大学入試センター試験 2018年(平成30年) 本試 数学ⅠA 第2問 [1] 解説

ア~オ

図A(頂点Dの位置は不明)
大学入試センター試験2018年本試 数学ⅠA第2問[1] 解説図A

図Aの△ABCに余弦定理を使って、
AC2=AB2+BC22ABBCcosABC
より
62=52+92259cosABC
cosABC=52+9262259=70259=79 である。

解答ア:7, イ:9


これをsin2ABC+cos2ABC=1に代入して、
sin2ABC+(79)2=1
sin2ABC=1(79)2=927292=(9+7)(97)92=16292=42292 ここで0<sinABCなので、
sinABC=429式A
となる。

解答ウ:4, エ:2, オ:9

カ,キ

次は
CDABsinABC
だけど、には等号か不等号が入るので、
CD

ABsinABC
の大小関係を考えればいいわけだ。 問題文より、
CD=3=279
問題文と式Aより、
ABsinABC=5429=2029
なので、2792029の大小関係を考える。
通分しておいたので、分子だけ比較しよう。
21.414なので、
20228.28
である。
よって、
27<202
だから、
279<2029
より
CD<ABsinABC式B
であることが分かる。

解答カ:0


で、式Bが何を示しているのか考えよう。
考えなきゃいけないのは、右辺のABsinABCの意味だ。

図B(頂点Dの位置は不明)
大学入試センター試験2018年本試 数学ⅠA第2問[1] 解説図B

図Bのように、頂点Aから辺BCに垂線を下ろし、その足をHとすると、
sinABC=AHAB
なので、
ABsinABC=ABAHAB=AH であることが分かる。

以上より、式Bは
CD<AH
と書きなおせる。

ADBCが平行になるためには、CDは少なくともAHと同じ長さがないといけない。
なので、AD//BCはムリだから、正解はAB//CDの4だ。

解答キ:4

これで頂点Dの位置が分かった。
四角形ABCDは図Cのようになる。

図C
大学入試センター試験2018年本試 数学ⅠA第2問[1] 解説図C

ク~コ

最後は、BDだ。
解き方は何通りか考えられるけど、一番気づきやすいのは余弦定理だろう。

図D
大学入試センター試験2018年本試 数学ⅠA第2問[1] 解説図D

AB//CDで、平行線の錯角は等しいので、図Dのピンクの角は等しい。
よって、
cosBCD=cos(180ABC)=cosABC=79 である。

これを使って、BCDに余弦定理を用いると、
BD2=BC2+CD22BCCDcosBCD=92+32293(79) となる。

これを計算すると、
BD2=92+32+237

途中式 BD2=3(39+3+27)=3{3(9+1)+27}=3(30+14)
BD2=344
0<BDなので
BD=344
途中式 BD=3411=2233
BD=233
である。

解答ク:2, ケ:3, コ:3

別解

三平方の定理を使っても解ける。

図E
大学入試センター試験2018年本試 数学ⅠA第2問[1] 解説図E

分かりやすいように、辺ABと辺CDが水平になるように図を回転させた。
図Eのように、頂点C,頂点Dから辺ABの延長に下ろした垂線の足をそれぞれIJとする。

IBCは直角三角形なので、
CIBC=sinIBC式C
である。
sinIBC=sinABC
なので、式Cは
CIBC=sinABC
より
CI9=429
CI=42
となる。
IBBC=cosIBC式D
である。
cosIBC=cosABC
なので、式Dは
IBBC=cosABC
より
IB9=79
IB=7
となる。

また、四角形CDJIは長方形なので、
DJ=CI=42
IJ=CD=3
である。
なので、
BJ=IB+IJ=7+3=10 である。

以上より、
BDJ
BJ=10
DJ=42
の直角三角形なので、三平方の定理を用いて、
BD2=BJ2+DJ2=102+(42)2=22{52+(22)2}=2233 0<BDなので
BD=2233=233 である。

解答ク:2, ケ:3, コ:3