

よって、の解は、連立不等式
{a>0a22a8<0
の解だ。


(1)より
a22a8<0
の解は
2<a<4
なので、この連立不等式の解は
{a>02<a<4
の共通部分だ。

これは、数直線を描くまでもなく、
0<a<4
である。

解答エ:0, オ:4


a0のときb>0を、式Bを使って書くと、
0または負の数a22a8=正の数式C
となる。

ところが、左辺の分子が0のとき、左辺は0となってしまい、式が成り立たない。
よって、a=0は不適。
a<0のときだけ考えよう。


このとき、式Cは
負の数a22a8=正の数
となる。

これを変形して、
負の数=正の数×(a22a8)
より
正の数=a22a8
a22a8>0
と考えられる。

よって、カキの解は、連立不等式
{a<0a22a8>0
の解だ。


(1)より
a22a8<0
の解は
2<a<4
なので、
a22a8>0
の解は
a<24<a
になるはず。
よって、この連立不等式の解は
{a<0a<24<a
の共通部分だ。

これも、数直線を描くまでもなく、
a<2
である。

解答カ:-, キ:2

(2) ク~シ

次はa=3のときのbだ。

式Bにa=3を代入すると、
b=332238
b=3235
b=323+5
となる。

分母を有理化して、
b=3(235)(23+5)(235)

途中式 b=6531225=65313
b=53613
である。

解答ク:5, ケ:3, コ:6, サ:1, シ:3