大学入試センター試験 2015年(平成27年) 追試 数学ⅡB 第1問 [2] 解説

(1)

円$C$は原点中心・半径5なので、方程式は
$x^{2}+y^{2}=5^{2}$
である。

解答ス:2, セ:5

(2)

図A
大学入試センター試験2015年追試 数学ⅡB第1問[2] 解説図A

OAは∠PAQの二等分線だから、
$\displaystyle \angle \mathrm{OAP}=\frac{\pi}{6}$
である。

解答ソ:6

図Aを見ると、△OAPは30°60°の直角三角形だと分かる。
よって、
$\mathrm{OP}:\mathrm{OA}:\mathrm{AP}=1:2:\sqrt{3}$
円Oの半径は5だから、$\mathrm{OP}=5$なので、
$\mathrm{OA}=10$
となる。

解答タ:1, チ:0

次に、直線OAの傾きだ。

復習

直線同士が垂直 $\Leftrightarrow$ 傾き同士をかけると$-1$
だった。

また、問題文より、直線PQの傾きは$-\displaystyle \frac{4}{3}$。
なので、直線OAの傾きを$a$とすると、
$-\displaystyle \frac{4}{3}a=-1$
$-\displaystyle \frac{4}{3}$$\displaystyle a=\frac{3}{4}$
である。

解答ツ:3, テ:4


以上より、原点を通って傾き$\displaystyle \frac{3}{4}$の直線上にあり、原点からの距離が$10$の点がAである。

傾きが$\displaystyle \frac{3}{4}$ということは$x$方向に$4$増えると$y$方向に$3$増えるということだけど、これって$3:4:5$の直角三角形だよね。この$3:4:5$の直角三角形を2倍の大きさにすると、$6:8:10$で、距離$10$になるよね。

というわけで、計算するまでもなく、点Aの座標は
$(8,\ 6)$
となる。

解答ト:8, ナ:6

こんな風に直感的に解くのじゃなくて、ちゃんと式を作って解くと、別解のようになる。

別解

直線OAは、傾きが$\displaystyle \frac{3}{4}$で原点を通るから、
$y=\displaystyle \frac{3}{4}x$
とかける。
点Aの$x$座標を$\alpha$とすると、
$ y=\displaystyle \frac{3}{4}\alpha$
より、点Aの座標は
$\left(\alpha,\ \frac{3}{4}\alpha\right)$式A
とかける。

点Aと原点との距離は10だから、
$\alpha^{2}+\left(\frac{3}{4}\alpha\right)^{2}=10^{2}$
両辺$4^{2}$倍して、
$4^{2}\alpha^{2}+3^{2}\alpha^{2}=4^{2}\cdot 10^{2}$
$16\alpha^{2}+9\alpha^{2}=4^{2}\cdot 10^{2}$
$25\alpha^{2}=4^{2}\cdot 10^{2}$
$\displaystyle \alpha^{2}=\frac{4^{2}\cdot 10^{2}}{25}$
$ 0 \lt \alpha$より、
$\displaystyle \alpha=\frac{4\cdot 10}{5}$
$\alpha$$=8$

これを式Aに代入して、
Aの座標は
$(8,\ 6)$
となる。

解答ト:8, ナ:6

(3)

次に、ORの長さを求めよという。
図Aを見て気づくのは、ORは$1:2:\sqrt{3}$の直角三角形ROPの一辺だということなので、それを利用して解こう。

∠AOPが60°、∠ORPが直角なので、
$\mathrm{OP}:\mathrm{OR}=2:1$
OPは円$C$の直径なので、$\mathrm{OP}=5$。
よって、
$5:\mathrm{OR}=2:1$
$\displaystyle \mathrm{OR}=\frac{5}{2}$
である。

解答ニ:5, ヌ:2

(2)より、$\mathrm{OA}=10$だった。
なので、次のネは、
$\displaystyle \mathrm{OR}:\mathrm{RA}=\frac{5}{2}:10-\frac{5}{2}$
$\mathrm{OR}:\mathrm{RA}$$=5:20-5$
$\mathrm{OR}:\mathrm{RA}$$=5:15$
$\mathrm{OR}:\mathrm{RA}$$=1:3$
となるから、$3$である。

解答ネ:3

以上を用いて、直線PQの方程式を求めるようだ。
問題文からPQの傾きは分かっているので、通る点の座標を求めよう。
問題の流れから、点Rの座標を求める。

$\mathrm{OR}:\mathrm{RA}=1:3$より、点Rの座標は
$\displaystyle \frac{3\mathrm{O}+1\mathrm{A}}{1+3}$式B
とかける。
$\mathrm{O}=(0,\ 0)$、(2)より$\mathrm{A}=(8,\ 6)$なので、式Bは、
$\displaystyle \frac{3(0,\ 0)+1(8,\ 6)}{1+3}$
$=\displaystyle \frac{(8,\ 6)}{4}$
$=\left(2,\ \frac{3}{2}\right)$
となる。

以上より、傾き$-\displaystyle \frac{4}{3}$で、$\left(2,\ \frac{3}{2}\right)$を通る直線の式を求めればよい。
よって、
$y-\displaystyle \frac{3}{2}=-\frac{4}{3}(x-2)$
$y=-\displaystyle \frac{4}{3}x+\frac{8}{3}+\frac{3}{2}$
$y\displaystyle $$\displaystyle =-\frac{4}{3}x+\frac{16+9}{6}$
$y\displaystyle $$\displaystyle =-\frac{4}{3}x+\frac{25}{6}$
である。

解答ノ:2, ハ:5, ヒ:6


あとは、今求めた直線と円$C$の交点を出せばよい。
どちらの図形も方程式が分かっているので、連立方程式を解くだけである。

円$C$と直線PQの方程式より、
$\left\{\begin{array}{l}
x^{2}+y^{2}=5^{2}\\
y=-\frac{4}{3}x+\frac{25}{6}
\end{array}\right.$

下の式を
$y=-\displaystyle \frac{8}{6}x+\frac{25}{6}$
$y\displaystyle $$\displaystyle =-\frac{1}{6}(8x-25)$
と変形して、上の式に代入すると、
$x^{2}+\left\{-\frac{1}{6}\left(8x-25\right)\right\}^{2}=5^{2}$
となる。

両辺を$6^{2}$倍して、
$6^{2}x^{2}+(8x-25)^{2}=6^{2}5^{2}$
$6^{2}x^{2}+(8x-25)^{2}-(6\cdot 5)^{2}=0$
$6^{2}x^{2}+(8x-25+6\cdot 5)(8x-25-6\cdot 5)=0$
$6^{2}x^{2}+(8x+5)(8x-55)=0$
ありゃ。どうにもならなくなった。仕方がないから展開しよう。

$6^{2}x^{2}+8^{2}x^{2}+8\cdot 5x-8\cdot 55x-5\cdot 55=0$
$2^{2}(3^{2}+4^{2})x^{2}+8\cdot 5(1-11)x-5\cdot 55=0$
$2^{2}5^{2}x^{2}-8\cdot 5\cdot 10x-5\cdot 55=0$
両辺を$5^{2}$で割って、
$4x^{2}-16x-11=0$式C

アドバイス

計算方法の説明のため、式を全く省略せずに全部書いた。行数が多くて大変そうに見えるけど、暗算できる部分も全部書いたからそう見えるだけで、因数分解せずにいきなり展開するともっと面倒になる。
「とりあえず展開」とかしてはいけない。くれぐれも数学の計算の基本は因数分解である。

問題文のマスから式Cは因数分解できないのは明らかなので、解の公式から
$x=\displaystyle \frac{16\pm\sqrt{16^{2}-4\cdot 4\cdot(-11)}}{2\cdot 4}$
$x\displaystyle $$\displaystyle =\frac{16\pm\sqrt{4^{2}(16+11)}}{2\cdot 4}$
$x\displaystyle $$\displaystyle =\frac{16\pm 4\sqrt{27}}{2\cdot 4}$
$x\displaystyle $$\displaystyle =\frac{4\pm\sqrt{27}}{2}$
$x\displaystyle $$\displaystyle =\frac{4\pm 3\sqrt{3}}{2}$
となる。

解答フ:4, ヘ:3, ホ:3