大学入試センター試験 2016年(平成28年) 追試 数学ⅠA 第2問 [4] 解説

(1)

表3の得点のうち、特徴的な点にだけ注目しよう。
Xの最低点は56で、そのYは63。
Yの最低点は40で、そのXは68。
この2点を4つの散布図で確認する。

Yの最低点のXが、70を超えているので誤り。 Yの最低点が40ではないので誤り。 Xの最低点のYが、60未満なので誤り。 Xの最低点,Yの最低点ともに正しい。 以上より、正解は3。

解答ソ:3

(2)

まず、復習から。

復習

もとのデータのすべてをa倍した場合、新しいデータの
平均値はa倍になる。 分散はa2倍になる。 標準偏差は|a|倍になる。 詳しくはこのページ参照。

なので、変換後の標準偏差はもとの値の12になる。

次に、共分散。
問題の表4の説明にもあるとおり、共分散は科目Xと科目Yの偏差の積の平均値。
科目Xの偏差が12,科目Yの偏差も12になると、掛け合わせるともとの値の14になる。
その平均値なので、もとの値の14

以上より、標準偏差は12,共分散は14になる。

解答タ:2

別解

共分散については、相関係数から考えることもできる。

復習

もとのデータのすべてをa倍してbたしても、相関係数の値は変わらない。
ただし、相関係数を求める2つのデータの片方に正の数、他方に負の数をかけると、相関係数の符号は逆になる。

復習

データXの標準偏差をsx,データYの標準偏差をsy,データXとYの共分散をsxyとすると、相関係数rxyは、
rxy=sxysxsy式A

(2)のはじめに復習したように、変換後の標準偏差は、科目Xも科目Yも12になる。
式Aで相関係数の計算をするとき、sxsyともに変換後は12になるから、分母は14になっているはず。
一方、相関係数の値は変わらない。
ということは、分子のsxy14にならないとおかしい。

以上より、共分散はもとの値の14

解答タ:2

アドバイス

以上、できるだけ数式を使わずに説明した。
問題文に出てきた用語(偏差とか標準偏差とか共分散とか)の意味があいまいな人は、もう一度復習しておこう。