大学入試センター試験 2015年(平成27年) 追試 数学ⅡB 第3問 解説
問題を解く準備
センター試験に限らずマークシートのテストは、問題の流れに乗ることが大切だ。なので、私も問題の流れの通りに解説するのだけれど、この問題に関しては、問題を解く前に予備知識をつけておいた方が分かりやすいと思う。なので、最初は問題文は無視して説明する。
計算の説明は省略してるけど、あとでちゃんとフォローするから、気にせずに読み飛ばしてほしい。
①の漸化式で面倒なところは絶対値だ。なので、場合分けして絶対値をはずそう。
となる。以下、場合分けAについて考える。
式Aの
より、
階差数列からもとの数列を求める公式から、
となる。
これが成り立つのは、場合分けAから
のとき。
式Bから、
のとき。
これを計算して、
より、
である。
この範囲には
じゃぁ、
なのかというと、そうじゃないのがこの問題の面倒なところ。
場合分けA・Bは漸化式の場合分けであって、一般項の場合分けじゃないのに注意してほしい。
となり、7項目まで式Bの一般項が使えるのだ。
ちょっと長くなったけれど、これで問題はすらすら解けるはず。
さて、解こう。
(1)
解答ア:3, イ:6
解答ウ:2, エ:8
ここで、②が成り立っているとすれば、
だから、①の漸化式の絶対値の部分は
となって、絶対値がはずせる。
このとき、漸化式は
である。
解答オ:4
復習
ここで漸化式の基本の復習をしておこう。
漸化式の基本の形は4つあって、
公差
公比
階差数列の一般項が
特性方程式を使って解く
だった。
式Dは3番目のパターンなので、階差数列を使って解こう。
復習
階差数列が分かっているとき、もとの数列の一般項は、
ただし、
だった。
よって、
である。
これは
解答カ:2, キ:2, ク:4, ケ:0
確認だけど、はじめに説明したように、
①の漸化式の絶対値の中が0以上になるのが
ならば、
③の一般項が使えるのは
だった。
なので、
これを利用して
これが、問題文中③の2行あとの式だ。
どんどん解いて、
アドバイス
変な解き方をしてるけど、数列のときはこのように解く。
普通の二次不等式のように、
から
とやって
としても、今度は
なので、式Eのようにして、あとは適当な数字を代入してみる。どうせ
というわけで、式Dを満たす最小の
である。
解答コ:7
となる。
解答サ:4, シ:4
(2)
ここからは、はじめの説明の場合分けBの部分だ。
まず④を数学的帰納法で確かめるらしい。
ここでちゃんと証明を考えていると、多分試験時間がなくなる。
どうせマジな数学的帰納法がセンター試験に出たことは過去一度もないし。
今はスセだけ解こう。
今は場合分けBについて考えているので、①の漸化式は、式Bより、
とかける。
この
となる。
解答ス:3, セ:4
以上より、
ここからはお約束の解き方だ。
⑤の
⑤'-⑤より、辺々引いて、
ここで、問題文の通り
とおくと、
だから、式Fは
となる。
解答ソ:3, タ:4
漸化式の基本の4番目のパターンになった。
両辺から
解答チ:2, ツ:3
より、
となるので、
なので、
だから、
ここで、式Gより、
サシより、
⑤より、
なので、
となる。
解答テ:6, ト:0
数列
また、
なので、
以上より、等比数列の一般項の式から、
である。
これから、
ここで、
となる。
解答ナ:5, ニ:8
次に、
式Gより、
⑤より、
なので、⑤を式Gに代入して、
となる。
解答ヌ:2
よって、式I=式Hより、
となる。
解答ネ:2, ノ:9, ハ:2, ヒ:1