大学入試センター試験 2016年(平成28年) 本試 数学ⅡB 第1問 [1] 解説

(1)

$8^{\frac{5}{6}}=(2^{3})^{\frac{5}{6}}$
$8^{\frac{5}{6}}$$=2^{3\cdot\frac{5}{6}}$
$8^{\frac{5}{6}}$$=2^{\frac{5}{2}}$
$8^{\frac{5}{6}}$$=2^{\left(2+\frac{1}{2}\right)}$
$8^{\frac{5}{6}}$$=2^{2}\cdot 2^{\frac{1}{2}}$
$8^{\frac{5}{6}}$$=4\sqrt{2}$

解答ア:4, イ:2

復習

指数と対数の関係は、
$\log_{a}b=c$⇔$a^{c}=b$
だった。

$\displaystyle \log_{27}\frac{1}{9}=x$とおくと、
$27^{x}=\displaystyle \frac{1}{9}$
$\displaystyle \left(3^{3}\right)^{x}=\frac{1}{3^{2}}$
$3^{3x}=3^{-2}$

となるので、
$3x=-2$
$x=-\displaystyle \frac{2}{3}$
である。

解答ウ:-, エ:2, オ:3

別解

底の変換公式より、
$\displaystyle \log_{27}\frac{1}{9}=\frac{\log_{3}\frac{1}{9}}{\log_{3}27}$
これを変形して、
$\displaystyle \log_{27}\frac{1}{9}$$\displaystyle =\frac{\log_{3}\frac{1}{3^{2}}}{\log_{3}3^{3}}$
$\displaystyle \log_{27}\frac{1}{9}$$\displaystyle =\frac{\log_{3}3^{-2}}{3}$
$\displaystyle \log_{27}\frac{1}{9}$$\displaystyle =\frac{-2}{3}$
である。

解答ウ:-, エ:2, オ:3

(2)

グラフの移動について復習しておこう。

復習

$y=f(x)$をもとのグラフとして、
$x$軸に関して対称⇔$-y=f(x)$ $y$軸に関して対称⇔$y=f(-x)$ 原点に関して対称⇔$-y=f(-x)$

だった。
さらに、指数関数と対数関数のグラフの復習。

復習

$a$を定数として、
$y=a^{x}$と$y=\log_{a}x$は、$y=x$に関して対称

だった。
ついでに、

復習

$y=f(x)$をもとのグラフとして、 $y=x$に関して対称⇔$x=f(y)$ である。

って、これ数Ⅲの内容だっけ?


復習が終わったところで、問題を解こう。

$y=\left(\frac{1}{2}\right)^{x}$を変形すると、
$y=(2^{-1})^{x}$
$y$$=2^{-x}$

これは、$y=2^{x}$の$x$を$-x$に変えたもの。
よって、$y=2^{x}$と$y=\left(\frac{1}{2}\right)^{x}$は、$y$軸に関して対称である。

解答カ:2

指数関数と対数関数のグラフの復習より、
$y=2^{x}$と$y=\log_{2}x$は、直線$y=x$に関して対称である。

解答キ:3

別解

$y=\log_{2}x$を変形して、
$x=2^{y}$
これは、$y=2^{x}$の$x$と$y$を入れ替えたもの。
よって、$y=2^{x}$と$y=\log_{2}x$は、$y=x$に関して対称である。

解答キ:3

$y=\log_{\frac{1}{2}}x$を変形すると、
底の変換公式より
$y=\displaystyle \frac{\log_{2}x}{\log_{2}\frac{1}{2}}$
$y\displaystyle $$\displaystyle =\frac{\log_{2}x}{\log_{2}2^{-1}}$
$y\displaystyle $$\displaystyle =\frac{\log_{2}x}{-1}$
$-y=\log_{2}x$

これは、$y=\log_{2}x$の$y$を$-y$に変えたもの。
よって、$y=\log_{2}x$と$y=\log_{\frac{1}{2}}x$は、$x$軸に関して対称である。

解答ク:1

$y=\displaystyle \log_{2}\frac{1}{x}$を変形すると、
$y=\log_{2}x^{-1}$
$y$$=-\log_{2}x$
$-y=\log_{2}x$
これは、$y=\log_{2}x$の$y$を$-y$に変えたもの。
よって、$y=\log_{2}x$と$y=\displaystyle \log_{2}\frac{1}{x}$は、$x$軸に関して対称である。

解答ケ:1

(3)

$y=\left(\log_{2}\frac{x}{4}\right)^{2}-4\log_{4}x+3$
を変形して、
$y=\displaystyle \left(\log_{2}x-\log_{2}4\right)^{2}-4\cdot\frac{\log_{2}x}{\log_{2}4}+3$
$\log_{2}x=t$,$\log_{2}4=2$なので、
$y=\displaystyle \left(t-2\right)^{2}-4\cdot\frac{t}{2}+3$
$y$$=t^{2}-4t+4-2t+3$
$y$$=t^{2}-6t+7$式A
となる。

解答コ:6, サ:7

図A
大学入試センター試験2016年本試 数学ⅡB第1問[1] 解説図A

また、$t=\log_{2}x$のグラフは図Aのようになるので、
$x \gt 0$のとき、$t$はすべての実数。

解答シ:3

以上から式Aのグラフを考える。

式Aを平方完成して、
$y=t^{2}-6t+9-9+7$
$y$$=(t-3)^{2}-2$
より、頂点$(3,-2)$で下に凸のグラフになる。
また、定義域はすべての実数。
よって、$t=3$のとき最小値$-2$。

解答ス:3

$t=3$を$x$の値に変換する。
$t=3$を$t=\log_{2}x$に代入して、
$\log_{2}x=3$
$x=2^{3}$
$x$$=8$
より、
$x=8$のとき最小値$-2$となる。

解答セ:8, ソ:-, タ:2