大学入試センター試験 2016年(平成28年) 追試 数学ⅠA 第2問 [1] 解説

解説

余弦定理より
BC2=AB2+CA22ABCAcosBAC
BC2=12+32213(33)
BC2=1+3+2
BC2=6
0<BCなので、
BC=6

解答ア:6

面積はS=12bcsinAを使って求めよう。
そのために、まずsinBACを計算する。

sin2BAC+cos2BAC=1より、
sin2BAC+(33)2=1
sin2BAC=1(33)2
sin2BAC=23
0<sinBACなので、
sinBAC=23

以上より、ABCの面積は、
ABC=121323
ABC=22
となる。

解答イ:2, ウ:2


図A
大学入試センター試験2016年追試 数学ⅠA第2問[1] 解説図A

BDは△ABCの外接円の直径。
外接円の半径をRとすると、これが含まれている公式は2つある。
正弦定理
asinA=bsinB=csinC=2R
三角形の面積の公式
S=abc4R
今回は、△ABCの3つの辺の長さと面積、それにひとつの角のsincosが分かっているので、どちらの公式も使える。なので、簡単な方の正弦定理を使おう。

△ABCの外接円の半径をRとすると、正弦定理より、
2R=BCsinBAC
2R=623
2R=632
2R=3
より、BD=3
ここで問われているのは外接円の直径なので、2Rが分かればよく、Rを求める必要はない。

解答エ:3

別解

ちなみに、面積の公式から求めるとこうなる。

三角形の面積の公式より、
ABC=ABBCCA4R
22=1364R
24R=2136
4R=232
2R=3
より、BD=3

解答エ:3

次に、△BCDの面積を求めよう。
∠BCDは直径に対する円周角なので、直角。
これを使って、三平方の定理でCDを計算し、あとは12×底辺×高さで面積を出そう。

三平方の定理より、
CD2=BD2BC2
CD2=3262
CD2=3
0<CDなので、
CD=3

△BCDの面積をSとすると、
S=12BCCD
S=1263
S=322
である。

解答オ:3, カ:2, キ:2


最後に、AEとDEの長さの比が聞かれている。
多くの受験生は、ここで一瞬悩むと思うんだ。
なので、分からなくなったときの考え方を説明する。

三角形や円の問題で、線分の長さの比といえば、
方べきの定理 チェバの定理 メネラウスの定理 が思いつくけれど、ここではどれも使えない。

アドバイス

マークシート試験で悩んだときは、上を見て、下を見る。つまり、これまでに解いたことを振り返り、それでも分からなければ先を読む。

で、上を見ると、
問題の前半の流れは、△ABCの面積を求めて終わっている。 問題の後半の流れは、△BCDの面積を求めて終わっている。 ということは、三角形の面積から線分の比を求めるんじゃないかと気づく。

図Bを見てほしい。
Hは点Aから辺BCに下ろした垂線の足である。
△ABC,△BCDともに、底辺はBCで共通。
なので、面積比=高さの比になるから、
AH:DC=22:322=1:3式A

図B
大学入試センター試験2016年追試 数学ⅠA第2問[1] 解説図B

△AEHと△DECは相似なので、
AE:DE=AH:DC式B

式A,式Bより、
AE:DE=1:3
AEDE=13
である。

解答ク:1, ケ:3