大学入試センター試験 2015年(平成27年) 追試 数学ⅠA 第4問 解説
必要事項の確認
問題を解く前に、反復試行の確率の確認をしておこう。
7回さいころを振って、1の目が3回出るのは
${}_{7}\mathrm{C}_{3}\left(\frac{1}{6}\right)^{3}\left(\frac{5}{6}\right)^{4}$
だった。
数字じゃなくて文字にすると、
復習
$n$回の試行で、確率$p$の事象が$r$回起こるのは、
${}_{n}\mathrm{C}_{r}p^{r}(1-p)^{n-r}$
だった。
ということで、問題を解こう。
(1)
1回の試行で
白いボールが出る確率は$\displaystyle \frac{3}{4}$
黒いボールが出る確率は$\displaystyle \frac{1}{4}$
$m=3$を、白いボールが3回出たと考えれば、
${}_{4}\mathrm{C}_{3}\left(\frac{3}{4}\right)^{3}\left(\frac{1}{4}\right)$
黒いボールが1回出たと考えれば、
${}_{4}\mathrm{C}_{1}\left(\frac{1}{4}\right)\left(\frac{3}{4}\right)^{3}$
どちらの場合でも
$\displaystyle \frac{27}{64}$
となる。
解答ア:2, イ:7, ウ:6, エ:4
(2)
センター試験の確率の問題は、計算で解こうとするよりも、パターンを数え上げた方が楽に解けることが多い。この問題もパターンを数えよう。
$n=3$となるのは、
○○○●
●○○○
の2パターン。
どちらも確率は同じだから、片方求めて2倍すると、
$\displaystyle \left(\frac{3}{4}\right)^{3}\left(\frac{1}{4}\right)\times 2=\frac{27}{128}$
である。
解答オ:2, カ:7, キ:1, ク:2, ケ:8
(3)
この場合もパターンを数える。
$n=2$となるのは、白黒どっちが出てもよい場合を×で表すと、
○○●×A
×●○○B
●○○●C
の3パターン。
AとBの確率は同じだから、片方求めて2倍しよう。
白黒どちらが出てもよい場合の確率は$1$なので、
$\left(\frac{3}{4}\right)^{2}\left(\frac{1}{4}\right)\cdot 1\times 2$
Cの場合は、
$\left(\frac{1}{4}\right)\left(\frac{3}{4}\right)^{2}\left(\frac{1}{4}\right)$
この2つをたして、
$\left(\frac{3}{4}\right)^{2}\left(\frac{1}{4}\right)\cdot 1\times 2+\left(\frac{1}{4}\right)\left(\frac{3}{4}\right)^{2}\left(\frac{1}{4}\right)$
共通因数でくくって、
$=\left(\frac{3}{4}\right)^{2}\left(\frac{1}{4}\right)\times\left(2+\frac{1}{4}\right)$
$=\left(\frac{3}{4}\right)^{2}\left(\frac{1}{4}\right)\times\left(\frac{9}{4}\right)$
$=\displaystyle \frac{81}{256}$
となる。
解答コ:8, サ:1, シ:2, ス:5, セ:6
(4)
$n=3,\ 2$の場合は(2),(3)ですでに求めてあるので、余事象(この問題なら$n=1$以外の場合)を求めて$1$から引き算をしよう。
$n=0$の場合は、
$\left(\frac{1}{4}\right)^{4}$
$n=2$の場合は、(3)より、
$\displaystyle \frac{81}{256}$
$n=3$の場合は、(2)より、
$\displaystyle \frac{27}{128}$
$n=4$の場合は、
$\left(\frac{3}{4}\right)^{4}$
全部たして$1$から引くと、
$1-\left\{\left(\frac{1}{4}\right)^{4}+\frac{81}{256}+\frac{27}{128}+\left(\frac{3}{4}\right)^{4}\right\}$
$=1-\displaystyle \frac{1+81+27\cdot 2+81}{256}$
$=1-\displaystyle \frac{217}{256}$
$=\displaystyle \frac{39}{256}$
となる。
余事象を求めるとき、$n=0$の場合を忘れがちなので気をつけよう。
解答ソ:3, タ:9, チ:2, ツ:5, テ:6
別解
先に解いたように、このタイプの問題は余事象を求めて$1$から引くのが一般的な解き方だけれど、実は今回は$n=1$の場合を直接求めてもたいした手間ではない。
$n=1$となるパターンは、
白いボールが1回しか出ない場合
${}_{4}\mathrm{C}_{1}\left(\frac{3}{4}\right)\left(\frac{1}{4}\right)^{3}$
白いボールが2回出る場合
○●○●A
○●●○B
●○●○C
A・B・Cとも確率は同じだから、ひとつ求めて3倍すると、
$\left(\frac{3}{4}\right)\left(\frac{1}{4}\right)\left(\frac{3}{4}\right)\left(\frac{1}{4}\right)\times 3$
この2つをたして、
${}_{4}\mathrm{C}_{1}\left(\frac{3}{4}\right)\left(\frac{1}{4}\right)^{3}+\left(\frac{3}{4}\right)\left(\frac{1}{4}\right)\left(\frac{3}{4}\right)\left(\frac{1}{4}\right)\times 3$
共通因数でくくって、
$=\left(\frac{3}{4}\right)\left(\frac{1}{4}\right)^{2}\left\{{}_{4}\mathrm{C}_{1}\left(\frac{1}{4}\right)+\left(\frac{3}{4}\right)\times 3\right\}$
$=\left(\frac{3}{4}\right)\left(\frac{1}{4}\right)^{2}\left(1+\frac{9}{4}\right)$
$=\left(\frac{3}{4}\right)\left(\frac{1}{4}\right)^{2}\left(\frac{13}{4}\right)$
$=\displaystyle \frac{39}{256}$
である。
解答ソ:3, タ:9, チ:2, ツ:5, テ:6