大学入試センター試験 2018年(平成30年) 本試数学ⅠＡ第１問 [2] 解説

(1) キ

表Ａ
	1	2	3	4	5	6	8	9	10
$A$	○	○		○	○				○
$B$			○			○		○
$C$		○		○		○	○		○

	12	14	15	16	18	20
$A$						○
$B$	○		○		○
$C$	○	○		○	○	○

全体集合 $U$ は $20$ 以下の自然数の集合なので、要素は $20$ 個しかない。なので、全部書き出してみよう。

表Ａより、
例えば1は、 $A$ に含まれて $C$ には含まれない。
なので、(a)の $A \subset C$ は誤り。
$A$ と $B$ には共通の要素がない。
なので、(b)の $A \cap B = ϕ$ は正しい。
よって、正解は２である。

解答キ：２

(1) ク

表Ｂ
	1	2	3	4	5	6	8	9	10
$A$	○	○		○	○				○
$B$			○			○		○
$C$		○		○		○	○		○

	12	14	15	16	18	20
$A$						○
$B$	○		○		○
$C$	○	○		○	○	○

$A \cup C$ は、 $A$ ， $C$ どちらかの要素であればよい集合なので、表Ｂの緑の部分。
$(A \cup C) \cap B$ は、 $A \cup C$ と $B$ の共通部分なので、表Ｂの緑と $B$ の共通部分だから、
$(A \cup C) \cap B = {6, 12, 18}$
である。
よって、(c)は正しい。

$\overset{―}{A} \cap C$ は、 $C$ だけど $A$ じゃない自然数なので、表Ｃの緑の部分。
$(\overset{―}{A} \cap C) \cup B$ は、緑の部分と $B$ のどちらかの要素であればいいので、表Ｃの赤い数字。

表Ｃ
	1	2	3	4	5	6	8	9	10
$A$	○	○		○	○				○
$B$			○			○		○
$C$		○		○		○	○		○

	12	14	15	16	18	20
$A$						○
$B$	○		○		○
$C$	○	○		○	○	○

$B \cup C$ は、表Ｄの緑の部分。
$\overset{―}{A} \cap (B \cup C)$ は、緑だけど $A$ じゃない部分なので、表Ｄの赤い数字。

表Ｄ
	1	2	3	4	5	6	8	9	10
$A$	○	○		○	○				○
$B$			○			○		○
$C$		○		○		○	○		○

	12	14	15	16	18	20
$A$						○
$B$	○		○		○
$C$	○	○		○	○	○

表Ｃと表Ｄの赤い数字は同じ集合なので、(d)も正しい。

(d)の別解

(d)については、ベン図を描いた方が分かりやすいかも知れない。

表Ａより、 $B$ は $\overset{―}{A}$ の部分集合なので、３つの集合 $\overset{―}{A}$ ， $B$ ， $C$ のベン図を描くと図Ｅのようになる。

図の固定

$\overset{―}{A} \cap C$ は図Ｆの斜線の部分なので、 $(\overset{―}{A} \cap C) \cup B$ は図Ｆの赤い部分。
$B \cup C$ は図Ｇの斜線の部分なので、 $\overset{―}{A} \cap (B \cup C)$ は図Ｇの赤い部分。

図Ｆの赤い部分と図Ｇの赤い部分は等しいので、(d)は正しい。

以上より、正解は０である。

解答ク：０

別解

ゼンゼンおすすめじゃないけど、クについては次のような解き方もある。

高校では習わないかも知れないけど、
$X \cup (Y \cap Z) = (X \cup Y) \cap (X \cup Z)$
$X \cap (Y \cup Z) = (X \cap Y) \cup (X \cap Z)$
っていう定理がある。

これを使うと、(c)は
$(A \cup C) \cap B = (A \cap B) \cup (C \cap B)$ 式Ａ
とかける。

上の(b)の $A \cap B = ϕ$ は正しかったので、式Ａは
$(A \cup C) \cap B = C \cap B$
となる。

あとは、表Ａより、
$C \cap B = {6, 12, 18}$
であるから、(c)は正しい。

また、(d)の右辺は
$\overset{―}{A} \cap (B \cup C) = (\overset{―}{A} \cap B) \cup (\overset{―}{A} \cap C)$ 式Ｂ
とかける。

ここで、 $A \cap B = ϕ$ だったので、
$\overset{―}{A} \cap B = B$
である。

これを式Ｂに代入すると、
$\overset{―}{A} \cap (B \cup C) = B \cup (\overset{―}{A} \cap C)$
$\overset{―}{A} \cap (B \cup C)$ $= (\overset{―}{A} \cap C) \cup B$
となり、(d)の左辺ができる。
よって、(d)も正しい。

アドバイス

今回は $(\overset{―}{A} \cap C) \cup B = \overset{―}{A} \cap (B \cup C)$ になったけど、これはたまたま $\overset{―}{A} \supset B$ だったから。
いつも
$(\overset{―}{A} \cap C) \cup B = \overset{―}{A} \cap (B \cup C)$
つまり
$(X \cap Y) \cup Z = X \cap (Y \cup Z)$
が成り立つわけではない。

以上より、正解は０である。

解答ク：０

(2)

次は、必要条件・十分条件の問題だ。

アドバイス

必要条件・十分条件の問題は、一般的には
$A \Rightarrow B$ ×
$A \Leftarrow B$ ○
ならば、 $A$ は $B$ であるための必要条件
$A \Rightarrow B$ ○
$A \Leftarrow B$ ×
ならば、 $A$ は $B$ であるための十分条件
って解くけど、○×の判定で混乱したり間違えたりすることが多い。

なので、数直線やベン図などで表せるときは、次のように集合の大小で考える方がおすすめ。

$A$ が $B$ を含んでいるとき、 $A$ は $B$ であるための必要条件

図の固定

$A$ が $B$ に含まれているとき、 $A$ は $B$ であるための十分条件

図の固定

「大は小の必要条件。」呪文のように憶えておこう。

実数に関する条件が不等式で表されているので、数直線を描きたい。
でも、 $p$ ， $s$ は、先にちょっと計算しないといけない。

$x - 2 = A$ とおくと、 $p$ の式は
$| A | > 2$
となるので、 $A$ は原点からの距離が $2$ より大きい数。
よって、
$A < - 2$ ， $2 < A$
とかける。
$A$ をもとにもどして、
$x - 2 < - 2$ ， $2 < x - 2$
$x < 0$ ， $4 < x$
となるから、
$p$ ： $x < 0$ ， $4 < x$
である。

$s$ の式は、両辺とも正の数。なので、両辺を２乗して、
$x^{2} > 4^{2}$
$x^{2} - 4^{2} > 0$
$(x + 4) (x - 4) > 0$
$x < - 4$ ， $4 < x$
である。
よって、
$s$ ： $x < - 4$ ， $4 < x$
となる。

以上より数直線を描くと、図Ｈができる。

図の固定

図Ｈより、（ $q$ または $r$ ）と $p$ は等しい。
なので、必要十分条件である。

解答ケ：２

図Ｈより、 $s$ は $r$ を含んでいる。
なので、必要条件である。

解答コ：０

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