大学入試センター試験 2016年(平成28年) 本試 数学ⅠA 第2問 [3] 解説

(1)

箱ひげ図から、 40℃以上の日があるのはaだけ 0℃以下の日があるのはbだけ であることが分かる。

ヒストグラムと見比べて、 N市には0℃以下の日があるので、箱ひげ図b M市には40℃以上の日があるので、箱ひげ図a である。

解答ソ:5

(2)

まず、相関図について復習しておこう。

復習

ここに載せた相関図は、全て横軸αは右が大きい値、縦軸βは上が大きい値であるとする。

図A
大学入試センター試験2016年本試 数学ⅠA第2問[3] 解説図A  
図B
大学入試センター試験2016年本試 数学ⅠA第2問[3] 解説図B

図A・図Bのように、点が直線状に連なっているとき、αβの間には相関があるという。
図Aのように右上がりの場合を「正の相関」といい、図Bのように右下がりの場合を「負の相関」という。

図C
大学入試センター試験2016年本試 数学ⅠA第2問[3] 解説図C

また、同じ正の相関であっても、図Aと図Cを比較すると、図Aの方がより直線状になっている。このような場合、図Aの方が「相関が強い」といい、図Cの方が「相関が弱い」という。

さて、復習が終わったところで相関図を見ると、次のようなことが分かる。 左の相関図は、点が右上がりに連なっているので、東京とO市の最高気温は正の相関がある。 真ん中の相関図は、点が右上がりに連なっているので、東京とN市では正の相関があるが、東京とO市の相関より弱い。 右の相関図は、点が若干右下がりに連なっているように見えるので、東京とM市では負の相関がありそうだ。

以上より、選択肢のうち正しいものは1と3である。

解答タ:1, チ:3(順不同)

(3)

問題の説明を式にすると、摂氏でデータを{x1,x2,x3,,xn}、華氏でのデータを{y1,y2,y3,,yn}とした場合、
yn=95xn+32式A
になる。
というわけで、復習だ。

復習

もとのデータを{x1,x2,x3,,xn}とし、その平均値をx,分散をsx2,標準偏差をsxとする。
もとのデータのすべてをa倍してbを加えて、新しいデータをつくる。
新しいデータは
{y1=ax1+b,
{y2=ax2+b,
{y3=ax3+b,
{
{,yn=axn+b}
となる。
このとき、 新しいデータの平均値y=ax+b 新しいデータの分散sy2=a2sx2 新しいデータの標準偏差sy=|a|sx となる。

詳しくはこのページ参照。

なので、式Aより、XYには
Y=(95)2X
の関係が成り立つ。
これをYXに代入して、
YX=(95)2XX
YX=(95)2=8125
である。

解答ツ:9

次はテだけど、直接共分散を考えるより、相関係数から逆算した方が楽かも。なので、まず相関係数の復習をしよう。

復習

相関係数とは、共分散をそれぞれの変数の標準偏差で割ったものだった。

復習

もとのデータのすべてをa倍してもbを加えても、相関係数の値は変わらない。
ただし、相関係数を求める2つのデータの片方に正の数、他方に負の数をかけると、相関係数の符号は逆になる。

なので、東京とN市の相関係数は摂氏でも華氏でも一定で、これをUとする。
東京(摂氏)の標準偏差をst
N市(摂氏)の標準偏差をsn
とすると、復習から、N市(華氏)の標準偏差は95snとなる。

復習から、相関係数は共分散をそれぞれの変数の標準偏差で割ったものなので、
{Zstsn=UWst95sn=U
より、
{Z=stsnUW=95stsnU
となる。
これをWZに代入して、
WZ=95stsnUstsnU=95
である。

解答テ:8

最後に、ト。
復習より、もとのデータのすべてをa倍してもbを加えても、相関係数の値は変わらないから、U=V
よって、
VU=1
である。

解答ト:7