大学入試センター試験 2018年(平成30年) 本試 数学ⅡＢ 第１問 [2] 解説

ソ，タ

問題文の指示に従って、
xlog3⁡x≧(xc)3②
の両辺の対数をとる。
0<cなので真数条件を満たしているし、底は3なので不等号の向きは変わらない。
log3⁡xlog3⁡x≧log3⁡(xc)3
という式ができる。

これを変形して、
log3⁡x×log3⁡x≧3log3⁡xc
(log3⁡x)2≧3(log3⁡x−log3⁡c)
(log3⁡x)2−3log3⁡x+3log3⁡c≧0
となる。

さらに、問題文の指示通りt=log3⁡xとおけば、この式は
t2−3t+3log3⁡c≧0③
となる。

解答ソ：２, タ：３

チ～ナ

c=93のとき、②を解く。
c=93
c=323
c=323
なので、これを③に代入すると、
t2−3t+3log3⁡323≧0
t2−3t+3⋅23log3⁡3≧0
t2−3t+2≧0
ができる。

これを解くと、
(t−1)(t−2)≧0
t≦1，2≦t式Ａ
である。

解答チ：１, ツ：２

ここで、t=log3⁡xなので、式Ａは
log3⁡x≦1，2≦log3⁡x
と書きなおせる。
両辺とも対数じゃないと比較ができないから、この式の1と2を対数にしよう。
log3⁡3=1なので、かけても値は変わらないから、

log3⁡x≦1⋅log3⁡3
log3⁡x≦log3⁡3
底は1より大きいので、
x≦3
真数条件より0<xなので、
0<x≦3
 2⋅log3⁡3≦log3⁡x
log3⁡32≦log3⁡x
底は1より大きいので、
32≦x
9≦x

である。

解答テ：０, ト：３, ナ：９

ニ～ヒ

図Ａ
大学入試センター試験2018年本試 数学ⅡＢ第１問[2] 解説図Ａ

次は、0<xのときのtの範囲を問われている。
定義域が指定されているときの値域なので、
t=log3⁡x
のグラフを描いてみよう。

定義域は、図Ａの緑の範囲。
この範囲で、グラフは上へも下へも無限に伸びていて、すべてのt座標をカバーしている。
なので、tのとり得る値の範囲は、実数全体である。

解答ニ：２

ということは、
式②が0<xの範囲でつねに成り立つ は、
式③がすべての実数tについて成り立つ と言いかえられる。

ここからは、見慣れた二次不等式の問題だ。
式③の解がすべての実数になればよい。
なので、y=t2−3t+3log3⁡cのグラフが、横軸と交わってはダメ（接するのはOK）。
ということで、判別式だ。

式③の左辺の判別式より、
D=32−4⋅1⋅3log3⁡c≦0
               3−4log3⁡c≦0
                            3≦4log3⁡c
                           34≦log3⁡c
となる。

解答ヌ：３, ネ：４

この式は、左辺がlogじゃない。
なので、log3⁡3をかけてlogにしよう。
log3⁡3=1なので、かけても値は変わらない。
34log3⁡3≦log3⁡c
log3⁡334≦log3⁡c
底は1より大きいので、
334≦c
334≦c
274≦c
である。

解答ノ：４, ハ：２, ヒ：７