大学入試センター試験 2018年(平成30年) 本試 数学ⅡB 第3問 解説

(1)

{an}は等差数列なので、一般項を
an=a1+(n1)d
とおくと、
第4項が30なので、
a1+(41)d=30
より
a1+3d=30式A
初項から第8項までの和が288なので、等差数列の和の公式より
128(a1+a8)=288
a1+a8=2884
a1+{a1+(81)d}=72
2a1+7d=72式B
となる。

式A,式Bの連立方程式を解く。
式Aの両辺を2倍して、
2a1+6d=60
これを式Bから辺々引いて、

2a1 +7d = 72
) 2a1 +6d = 60
d = 12

である。

これを式Aに代入して、
a1+312=30
a1=3036
a1=6
である。

解答ア:-, イ:6, ウ:1, エ:2

よって、
an=6+12(n1)
より
an=12n18式C
となる。


式Cを等差数列の和の公式に代入して、
Sn=12n(a1+an)=12n{6+(12n18)}=12n(12n24)=6n212n である。

解答オ:6, カ:1, キ:2

(2)

{bn}は等比数列なので、一般項を
bn=b1rn1
とおくと、
第2項が36なので、
b1r21=36
b1r=36式E
初項から第3項までの和が156なので、等比数列の和の公式より
b1(1r3)1r=156式F
となる。

式E,式Fの連立方程式を解く。
式Fを式Eで辺々割って、
b1(1r3)b1r(1r)=15636
b1(1r)(1+r+r2)b1r(1r)=15636
両辺を約分して、
1+r+r2r=133
両辺に3rをかけて、
3(1+r+r2)=13r
3r210r+3=0
(3r1)(r3)=0
r=133
ここで、1<rなので、
r=3
である。

これを式Eに代入して、
3b1=36
b1=12
である。

解答ク:1, ケ:2, コ:3

よって、
bn=123n1=433n1=43n となる。


また、等比数列の和の公式より、
Tn=12(13n)13=12(13n)2=6(13n)=6(3n1) である。

解答サ:6, シ:3, ス:1

(3)

式を短くするために、
anbn=Xn
とおく。

c1=X1
c2=2X1+X2
c3=3X1+2X2+X3

cn=nX1+(n1)X2+(n2)X3++Xn
だから、
cn+1=(n+1)X1+nX2+(n1)X3++2Xn+Xn+1
である。

式Jから式Iを辺々引くと、

cn+1 = (n+1)X1 + +2Xn +Xn+1
) cn = nX1 + +Xn
cn+1cn = X1 + +Xn +Xn+1

となる。

ここで、
dn=cn+1cn Xn=anbn なので、この式は
dn=(a1b1)+(a2b2)+(a3b3)++(anbn)+(an+1bn+1)
とかける。

これを変形すると、
dn=(a1+a2+a3++an+an+1)(b1+b2+b3++bn+bn+1)
となるけど、
a1+a2++an=Sn b1+b2++bn=Tn なので、
dn=Sn+1Tn+1式K
である。

解答セ:5


式Kに式D,式Hを代入して、
dn=6(n+1)212(n+1)6(3n+11)

途中式 dn=6(n+1){(n+1)2}63n+1+6=6(n+1)(n1)233n+1+6=6n2623n+2+6
dn=6n223n+2
となる。

解答ソ:6, タ:3, チ:2

また、
c1=a1b1 a1=6 b1=12 なので、
c1=612=18 である。

解答ツ:-, テ:1, ト:8


復習

階差数列からもとの数列の一般項を求める式は、
もとの数列を{an}
階差数列を{bn}
とすると、
an=a1+k=1n1bk(2n)
だった。

なので、2nのとき
cn=c1+k=1n1dk=18+k=1n1(6k223k+2) となる。
あとはこれを計算して、

途中式 cn=18+k=1n1(6k22323k)=18+6k=1n1k2232k=1n13k=18+616(n1)n{2(n1)+1}2323(13n1)13=18+(n1)n(2n1)+33(13n1)=18+2n33n2+n+333n+2
cn=2n33n2+n+93n+2
である。

これはn=1のときも成り立つ。

解答ナ:2, ニ:3, ヌ:9, .ネ:2