大学入試センター試験 2016年(平成28年) 追試 数学ⅡB 第4問 解説

問題を解く準備

図A
大学入試センター試験2016年追試 数学ⅡB第4問 解説図A

図Aのように補助線を引き、できた四つの交点をそれぞれABCDとする。
四つ出来る赤い三角形は直角二等辺三角形なので、○の角度は45°で、辺の比は1:1:2である。
なので、正八角形の一辺の長さを1とすると、緑の線の長さは12である。
さらに、四角形ABCDは正方形で、一辺の長さは正八角形の一辺と等しい。
ここまで準備ができたところで、問題を解く。

(1)

図Aより、正八角形のひとつの内角は、90+45で、135である。

解答ア:1, イ:3, ウ:5

また、図Aより、P1P0P5=90である。

解答エ:5

ここまでは説明の必要はないと思う。

(2)

ベクトルP0Pkを考える前に、図Aの緑の線のベクトルを求めておこう。

P0P1//P7A
P0P1:P7A=1:12

なので、
P7A=12a
である。

よって、
P7A=BP2=CP3=P6D=12a
といえる。

P0A=P0P7+P7A
P0A=12a+b
なので、
P0A=P1B=CP4=DP5=12a+b
となる。


これが分かったところで問題にもどって、
P0P2=P0P1+P1P2
ここで、
P1P2=P1B+BP2
P1P2=12a+b+12a
P1P2=22a+b
P1P2=2a+b式A
なので、
P0P2=a+2a+b
P0P2=(1+2)a+b
である。

解答オ:4

P0P3=P0P2+P2P3
ここで、
P2P3//P0A
P2P3:P0A=1:12=2:1
より、
P2P3=2(12a+b)
P2P3=a+2b
なので、
P0P3=(1+2)a+b+a+2b
P0P3=(2+2)a+(1+2)b
となる。

解答カ:2

P0P4=P0P3+P3P4
P0P4=(2+2)a+(1+2)b+b
P0P4=(2+2)a+(2+2)b
P0P4=(2+2)(a+b)
である。

解答キ:8

P0P5=P0P4+P4P5
P0P5=(2+2)(a+b)a
P0P5=(1+2)a+(2+2)b
である。

解答ク:5

P0P6=P0P5+P5P6
ここで、P5P6=P1P2なので、式Aより、
P5P6=2ab
なので、
P0P6=(1+2)a+(2+2)b2ab
P0P6=a+(1+2)b
となる。

解答ケ:1

アドバイス

思いつきさえすれば、P0P5P0P6は別解のように求めた方が早い。

別解

図B
大学入試センター試験2016年追試 数学ⅡB第4問 解説図B

正八角形をP0P4を軸にして裏返し、裏返す前の図形と重ねると、図Bのようになる。
abは重なり、頂点P5P3と、頂点P6P2と重なる。
このことから、
P0P3abを入れ替えるとP0P5になり、
P0P2abを入れ替えるとP0P6になる
ことが分かる。

以上より、
P0P5=(1+2)a+(2+2)b
P0P6=a+(1+2)b
である。

解答ク:5, ケ:1

(3)

正八角形の対角線上に、Q0Q7を図Cのようにとる。

図C
大学入試センター試験2016年追試 数学ⅡB第4問 解説図C

図Cにおいて、
P1P0//P2P7//P3P6//P4P5 P0P7//P1P6//P2P5//P3P4 である。

P0Q6=P0P1+P1Q6
ここで、P1Q6=P0P7なので、
P0Q6=P0P1+P0P7
P0Q6=a+b
である。

解答コ:0

P0Q7=P1P2
ここで、式AよりP1P2=2a+bなので、
P0Q7=2a+b
である。

解答サ:3

(4)

Q6Q7=P0Q7P0Q6
(3)より、
P0Q6=a+b
P0Q7=2a+b
なので、
Q6Q7=(2a+b)(a+b)
Q6Q7=(21)a
となる。

解答シ:2, ス:1

正八角形Q0Q1Q2Q3Q4Q5Q6Q7と正八角形P0P1P2P3P4P5P6P7は相似で、
Q6Q7=(21)a P0P1=a より、相似比は21:1である。
Q0Q1Q2Q3Q4Q5Q6Q7の面積をQ
P0P1P2P3P4P5P6P7の面積をP
とすると、面積比は相似比の2乗なので、
Q:P=(21)2:12
Q:P=322:1
より、
Q=(322)P
である。

解答セ:3, ソ:2, タ:2