大学入試センター試験 2017年(平成29年) 本試 数学ⅠA 第5問 解説

(1)

図A
大学入試センター試験2017年本試 数学ⅠA第5問 解説図A

図Aにおいて、方べきの定理より、
BCCE=ACCD
BCCE=74
BCCE=28
である。

解答ア:2, イ:8

これにBC=8を代入して、
8CE=28
CE=288
CE=72
となる。

解答ウ:7, エ:2

よって、
BE=872
BE=92
である。

図Aに以上の値を書き込むと、図Bができる。


図B
大学入試センター試験2017年本試 数学ⅠA第5問 解説図B

図Bにおいて、△ABCにメネラウスの定理を使って、
BFAFADCDCEBE=1

なので、
BFAF347292=1
BFAF3479=1
BFAF712=1
BFAF=127
である。

解答オ:1, カ:2, キ:7

これにBF=AF+3を代入して、
AF+3AF=127
7(AF+3)=12AF
7AF+21=12AF
5AF=21
AF=215
となる。

解答ク:2, ケ:1, コ:5

(2)

三角形ABCに、ABCに注目して余弦定理を使うと、
BA2+BC22BABCcosABC=AC2
32+82238cosABC=72
cosABC=32+8272238
cosABC=32+15238
cosABC=3+528
cosABC=12
となる。
ここで、0<cosABC<180なので、
ABC=60
である。

解答サ:6, シ:0

復習

内接円の半径を求める式はひとつしかなくて、三角形の長さをabc,面積をS,内接円の半径をrとしたとき、
S=12r(a+b+c)式A
だった。

なので、まず△ABCの面積Sを求めよう。
ABC=60
なので、これを使って
S=12BABCsinABC
S=1238sin60
S=123832
S=63

これを式Aに代入して、
12r(3+8+7)=63
9r=63
r=639
r=233
となる。

解答ス:2, セ:3, ソ:3

サ~ソの別解

上の解き方が一般的だけど、△ABCは3辺の長さが387で、たして偶数なので、ヘロンの公式を使うと簡単に面積Sが出る。
先に面積を求めて、ABCと内接円の半径rは面積から逆算した方が早い。

ABCは3辺の長さの和の12sとすると、
s=12(3+8+7)
s=9
なので、ヘロンの公式より、
S=9(93)(98)(97)
S=962
S=63

同じ三角形の面積が
S=12BABCsinABC
なので、
1238sinABC=63
sinABC=32

ここで、0<cosABC<180なので、
ABC=60
である。

解答サ:6, シ:0

さらに、同じ三角形の面積が
S=12r(a+b+c)
なので、
12r(3+8+7)=63
9r=63
r=639
r=233
となる。

解答ス:2, セ:3, ソ:3

図C
大学入試センター試験2017年本試 数学ⅠA第5問 解説図C

図Cのように、円IABBCCAの接点をそれぞれPQRとおくと、
AP=AR BP=BQ CQ=CR である。

BQ=xとすると、
BP=BQ=xなので、
AP=AR=3x CQ=CR=8x

だから、
AC=AR+CR
AC=(3x)+(8x)
AC=112x
と表せる。

AC=7なので、これは
112x=7
より、
x=2
となる。

よって、
BQ=2式B
である。

BIQBQI=90の直角三角形なので、三平方の定理より、
BI2=BQ2+IQ2式C
である。
IQは内接円の半径なので、スセソより
IQ=233
だった。

また、式Bより
BQ=2
なので、式Cは
BI2=22+(233)2
である。

これを計算して、
BI2=4+1232
BI2=324+1232
BI2=34(3+1)32
BI2=34232
ここで、0<BIなので、
BI=433
である。

解答タ:4, チ:3, ツ:3