大学入試センター試験 2016年(平成28年) 追試 数学ⅠA 第5問 解説

解説

まず、三角形の内心について復習をしておこう。

復習

図A
大学入試センター試験2016年追試 数学ⅠA第5問 解説図A

図Aにおいて、
同じ色の線分の長さは等しい。
同じ色・記号の角の大きさは等しい。

等しい線分・角が、結構たくさんある。

復習が終わったところで、問題を解こう。

図B
大学入試センター試験2016年追試 数学ⅠA第5問 解説図B

図Bにおいて、点Pは△ABDの内心なので、DPは∠ADBの二等分線。
よって、
ADP=12ADB

解答ア:1, イ:2

同様に、点Qは△ACDの内心なので、DQは∠ADCの二等分線。
よって、
ADQ=12ADC

解答ウ:1, エ:2

以上より、
ADP+ADQ=12(ADB+ADC)
ADB+ADC=180なので、
ADP+ADQ=90より、
PDQ=90である。
直径に対する円周角は直角なので、このことから、点Dは線分PQを直径とする円の円周上にあることが分かる。
よって、問題選択肢のうち正しいのは1。

解答オ:1


次は、①式。図Aで復習した「頂点から2つの接点までの長さは等しい」ってのを使うんだろうって考えられるけど、図Bだとちょっとごちゃごちゃしすぎなので、必要な部分だけを抜き出そう。
ついでに、必要な部分を分かりやすく着色して名前をつけてみた。

図C
大学入試センター試験2016年追試 数学ⅠA第5問 解説図C

図Cで、
2b=AB+BC(a+c)
2b=AB+BCAC
b=12(AB+BCAC)
b=BHなので、
BH=12(AB+BCAC)
①式ができた。

解答カ:2, キ:0

△ABDで同じように考えて、
BE=12(AB+BDAD)

解答ク:3, ケ:1

△ACDで、
DF=12(AD+CDAC)

解答コ:1, サ:0

この①~③を使ってEHを表す。
図Bより、
EH=BHBE
なので、①式から②式を辺々引いてみよう。
)BH=12(AB+BCAC)
)BE=12(AB+BDAD)
BHBE=12(BCBDAC+AD)
BCBD=CDなので、
BHBE=12(AD+CDAC)
EH=12(AD+CDAC)
となる。この式の右辺は③式と同じなので、
EH=DF式A
であることが分かる。

解答シ:3


これまでに分かったことを図Bに書き込む。けど、図がややこしくなってきたので、必要な部分だけを抜き出して整理してみた。

図D
大学入試センター試験2016年追試 数学ⅠA第5問 解説図D

図Dで、KはEFの中点。
また、式AよりEH=DFなので、
HK=DK

解答ス:0

このことから、△JHKと△JDKは合同であり、JD=JHであることが分かる。
点Dは円Jの円周上にあるので、JDは円Jの半径。
なので、JHも円Jの半径。
以上より、点Hは円Jの円周上にある。

解答セ:1