大学入試センター試験 2016年(平成28年) 本試 数学ⅡB 第1問 [2] 解説
(1)
①の両辺に
と書くことにする。
となる。
この
である。
ここで、2倍角の公式の復習をすると、
公式
より、式B1,式B2をちょっと変形して
となる。
解答チ:4
②が成り立つためには
または
であればよい。
まず、この場合を解決しておこう。
問題文より、
なので、
である。
この範囲で
つまり
のときである。
解答ツ:4
次に、式Cの場合を考える。
式Cを変形して、
とする。
確認だけど、問題文より
である。
より
となる。
だから、
つまり
のとき、式C'は解をもたない。
このとき、①の解は、ツの
の1個だけである。
解答テ:1, ト:4
アドバイス
次に、これ以外の場合、つまり
のときの式C'の解の個数を求めるんだけど、解法がいくつか考えられる。
どの方法も一長一短なので、長くなるけど3種類説明する。
解法1
とかける。
より
なので、グラフを描くと図Aができる。
グラフ中の緑の範囲が定義域だ。
式Dの右辺の
のとき、グラフは図Bのようになる。
各辺を
と変形しておこう。
このとき、式Dを満たすのは、図Bの赤い点の2個。
また、ツより
も解だけど、これは
と変形すると、
で、図Bのオレンジの点になるから、赤い点とは重ならない。
よって、このとき、①を満たす
解答ナ:3
式Dの右辺の
のとき、グラフは図Cのようになる。
今回も
としておこう。
このとき、式Dを満たすのは、図Cの赤い点の1個。
これは、ツの
と同じ点で、重解である。
よって、このとき、①を満たす
解答ニ:1
式Dの右辺の
解法2
2倍角の公式の復習の式B3をちょっと変形して、
として、式C'に代入すると
となる。
これを変形して、
ができる。
より
なので、グラフを描くと図Dができる。
グラフ中の緑の範囲が定義域だ。
式Eの右辺の
のとき、グラフは例えば図Eのようになる。
としておこう。
このとき、式Eを満たすのは、図Eの赤い点の2個。
また、ツより
も解だけど、これは
より
と変形すると、図Eのオレンジの点になるから、赤い点とは重ならない。
よって、このとき、①を満たす
解答ナ:3
式Eの右辺の
のとき、グラフは図Fのようになる。
としておこう。
このとき、式Eを満たすのは、図Cの赤い点の1個。
これは、ツの
と同じ点で、重解である。
よって、このとき、①を満たす
解答ニ:1
式Eの右辺の
解法3
2倍角の公式の復習の式B3をちょっと変形して、
として、式C'に代入すると
となる。
これを変形して、
ができる。
ここまでは解法2と同じだ。
この式E'の解の個数を考える。
式E'を、連立方程式
このとき、式E'の方程式の解は、式E1,E2の連立方程式の解である。
また、連立方程式の解は、2つのグラフの共有点の座標に等しい。
よって、式E'の解の個数は、式E1,E2のグラフの共有点の個数である。
というわけで、式E1のグラフを描く。
さらに、ツより、
のグラフもいっしょに描くと、図Gができる。
図Gを見ながら、グラフの共有点の数を考えるわけだ。
例えば、
式E2は
となる。
これをグラフに書き込むと、図Hのオレンジの直線になる。
オレンジの直線と黒いグラフの共有点は3個。
よって、このとき、①を満たす
また、同様に、
式E2のグラフは図Hの赤い直線で、黒いグラフとの共有点は1個。
よって、このとき、①を満たす
一方、問題文より
だから
である。
よって、
黄色の範囲のとき、解は1個
赤い線と重なるとき、解は1個
オレンジの範囲のとき、解は3個
グレーの範囲に入ることはない
である。
以上をまとめると、
つまり
解は1個。
解答テ:1, ト:4
つまり
解は1個。
解答ニ:1
つまり
解は3個である。
解答ナ:3
(2)
式C'に
解答ヌ:4, ネ:5
解答ノ:-, ハ:3, ヒ:5
ここで、半角公式の復習をしよう。
復習
だった。
式Gの
これに式Fを代入して、
となる。
解答フ:5, ヘ:5